Windows 機のリプレイスから日が浅く、予算が取りづらい 、 Windows 7 や 8 以前の OS だけど、それなりのスペックの端末だから、廃棄せずに再利用したい・・・そんなお悩みやご希望はありませんか。
お手持ちの Windows ・Mac 端末を Chromebook や Chromebox のように、セキュアでサクサク軽快な端末に生まれ変わらせる、CloudReady という製品があります。
参考記事:Chromebookとは
この CloudReady は、無料で配布されており、古い PC 端末の再利用を可能にするということで高い人気を誇っています。ちなみに無償版だけではなく、有償版の企業向け・文教向けのエディションがあるのは、ご存知ですか?
今回は、そんな CloudReady の企業向けエディションの主な用途や企業での導入事例について紹介します。
3 分で理解する CloudReady
まずは、 CloudReady の概要を FAQ から抜粋してご説明します。なお、詳細や価格はこちら(CloudReady ( クラウドレディ ) とは? 製品特徴や料金を解説)の記事でもご紹介しております。
CloudReady って何なの?
- Windows や Mac などの端末にインストールして既存OSを上書きするソリューション
- Chrome OS 開発の元となった Chromium OS をベースに開発
- 手持ち端末にインストールすれば “ ほぼ Chrome 端末 ” が自作できる
- 無償版・企業向け(有償)・文教向け(有償)の 3 エディション
- 有償版は、Chrome Enterprise (Education) Upgrade で管理可能
- N.Y. の Neverware 社によって開発
- 2020 年の Google による買収で、Chrome との統合が進行中
Chromebook と違う点は?
CloudReady | Chromebook | |
搭載ブラウザ | Chromium | Chrome ※1 |
搭載OS | CloudReady ( Chromium ベース ) |
Chrome |
Androidアプリ | ✕ ※2 | ○ |
Chromeウェブストア ( Chrome拡張機能 ) |
○ | ○ |
初回最小購入数 | 20AC〜 | 1台〜※3 |
H/W セキュリティ | Chrome 端末固有の設計に関わる端末機能までは再現されない | Chromebook 標準 (デュアルブート、 セキュリティチップ搭載等) |
※1 Lacros については公式発表がないため、本稿では割愛します。
※2 今後の動向( Chromeとの統合 )にご期待ください。
※3 Chrome Enterprise Upgrade 単品は、初回のみ2ACからとなります
主な用途・企業での導入事例
個人利用であれば、古い Windows 端末をサブマシンとして使うために無償版をインストールすれば利用ができます。一方で企業で利用する場合は、どのような利用をしているのかご紹介します。
CloudReady の企業事例は、有償版利用がほとんどです。無償版との違いは、大きく2つです。1つは管理機能が付与されていること、2つ目はメーカーサポートが付帯することです。企業で Chromebook を導入する場合、Chrome OS を管理する MDM のような管理機能を一緒に利用することがほとんどです。CloudReadyであれば 管理機能がついており、さらに Chromebook と同様に Google 管理コンソール上( Chrome Enterprise Upgrade または Chrome Education Upgrade )で端末とユーザーの管理ができるようになります。
具体的な用途や導入の動機としては、下記が挙げられます。
case 1. Chromebook 検証前の確認用として
- ニーズ:お金をかけずに、気軽に Chromebook の検証がしてみたい
- 課題:購入の予定もなく、予算化もされていない
- 効果:Chromebook の使用感に近い端末を無料で検証できる
Chromebook( または Chromebox )を検証したいと思った場合、不要となった端末や利用されていない古い端末に CloudReady の無償版をインストールし、Chromebook の代替として検証いただくことです。
現状では Android アプリを利用できないことや、ハード側の設計の違いによる機能の差異などはあるものの、ブラウザでできることであれば、ほぼ同様の使用感で利用いただけます。
case 2. Chromebook 導入の初期コストを抑える
- ニーズ:急な在宅勤務制度の導入で Chromebook をすぐに導入したい
- 課題:端末をリプレイスしてから日が浅く、予算化できない
- 効果:新規購入台数削減によるコスト削減
一般的に、Windows 端末は、Chromebook よりも更新管理やキッティングに工数がかかります。きちんと管理している企業であればあるほど、大変です。WSUS ( Windows Server Update Services )を利用してセキュリティパッチを当てたり、メジャーアップデートのスケジューリングや配布を行っている場合、在宅勤務で社内 LAN に存在しない端末の管理はできず、更新管理はユーザー任せになってしまいます。
そんな背景もあり、コロナ禍での在宅勤務増加において、Chromebook の企業への導入数も一気に伸長しました。しかし、Windows 端末をリプレイスしてからまだ 2.3年しか経っていないので、あと1.2 年は新しい端末を購入することができないというお客様も多くいらっしゃいました。
そういった企業に CloudReady をおすすめしています。新規購入台数を削減し、導入コストをあまりかけないセキュアな在宅勤務環境の整備が、スピーディに実現されるからです。
case 3. 古い端末の再利用で経費節減
- ニーズ:予算をかけずに、保守切れの既存端末を有効活用したい
- 課題:起動が遅く、保守期限も切れている
- スペックはそこそこ高いのに、起動が異常に遅い
- 安全性の観点からインターネットに接続して利用できない
- 効果:既存端末の延命・有効活用によるコスト削減と SDGs への貢献
Chrome Enterprise Upgrade という、Chrome 端末を一元管理することのできる MDM のようなサービスがあり、CloudReady も同様に管理・制御可能とお伝えしました。ホテルのロビーや図書館に置いてあるようなキオスク端末やデジタルサイネージの STB など、一般的な PC としての利用ではなく、特定の用途でもChrome Enterprise Upgrade で制御された Chrome 端末は多く利用されており、CloudReady も同様にご利用いただくことが可能です。
本来であれば保守が切れてしまった端末は廃棄処分となってしまいますが、CloudReady であれば、低コストでハードが駄目になるまで延命させることができます。コスト削減のみならず、SDGs への取り組みにも注力している企業にもオススメです。
まとめ
当社のお客様では、PCをスピーディに導入したい、イニシャルコストを抑えたい声からCloudReady(クラウドレディ)の導入を始める方が多いです。海外では、既存の古くなったPC を CloudReady でキオスク端末やデジタルサイネージ用の STB として再生している事例もあります。無償版や有償版であっても廉価なサービスですので、様々な会社で利用できます。うまく取り入れていただくことで、セキュリティ向上とコストや産業廃棄物量等の削減を同時に実現することが可能です。
無償版と有償版については、ユーザー側での機能的な差異はほとんどなく、企業や学校が適切に端末管理やポリシー適用を行うための管理機能が使えるかどうかの違いとなっています。Chrome Enterprise (Education ) Upgrade で管理し、ビジネスアカウントと紐付けてポリシーを適用させることもできますので、セキュリティを気にする業界・職種の方にこそ、ご利用いただきたいソリューションです。
ちなみに企業向けで20 AC 以上、 文教向けで30 AC 以上のご導入を検討していらっしゃるお客様に、30日間のトライアル環境および検証支援を行っております。本稿で紹介し切れなかった、Chrome Enterprise Upgrade での管理や設定についてでも、無償でサポートいたします。支援があるのとないのでは、導入スピードがかなり変わってくるのでぜひご相談ください。
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