社内の業務効率化が思うように進まず、お悩みの方はいらっしゃるのではないでしょうか。働き方改革やデジタル化が進む現代では、業務効率を上げるさまざまなサービスが提供されており、企業から注目を集めています。社内の業務効率化を進める際には、グループウェアが便利です。
この記事では、グループウェアの意味や機能、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。自社に適したグループウェアを選ぶ際に役立つ内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
グループウェアとは社内コミュニケーションツール
グループウェアとは、業務遂行を目的とした社内コミュニケーションを円滑にするツールです。Slackやメールシステムなどのツールとは異なり、メールやスケジュール管理、Web会議、オンラインストレージなどのビジネスで役立つ複数のアプリケーションが1つになっています。
オフィスだけでなく、コワーキングスペースや出張先、自宅など、働く場所が多様化している現代では、対面でコミュニケーションを取る機会が減っています。そのため、今まで以上にコミュニケーションの重要性が増しています。グループウェアは、不足しがちな社内のコミュニケーションを活発にして、業務効率を上げる際に役立つツールです。グループウェアには、以下の2種類があります。
- オンプレミス型グループウェア
- クラウド型グループウェア
オンプレミス型グループウェアとは、ソフトウェアを自社サーバーにインストールして使用するグループウェアです。データの保存先がサーバーになるため、情報漏えいのリスク低減が可能です。対して、クラウド型グループウェアとは、インターネットを介して使用するグループウェアです。サーバーを準備する必要がなく、導入期間の短縮が可能です。
最近ではクラウド型グループウェアが主流となっており、Google WorkspaceやMicrosoft 365、サイボウズOfficeなどのさまざまなサービスがあります。代表的なクラウド型グループウェアについては、後ほど詳しく解説します。
グループウェアの主な機能7選
グループウェアは、メールやスケジュール管理などの基本的な機能だけではなく、ビジネスに必要なさまざまな機能が備わったツールです。グループウェアの主な機能は、以下の通りです。
- チャット機能
- スケジュール管理
- 共有設備・備品の予約
- ストレージ(ファイル保管)
- 社内SNSや掲示板
- Web・オンライン会議
- 簡易的なワークフロー機能
この章では、グループウェアの主な機能について、詳しく解説します。
チャット機能
グループウェアには、チャット機能があります。メールとは異なり、手軽で迅速にコミュニケーションが取れる点がメリットです。また、メッセージに対してリアクション絵文字で反応できるため、時間がない場合でも円滑にコミュニケーションが取れます。チャット機能は、社内だけでなく、外部の人ともメッセージのやり取りが可能です。
スケジュール管理
グループウェアのスケジュール管理機能を使えば、個人やチームメンバーのスケジュールを閲覧できます。社内メンバーのスケジュールを把握して、会議や社内イベントなどの予定を、手間なく
調整可能です。電話対応でメンバーの所在を把握しなければならない状況でも、社内メンバーのスケジュールを確認して、迅速に状況を把握できます。
共有設備・備品の予約
グループウェアには、社用車や会議室などの共有で使う備品や設備を予約管理できる機能が備わっています。備品・設備の予約、予約状況の確認が可能です。備品や設備を今使っている人は誰なのか、社内メンバー全員が確認できるため、利用が重複するトラブルを防止できます。
ストレージ(ファイル保管)
グループウェアのストレージ機能を使えば、クラウド上にファイルを保存・共有・管理できます。ファイルが保存されるのは、デバイスではなく会社が管理するストレージになるため、セキュリティ対策の強化が可能です。社内メンバー全員がストレージにアクセスできるように設定すれば、チームメンバー間の情報共有が円滑になり、管理するデータの重複防止や保管場所を探す手間の削減につながります。
社内SNSや掲示板
グループウェアには、会社のお知らせや社内通達などの連絡事項を伝達できる機能があります。必要な情報を、簡単な操作で迅速に社内へ発信可能です。メールやチャットでは、情報が次々と流れてしまいますが、社内SNSや掲示板を使えば、情報が埋もれにくくなります。
Web・オンライン会議
グループウェアでは、オンライン会議が利用可能です。新型コロナウイルス感染症の蔓延により、オンライン会議の需要は急速に増加しました。同じ場所にいなくても時間さえ確保できれば会議ができるようになり、数百人以上での会議も可能になりました。かつての会議のスタイルを大きく変えたオンライン会議は、グループウェアで利用できる便利な機能の1つです。
簡易的なワークフロー機能
グループウェアには、ワークフロー機能があります。ワークフロー機能は、社内承認が必要な見積書や稟議の作成から承認までをオンライン上で完結できる機能です。スマートフォンやタブレットなどのパソコン以外のデバイスにも対応しているため、出先からの情報確認や承認ができます。出社する機会が少ない役員や従業員がいても、オンライン上で円滑に社内決裁が可能です。
