Gmailを利用している際、メールを受信できずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。メールが届かないのは、受信者側や送信者側、あるいはGoogle側のどこかに問題が発生しています。適切に問題を処理するためには、まずこの原因を究明することが重要です。
本記事では、Gmailにメールが届かない原因を6つのポイントに分けて解説します。そのうえで、適切な対処法や、事前にできる対策方法も紹介します。難しい設定は不要なので、メールが受信できないトラブルに悩まされている方は参考にしてください。
Gmailにメールが届かない6つの原因
Gmailにメールが届かない原因としては、次のようなものがあげられます。
- メールが届いているものの気付かない
- Googleアカウントの容量が不足している
- 受信側の通信環境が悪い
- 送信メールに何らかの問題がある
- メール送信者のガイドラインに抵触している
- Googleのサーバーが一時的に利用できない
対策方法を考える前に、まずはどの原因にあてはまっているかを検証しましょう。
メールが届いているものの気付かない
Gmailに届くメールは基本的に受信トレイに保存されます。しかし、Gmailには受信トレイ以外にも、重要なメールやスター付きのメールをまとめておくフォルダやアーカイブフォルダ、迷惑メールフォルダなど、さまざまな保存場所があります。
場合によっては、システム側が受信メールの内容を判別し、自動で特定のフォルダにメールを保存することもあります。例えば、過去に迷惑メールとして報告したメールアドレスや、何度も受信しているものの一度も開いていないメールなどは、迷惑メールフォルダに自動で移動する可能性が高いといえます。そのほか、フィルタの自動振り分け設定が有効になっている場合でも、自動的に特定のフォルダやラベルにメールが移動することがあるので注意が必要です。
このような点から、受信トレイ以外のフォルダを確認しない場合、メールが届いていることに気付かない可能性も出てきます。また、複数のフォルダをこまめにチェックしている場合でも、受信メールの量が多すぎてメールが埋もれてしまうケースも考えられるでしょう。
Googleアカウントの容量が不足している
Googleアカウントのストレージ容量は料金プランごとに差があります。無料プランの場合はユーザー1人あたり15GB、有料プランではエディションによって30GB~5TBに分かれています。このストレージ容量はGmailだけでなく、GoogleドライブやGoogleフォトなど、Googleアカウント全体で使用したデータ量でカウントされる仕組みです。
ストレージ容量の上限を超えた場合、Gmailのメールを受信することができません。また、Googleドライブにファイルをアップロードしたり、Googleフォトに画像を保存したりすることもできないので注意が必要です。
受信側の通信環境が悪い
Gmailでメールを受信するにはインターネットに接続している必要があります。そのため、受信側の通信環境が悪いとメールを受け取れません。ただし、一度でも受信したことがあるメールは、オフライン状態でも確認が可能です。新規メールを受信、あるいは送信する場合のみ、通信環境の確認や見直しが必要です。
送信メールに何らかの問題がある
Gmailのメールが届かないのは受信者側だけでなく、送信者側に問題があるケースも考えられます。送信時の設定や送信方法に何らかの問題があると、メールが届かなくなる可能性が高まります。
メール送信時の問題点としては次のようなものがあげられます。
- 送信先メールアドレスに誤りがある
- メールの容量が大きすぎる
- 送信者側のメールサーバーに障害が発生している
- 送信者側の通信環境が悪い
メールの容量に関しては、1通あたり25MBを超えないように注意しましょう。テキストメッセージのみで25MBを超えることはほとんどないものの、容量の大きいファイルを添付する場合、あっさりと上限を超えてしまうケースも珍しくありません。25MBを超えるとメールを送信できないため、添付ファイルを複数のメールに分けたり、ファイルを圧縮したりといった対策が必要です。
また、送信者側のメールサーバーに障害が発生していると、メールを送信できない可能性があります。その場合は、クラウド型のメーラーやチャットサービスを利用するなど、別の通信手段を検討すると良いでしょう。
メール送信者のガイドラインに抵触している
Gmailでメールを送信する際は、Googleが公開しているメール送信者のガイドラインに準拠する必要があります。メール送信者のガイドラインは2023年10月に内容が更新され、Gmailアカウントを保有している誰もがメールを送れなくなる可能性があるため、十分に注意が必要です。
