前回は、多様な働き方を実現できる「クライアント仮想化とは?」を、株式会社アシストの「仮想化エバンジェリスト」である斎藤さんにお伺いしました。今回は、あらゆるデバイスを即自分の会社のデスクトップに変えられる「Ericom Access Now」という製品と、その導入効果について解説いただきます。
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多様な働き方を実現する│クライアント仮想化とは?
デバイスの進化とワークスタイル
皆さん、スマホはお持ちですよね。2万円で買える格安スマホであっても、2000年当時に数億円したスーパーコンピューターと同じレベルの処理能力があるんだそうです。私たちはスーパーコンピューターを持ち歩き、そこから高速な無線ネットワークで常にインターネットに繋がれています。スマホ1台あれば調べ物、買い物、友人や家族とのコミュニケーション等、大抵のことができます。今は自分の行動を学習して、次に何をするかまで予測して知らせてくれるようになりました。
しかし、一転して企業でのITの活用に目を向けてみると、5年前、10年前と比べてそんなに大きな変化はあったでしょうか?ガラケーがスマートフォンに変わり、ノートPCがタブレットに変わりつつありますが、やっていることは大して変わらないのが現状ではないでしょうか。つまり私達のライフスタイルを大きく変えたテクノロジーを、ワークスタイルでは活用しきれていないのです。
新しいテクノロジーが活用できない理由
当然、企業では機密データや顧客データなどの情報を守る責任がありますので、個人利用時よりも高度なセキュリティ対策を取らなければなりません。そしてセキュリティレベルの向上はVPN接続、パスワード入力や二要素認証、持ち出し禁止等、往々にしてユーザ利便性の低下を引き起こします。
また、使っているアプリケーションも昔のままです。歴史のある企業であればあるほど、10年以上も前からの業務アプリケーションを依然として使っており、機能を追加し続け、もはやWebアプリケーションへの移行は不可能な状態になっています。既成のクラウドアプリケーションに切り替えるにも、カスタマイズが多すぎて現実的ではなくなってしまう、こうした事情がクラウド、マルチデバイスなどの新しいテクノロジーの活用の妨げになっているのです。
低い生産性
そういう事情があるとはいえ、日本の企業ももっとワークスタイルを変えていくために努力をしていかなければなりません。日本の組織における女性の管理職の割合はご存知でしょうか?答えはたったの1割。4割以上が女性の管理職というアメリカとは大差がついています。従業員1人あたりの労働生産性はOECD諸国平均を下回っています(経済が破綻しかけたギリシャにも負けているのはショックです)。文化や社会構造の違いはあれど、勤勉な我々が低い生産性に甘んじているのは、やり方を誤っていると解釈するのが自然ではないでしょうか。
本来、日本人は新しいテクノロジーを使うのが得意なはずです。私達のライフスタイルを変えたテクノロジーを企業でも取り入れ、どこにいても会社にいる時と同じ仕事ができる環境を提供できれば、従業員の生産性を高め、子育てや介護世代の女性や、通勤や移動などが困難な人たちも就労することができ、最終的にはより良い社会の実現と従業員の生産性向上、最終的には企業の競争力強化に繋がるのではないでしょうか。
仮想化で実現できたこと
今回も弊社の事例をご紹介しますが、弊社はどこにいても、どんなデバイスを使っても会社にいる時と変わらず仕事をする環境が整っています。前回のブログで、アシストではVDIとSBCを利用しているということをお話しましたが、それらWindowsのデスクトップ、業務アプリケーションへのアクセスには「ブラウザ」を使っています。WindowsPCを使う必要はありません。iPadやMACでも問題ありません。
ではどうやって実現しているかというと、ブラウザからアクセスしたいWindows環境(最近ではLinuxにも一部対応しました)にEricom AccessNowというソフトウェアが入っていて、それがWebサーバのようにブラウザからのアクセスを受け付けつつ、実行中の画面データをローカルのブラウザに転送して表示しているのです。シンプルな仕組みですが、これが大きな変化を生み出します。例えば、以下のようなことが実現できます。
Windows以外のデバイスからWindowsアプリケーションを利用する
私が使っているChromebookのように、Windows以外のデバイスから、Windowsのアプリケーションを利用できるようになります。アシストの場合はChromebookを安価で管理し易いノート型シンクライアントとして使っており、導入コストと管理コストの両方の削減を実現しています。
PCへのリモートアクセス
外出時や会議等で自席から離れる際、自席のPCに共有PCやタブレットからアクセス。株式会社ジェイアール東日本マネジメントサービス様の事例で同じ使い方をされています。クライアントサーバ型システムの新OS対応
indows10などの新OSへの対応には広範囲なテストが必要になります。Ericom AccessNowを使うことで、クライアントOSの違いはブラウザに吸収され、テストが不要になります。シンクライアント化し、煩雑なクライアント管理からの開放
ファットクライアントは、OSやアプリケーション(Java、Flash、PDF等)のアップデート、パッチ適用、パターンファイルの更新などユーザや管理者がやっていかなければなりません。端末をブラウザしか実行できないシンクライアントにしてしまえば、これらの負荷から開放されます。クラウド端末が多い場合に大きく管理コストを下げることができます。BCP対策
災害等でオフィスにアクセス不能でも、自宅のPC、タブレット、スマートフォン(画面は小さくて使いづらいですが緊急時には役立ちます)から業務環境にアクセスして事業継続が可能になります。
クラウドサービス化
企業向けのWindowsベースのパッケージソフトウェアを提供している企業が、AccessNowでWeb化し、クラウドからのサービス提供を実現。DaaS、SAP Business One、会計パッケージ、業種特化アプリケーション等の事例があります。
サイバー攻撃からWebサービスを防御
攻撃の標的にされやすいオンラインバンキングなどのWebサービスをAccessNow経由で提供し、防御力を強化。
古いIE向けのWebアプリケーションを最新ブラウザに対応
古いバージョンのIEしかサポートしていないWebアプリケーションをあらゆるブラウザに対応したWebアプリケーションに変化させます。
このようにシンプルな仕組みにかかわらず、活用用途は非常に幅広い「Ericom AccessNow」をセミナーでしっかりご紹介します。
また、セミナーでは、Ericom AccessNowを導入することで全社のIT活用気運まで向上された「株式会社ジェイアール東日本マネジメントサービス」のご担当者様にご登壇いただき、実際の導入効果などをご紹介いただきます。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
いかがでしたか?
株式会社アシストでは、Ericom AccessNowを利用して「どこにいても、どんなデバイスを使っても会社にいる時と変わらず仕事をする環境」を整えることで、従業員の生産性を上げ、企業の競争力を高めています。セミナーでは、さらにJRグループのひとつ、株式会社ジェイアール東日本マネジメントサービス様にも登壇いただきます。是非、貴社の多様な働き方の実現のヒントを探しにセミナーへご来場ください。お待ちしております。
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