グループウェアを導入する3つのメリット
会社がグループウェアを導入するメリットは、以下の3つです。
- スムーズな情報共有
- 社内コミュニケーションの活性化
- 複数のシステムを管理する必要がない
以下の解説を読んで、社内への導入を検討する際の参考にしてください。
スムーズな情報共有
グループウェアを使えば、社内の情報共有にかかる時間や手間の削減が可能です。作業状況が常に最新の状態で反映されるため、チームメンバーへの共有や次のアクションを円滑に素早く実行できます。また、社内の属人化をなくし、個人が持っている情報やノウハウを他のメンバーに共有しやすい環境が整備できます。
社内コミュニケーションの活性化
グループウェアの導入は、社内コミュニケーションの活性化につながります。今まで対面で行っていたやり取りをチャットやオンライン会議でできるため、移動の手間がなく円滑にやり取りでき、社内でコミュニケーションを取る機会が増えます。対面でのやり取りに限定されず、コミュニケーションの自由度が高くなるのは、グループウェアの大きなメリットです。通信環境があれば、さまざまなデバイスで利用できます。
従来のメールや電話だけでなく、チャットやオンライン会議、ポータルサイト、SNS、掲示板などの複数のコミュニケーションツールが使えるため、情報伝達が早くなり、ストレスなくスムーズに社内コミュニケーションが取れます。
複数のシステムを管理する必要がない
グループウェアは、複数のシステムを個別に管理する手間をなくし、システム管理者の負担を軽減できるツールです。たとえば、コミュニケーションツールを使用する場合、ストレージサービスやWeb会議サービスなどの他のサービスを同時に導入する必要があり、それぞれの管理が必要です。グループウェアであれば、業務に必要な機能が集約されており、1つのアカウントで複数の機能を管理できるため、システム管理者の負担を減らせます。
グループウェアを導入する2つのデメリット
会社がグループウェアを導入するデメリットは、以下の2つです。
社員が使えこなせないリスクがある
ランニングコストが発生する
以下の解説を読んで、社内への導入を検討する際の参考にしてください。
社員が使いこなせないリスクがある
グループウェアにはたくさんの機能が備わっているため、すべての機能を使いこなすのは難しいと感じる場合があります。グループウェアで業務効率化を進めて生産性の向上を図るには、社内への導入をゴールにするのではなく、会社のコミュニケーションツールとして十分に活用できるよう浸透させる必要があります。導入担当者は、社員向けの研修を実施したり、利用に関するガイドラインを作成したりして、ツールの利用を社内全体に推進する動きが大切です。
ランニングコストが発生する
グループウェアには無料で利用できるものもありますが、有料のグループウェアを利用する場合には、ランニングコストが発生します。無料のグループウェアは、セキュリティやサポート体制が十分ではない可能性があるため、会社に導入するなら有料のグループウェアがおすすめです。
グループウェアは、会社全体で利用するツールです。会社の従業員数にアカウント単価を掛ければ、ランニングコストを算出できます。従業員数が多ければ多いほどランニングコストは多くなりますが、複数のツールを個別に契約した場合と比較して、ランニングコストは安くなるでしょう。長期的な視点で会社全体の利益を考え、導入を検討しましょう。
おすすめのグループウェア一覧
この章では、企業でよく使用されているグループウェアについて紹介します。代表的なグループウェアは、以下の5つです。
- Google Workspace
- Microsoft 365(Office 365)
- サイボウズOffice / ガルーン
- deskNet’s NEO
- LINE WORKS
グループウェアによってできることは異なります。以下のグループウェア一覧表で比較して、自社に適したグループウェアを把握しましょう。
製品名 | Google Workspace | Microsoft 365(Office 365) | サイボウズOffice / ガルーン | DeskNets NEO | LINE WORKS |
種類(クラウドorオンプレ) | クラウド | クラウド | クラウド ※オンプレ版は2027年にサポート終了 |
クラウド | クラウド |
チャット機能 | ● | ● | - | - | ● |
スケジュール管理 | ● | ● | ● | ● | ● |
設備備品予約 | ● | ● | ● | ● | ● |
ストレージ | ● | ● | ● | ● | ● |
オンライン会議 | ● | ● | - | - | ● |
ワークフロー | オプション 製品 |
● | ● | ● | - |
Google Workspace (旧 G Suite)
Google Workspace は、Googleが開発したグループウェアです。クラウド型グループウェアに属するサービスで、2020年10月に「G Suite」という名称 から「Google Workspace」という名称に変更されました。Google Workspaceは、オンライン会議機能が付いており、パソコンと同様の作業をモバイル端末でもできる点が特徴です。機能や料金については、以下のページを確認してください。
Google Workspace とは?メリットや機能を基礎から解説