新しくなったガイドラインは2024年2月1日から適用されます。新ルールが適用されると、Gmailアカウントにメールを送信する場合、SPFとDKIMの設定が必要です。加えて、Gmailアカウントに1日5,000件以上のメールを送信する場合は、SPFとDKIMのほかにDMARCを設定しなければなりません。
SPFやDKIM、DMARCはいずれも、なりすましメールやフィッシングメールなどを防ぐためのドメイン認証技術です。メールのなりすましや悪意のある攻撃に遭うリスクは年々高まっており、新たなガイドラインであらためて規制が追加されました。設定せずにメールを送信した場合、自動的に迷惑メールとして判別され、相手がメールを確認できない可能性があります。
Googleのサーバーが一時的に利用できない
受信者側や送信者側に問題がない場合でも、Googleのサーバーに何らかの問題が発生している可能性があります。定期的なシステムメンテナンスで一時的にサービスを利用できないこともあれば、サービス障害が発生しているケースもあります。Gmailでメールを送受信する際は、Googleのサーバーを経由するため、問題が発生している状態ではメールを受信できません。
Gmailにメールが届かない場合の5つの対処法
Gmailにメールが届かない原因を把握した後は、それぞれに適した対処を施しましょう。具体的な対処法としては次の5つがあげられます。
- 受信トレイ以外のフォルダもチェックする
- 容量不足の問題を解消する
- 端末の通信環境を確認する
- 送信側に問題がないか確認する
- Googleのサーバーの状況をチェックする
それぞれの考え方やポイントを解説します。
受信トレイ以外のフォルダもチェックする
Gmailのメールが届かないと思っていても、受信トレイ以外のフォルダにメールが保存されている可能性があります。そのため、アーカイブフォルダや迷惑メールフォルダ、ゴミ箱など、さまざまな保存場所のメールを確認しましょう。
おすすめなのは、受信トレイではなく「すべてのメール」に目を通すことです。ここには受信トレイやアーカイブフォルダ、迷惑メールフォルダなどに格納されている全メールが一覧で表示されます。Gmailのメニューバーにある[すべてのメール]をクリックするとアクセスできます。
普段から大量のメールを受信している場合は、情報の検索性を高めるために次のような設定を行うのも良いでしょう。
- 不要なメールマガジンやニュースレターの購読をキャンセルする
- フィルタ機能を使って不要なメールを自動的にゴミ箱へ移動する
- メールのテーマ別にラベルを作成する
このような設定によりフォルダ内が整理され、重要なメールを見落とすリスクを抑えられます。
容量不足の問題を解消する
容量不足でメールが届かない場合は、まずストレージの空き容量を増やす方法を試すのが良いでしょう。不要なメールを削除(ゴミ箱からも完全に削除)すると、その分のストレージ容量が解放されます。ストレージに空きが生まれると、問題なくメールを受信できるようになります。
ただし、日々膨大な量のメールを削除するのは手間がかかるため、容量を拡張するのも一つの方法です。容量を拡張するには、無料版から有料版のGmailにアップグレードしましょう。有料版のGmailを利用するには、20種類近くの有料Googleサービスが搭載されたGoogle Workspaceに登録する必要があります。
Google Workspaceを導入すると、無料版では1ユーザーあたり15GBだったストレージ容量が、30GB~5TBへと拡張が可能です。会社や組織単位で契約すると、ドメイン内でのストレージ容量の共有ができます。また、独自ドメインを利用できたり、セキュリティやサービスが拡充されたりと、さまざまなメリットがあります。以下でGoogle Workspaceの特徴や機能、料金プランなどを紹介しているので、参考にしてください。
端末の通信環境を確認する
受信トレイ以外のフォルダをチェックし、容量不足の問題を解消しても、まだメールが届かない場合は、端末の通信環境が悪い可能性があります。圏外になっている、あるいはWi-Fiがつながっていない状態では、Gmailでメールを受信できません。また、機内モードになっているとインターネットにつながらないケースもあります。このような端末の通信環境を確認し、オンライン状態でGmailを利用しましょう。
送信側に問題がないか確認する
受信者側に問題がないようなら、送信者側に確認してみるのも一つの方法です。例えば、宛先のメールアドレスに誤りがないか、送信元のメールサーバーに障害が発生していないかなど、相手に失礼がない範囲で問い合わせてみるのも良いでしょう。
また、Googleが定めるメール送信者のガイドラインに抵触していないかチェックすることも大切です。Gmailアカウントにメールを送信する場合は、SPFやDKIM、あるいはDMARCを設定する必要があります。
