全国の小学校・中学校・高校をはじめ、大学や学習塾でも、教育のICT化の波が押し寄せてきています。時間も場所も選ばないというICTのメリットは、新型コロナウイルスの感染拡大で思うような学習環境を提供できないなかにあっても、オンラインという解決策をもたらしました。
また、大量のデータを蓄積でき、すばやく集計・分析できるというICTの強みは、学習評価や個別最適な学習へと生かされるようになり、続々と新しいサービスが提供されています。そこで今回は、学校でのICT活用を支える人気のアイテムを紹介したいと思います。
教師がわかりやすく提示・説明するツール
学習指導や生活指導を行う教師にとって、わかりやすく説明ができたり、指示を通しやすくするツールは必携といえるでしょう。
多機能で手放せなくなる電子黒板
電子黒板とは、パソコンやタブレット端末とつないで、教材やワークシートなどを手軽に提示できるホワイトボードのことです。大きな画面で映せることが最大のメリットで、「ワークシートの”ここ”を見てください」の「ここ」をしっかりと伝えることができるようになります。
付属されたペンや内蔵されたペンツールを使って、文字を書き込んだり、色をつけたりすることもできるため、強調したい箇所を囲んだり、色分けして整理したりといった使い方が可能です。
また、スピーカーも内蔵しているので、インターネットにアクセスして教材動画を視聴したりといった使い方も可能です。
手軽で便利な実物投影機
とはいえ、多機能な電子黒板は値段が高く、手が届かないという学校にお薦めなのが実物投影機です。大きく提示する際の操作性が簡便で、ICT初心者の教師でも使いやすい点がメリットです。パソコンを介さずにプロジェクターと接続できれば使えるので、配線の煩わしさも無縁です。
生徒のノートやプリント、書き込みをした書類など、教室でよく使うものを手軽に拡大提示できるので、わかりやすい説明に役立てることができます。
1人1台の学習者用端末
GIGAスクール構想のなかで、大きな役割を担うのが1人1台の学習者用端末です。文部科学省では、端末に求められる視点として、以下のことを示しています。
①新学習指導要領におけるICTを活用した学習活動を具体的に想定すること。
②ICTを活用した学習活動を踏まえ優先的に整備すべきICT機器等と機能について具体的に整理すること。
③必要とされるICT機器等及びその機能の整理に当たっては、限られた予算を効果的かつ効率的に活用すること。
④学習者用コンピュータは先端技術を取り入れた高価・高性能な機種である必要はなく、むしろ不要な機能をすべて削除した安価なものを時代に合わせて更新していくこと。
⑤従来の端末に集中したオンプレミス型よりも、適切な通信ネットワークとパブリッククラウドによるクラウドコンピューティングを基本とすること。
⑥調達に当たっては、サプライチェーン・リスクに対応するなど、サイバーセキュリティ上の悪影響を軽減するための措置を必要とすること
指定された3つのOS
また、端末の具体的な仕様としては、①Microsoft Windows 端末 ②Google Chrome OS 端末 ③iPadOS 端末を例示しています。
①では Surface が代表的で、ワードやエクセルなどのアプリを利用しやすいほか、汎用性が高いのが特徴です。②は Google が開発した Chromebook で、起動が速く、動作が非常にスピーディで、OSが自動更新されるためセキュアな点が特徴です。③は主にiPadで、直感的で操作しやすいのが特徴です。
こうして決定された仕様を受け、昨年度一年をかけて多数の情報端末が生徒たちの手元に配付されました。すでに活用が始まっている学校、これから開梱して配付する学校、本年度から整備を行う学校など、地域によって状況が異なりますが、まずはこの環境に慣れることが先決です。トライ&エラーを繰り返しながら、学校の特徴に合った使い方を模索していくことが大切になるでしょう。
オンライン学習を支えるツール
新型コロナウイルスやその変異種の蔓延が止まらない現状を考えると、これまで同様に、対面授業が実施できない場合の備えをしなくてはいけません。ここでは、オンライン授業に欠かせないツールをご紹介したいと思います。
Zoom
オンラインでつながることを余儀なくされた昨年、一気にブレイクを果たしたのがZoomです。オンライン会議システムの代名詞的なツールとなり、メイン目的である会議から授業へと活用シーンが広がりました。