Microsoft 365(旧 Office 365)
Microsoft 365は、Microsoftが開発したクラウド型のグループウェアです。2020年4月に「Office 365」から「Microsoft 365」に名称が変更になりました。有名なExcel、Word、PowerPointなどのアプリケーションに加えて、オンライン会議ツールのTeamsやワークフロー機能が付いたSharePointを利用できます。Google Workspaceと同じく幅広い機能を備えたグループウェアです。
サイボウズOffice / ガルーン
サイボウズOfficeとガルーンは、日本に本社を置くサイボウズ株式会社が開発したグループウェアです。他のツールとの連携性や対応言語などが異なり、利用人数によって自社に合ったグループウェアを選択できます。それぞれの機能は以下の通りです。
Google WorkspaceやMicrosoft 365と異なり、サイボウズ Officeとガルーンにはオンライン会議機能がありません。
deskNet’s NEO
deskNet’s NEOは、株式会社ネオジャパンが開発したグループウェアです。一般企業や金融機関、官公庁も利用するグループウェアで、サイボウズ Officeと同じく日本で開発されました。クラウド版に加えて、パッケージ版も提供されています。サイボウズOfficeと同様にオンライン会議機能はありませんが、豊富な機能を備えています。
LINE WORKS
LINE WORKSは、ワークスモバイルジャパン株式会社が提供しているチャット機能で有名なグループウェアです。プライベートでの利用者が多いLINEの機能や画面デザインがベースになっているため、新しく使い方を覚える必要がなく、ストレスなく利用できます。アンケートや報告書の作成、情報共有に便利な掲示板の機能があります。
グループウェア導入における3つのポイント
グループウェアを導入する際に大切なポイントは、以下の3つです。
- 自社の目的・課題に合うグループウェアを選定する
- 機能の使用範囲を決めておく
- 導入に向けてのプロジェクトチームを作る
グループウェアの導入には、事前準備が大切です。以下のポイントを参考にして、円滑にグループウェアを導入しましょう。
自社の目的・課題に合うグループウェアを選定
グループウェアの選定は、導入後の業務効率を左右する大切な要素です。選定する際は、以下のポイントを整理してから、決定しましょう。
- 必要な機能は何か
- 重点的に効率化したいのは何か
- 利用を検討しているグループウェアの機能は使いやすいか
グループウェアには、海外で利用できないサービスがあったり、プランによって機能制限があったりするものもあります。自社の導入目的や課題に応じて、適切なグループウェアとプランの選定が大切です。
機能の使用範囲を決めておく
グループウェアの選定後は、各アプリケーションの機能の使用範囲を決めましょう。自社の役員や管理職、従業員などの役職や業務をもとに、各アプリケーションの機能をどのような設定で使用するかを検討します。会社で定めたセキュリティポリシーを遵守する必要があるため、導入前に要件整理をしておきましょう。
導入に向けてのプロジェクトチームを作る
グループウェアを導入する際は、ツールに関わる業務を担当するプロジェクトチームの編成が大切です。チームを作っておけば、導入後の仕様変更やエラーなどにも柔軟に対応できます。導入後しばらくは、担当者へ使用方法に関する連絡が殺到する可能性があるため、プロジェクトチームの複数人で対応しましょう。
導入後の活用を見据えたグループウェア選定が重要
働き方が多様化している現代では、社内コミュニケーションを円滑にするツールの必要性が高まっています。グループウェアを導入すれば、メール、チャット、オンライン会議などの機能が利用でき、社内コミュニケーションが活性化します。また、業務に必要なアプリケーションが集約されているため、個別にツールを契約する必要がありません。
管理するアカウントの数や利用継続手続きなどの管理工数が削減でき、コストパフォーマンスが向上します。グループウェアを導入した後は、会社全体で利用を推進する動きが大切です。すべての従業員がツールを十分活用できれば、業務効率化が進み、生産性向上につながります。導入後に活用されやすいサービスの選定や、社内への啓蒙活動は、会社で注力すべき重要なポイントです。
Google Workspaceであれば、Gmail、Googleドキュメント、Googleスプレッドシートなどをプライベートで使っている人は、使い慣れているためストレスなく利用できます。また、Googleの最先端技術によって、機能の製品アップデートは年に200個以上あり、セキュリティの安全性を高められます。AIによって業務の手間を削減してくれる点も、大きなメリットです。
株式会社電算システムでは、Google Workspaceと他コミュニケーションツールとの比較や、導入事例をまとめた資料を提供しています。以下のページからダウンロードして、グループウェアの導入を検討する際に役立ててください。
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- Google Workspace
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