Gmailアカウントとは、「@gmail.com」のドメインのメールアドレスを指します。そのため、送信先の相手がGmailを使っている場合でも、有料版のGmailに契約しており独自ドメインを利用していたり、別のメールサーバーを利用していたりする場合には対象に含まれません。
Googleのサーバーの状況をチェックする
受信者側にも送信者側にも問題がなく、それでもメールが届かない場合は、Googleのサーバーに何らかのトラブルが発生している可能性があります。そのため、Googleのサーバーの状況をチェックしましょう。
「Google Workspaceステータスダッシュボード」にアクセスすると、サービスごとの稼働状況が一覧で表示されます。Gmailはもちろん、GoogleドライブやGoogleカレンダー、Google Chromeなどの利用可否が時系列で確認できます。「Google Workspace」という名称が含まれていますが、特に有料プランに契約する必要はなく、無料のGoogleアカウントでも確認が可能です。
Gmailにメールが届かない問題を事前に防ぐ対策方法
メールが届かない問題はその場の対処法だけでなく、事前対策も可能です。メールが届かない問題を事前に防ぐ対策方法を解説します。
システムを定期的にアップデートする
端末やOS、Webブラウザが古い状態であれば、Gmailを利用できないケースもあります。
基本的にGmailそのものは自動的にアップデートされるため、手動で設定する必要はありません。一方、WindowsやmacOSといった端末のOS、Google ChromeやSafariなどのWebブラウザに関しては、最新の状態に更新されているかをチェックしましょう。システムを定期的に見直し、最新状態を保つことが重要です。
フィルタの設定を見直す
「メールが届いているにもかかわらず、どこに保存されているかわからない」というケースでは、フィルタ機能によってメールが自動的に特定のフォルダに振り分けられている可能性があります。
フィルタとは、送信アドレスや受信アドレス、受信日時、件名などの条件で特定のメールを絞り込み、そのメールを受信したタイミングで特定のアクションを自動処理する機能です。受信した段階でアーカイブフォルダへと移行したり、メールを削除したりと、さまざまなアクションを実行できます。
過去にフィルタを設定したことがあれば、その内容を見直しましょう。フィルタの設定内容を確認するには、Gmailの画面右上の[設定]アイコンから[すべての設定を表示]をクリックします。
そして、画面上部のタブを[フィルタとブロック中のアドレス]に切り替えましょう。すると、上部に設定済みのフィルタ一覧が表示されています。[編集]や[削除]をクリックすると、それぞれのフィルタの内容を変更・削除できます。
連絡する機会が多い相手を連絡先リストに登録する
メールを受信したり送信したりする機会が多い相手は、Googleの連絡先リストに登録するのがおすすめです。連絡先リストに登録されたメールアドレスから受信したメールは、迷惑メールとして扱われなくなるため、見落としや確認漏れを防ぎやすくなります。また、連絡先リストからワンクリックでメールを作成できるのもメリットです。
以前まで連絡先リストはGmailに統合されていましたが、2025年1月時点では別々のサービスとして提供されています。そのため、Gmailの管理画面右上の[アプリ一覧]アイコンから[連絡先]をクリックしてアクセスしましょう。
すると、連絡先リストの管理画面に移行します。画面左上の[連絡先を追加]をクリックすると、氏名やメールアドレス、電話番号などの登録が可能です。
連絡先リストの使い方や設定方法などに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
容量不足の問題は Google Workspace(有料版)で解決!
Gmailでメールが届かないのは、受信メールの保存先が複数存在したり、端末の通信環境が悪かったりと、さまざまな原因が存在します。そのため、まずは原因を明らかにしたうえで、適切な対処法を実践してみてください。
なお、原因がストレージの容量不足にある場合は、Google Workspaceを導入して容量を拡張するのがおすすめです。Google Workspaceを導入すれば、1ユーザーあたり30GB~5TBのストレージ容量を利用できるため、GmailやGoogleドライブ、Googleフォトなどを頻繁に利用する方でも安心です。また、充実したセキュリティ機能を搭載しているため、情報漏えいのリスクを抑えられるのも利点だといえるでしょう。
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