資料の共有ができたり、チャットが使えて手軽にコミュニケーションできたりなど、授業を運営するうえでの便利な機能も備わっています。授業以外でも勉強会やセミナーなどに利用するケースも多く、リモートワークが続いたときにはオンライン飲み会でコミュニケーション不足を解消するといった活用方法も話題になりました。
Google Classroom
Google Classroom は、Google が提供する無料アプリです。オンライン授業専用のツールではありませんが、このツールを使うことで休校期間中でも便利に学び続けることのできた学校は数多くありました。
Classroom を使えば、教師はいつでも手軽にオンライン上に独自のクラスを作成でき、課題の作成や配付、回収、採点を行うことができます。課題の期限を設定することで生徒の提出漏れを防いだり、カレンダーと連携しているので教師自身の確認もスムーズにできます。生徒のコメントにリアルタイムでレスポンスすることで、教師と生徒間のコミュニケーションを向上し、フィードバックの質を改善できます。このように Classroom は教師と生徒、生徒と生徒をつなぐオンライン上の架け橋として機能します。
YouTube
動画サイトのYouTubeは、学習ツールとしての可能性も高いものがあります。授業で使う動画を視聴するだけでなく、撮影した映像を配信するといった非同期の使い方でオンライン授業を実現している例も多くあります。映像はアーカイブとして保存すれば復習用にも使うことができます。
最近では教育系YouTuberとして活躍する人もたくさんおり、良質な学習用動画を多数提供しています。生徒が自ら学びを広げたり深めたりするツールとして、さらに期待が高まるばかりです。心配な点は、動画プラットフォームに多数の魅力的なコンテンツがあって、学習に集中できないのではないかということ。生徒が自己学習を調整できるようにすることが、まずは大事になるでしょう。
質の高い映像を利用できる教材
学校で利用するICT教材は、デジタル教科書、教科用コンテンツ、プログラミング教材などさまざまありますが、今回は質の高い映像を利用できる教材を紹介したいと思います。
NHK for School
NHK for School は、学校放送番組などをWeb上でまとめて無料公開しています。NHKならではの番組が持つストーリーの力で、子どもたちの心を揺さぶることができます。番組動画を丸ごと視聴できるほか、放送終了後にも通年視聴できるため、クラスのカリキュラムにあわせて利用できます。
また、「ものすごい図鑑」は、360度あらゆる方向から昆虫を観察できるデジタル図鑑で、体の各部位に対応した動画クリップや、電子顕微鏡による超拡大画像などの機能も充実しています。
スタディサプリ
学習動画配信サービスの「スタディサプリ」は、小学生から大人まで、あらゆる勉強シーンに対応したサービスです。
各分野で活躍している一流講師の講義動画が多数提供されていて、見たい時に自分のペースで学習を進められるのが特徴です。塾に行く時間を節約し、コロナ禍での外出リスクを抑えながら学習できるも人気に拍車をかけました。小学生向けでは動画の後にドリルを行い、中学生向けでは動画の後に演習問題が用意されているなど、学習の成果を確かめられる設計になっています。
まとめ
今回ご紹介しました人気のICTツール「 Google Classroom 」や使い勝手の良い端末「Chromebook 」など、Google 関連のプロダクトの導入サポートを行っているのが、電算システム(DSK)です。
学校でのICT活用における悩みを解決するソリューションを提案し、実際に学校へ導入するためのサポート体制の構築、導入後のサポートなど手厚い支援を受けることができます。導入の相談は全国に対応しており、企業含め2,500社以上の導入実績数があることも魅力です。
学校でのICT活用をどのように進めていけば良いか、導入に関するサポートを希望する場合には、Google 製品やサービスのエキスパートが多数在籍しておりますので、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか。
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