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1人1台の活用で大切にしたいこと

 2021.09.17  株式会社電算システム

高速インターネットが整備され、生徒がクラウドにアクセスして1人1台の端末を自由に使えるようになると、授業でできることが飛躍的に増え、効率よく学んだり、すばやくフィードバックを受けたりなど、ICTの便利さを享受できるようになります。一方で、急激に整備が進んだことで、便利さと対になるいわゆる”影”の部分への対応が遅れたり、未熟だったりすることも起きがちです。今回は、改めて端末が整備された意味を確認しながら、”影”の部分へはどのように対応すべきか、考えたいと思います。

1人1台が整備された意味を改めて確認する

今年度から新しい学習指導要領が完全実施されていますが、そこで繰り返し強調されていることは、情報化の流れの速さやグローバル化・多様化によって社会の在り方が劇的に変わる現代では、将来の予測をすることが極めて困難になっており、従来の手法を前提とした生き方では、適応するのが難しくなっているということです。

新型コロナウイルスの感染拡大への対応はその最たる例です。先行き不透明な事柄に迅速に対応しなければならないなか、マネジメントのフレームワークとして機能したのは、PDCA(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Action=改善)ではなく、PDR(Prep=準備、Do=実行、Review=検証)やOODAループ(Observe=観察、Orient=状況判断、Decide=意思決定、Act=実行)でした。変化の激しい時代にあっては、従来の考え方にとらわれることなく、都度更新し、バージョンアップしていくことが大切なのです。

これからの教育に必要なのは、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる人材育成です。

世界的に見れば人口が増大している傾向にあるなか、急速な人口減少社会に向かう我が国にとって大切なのは、一人ひとりのパフォーマンスを最大化することです。そして、その実現には、新しい時代に合った生き方や学び方、働き方へのバージョンアップが確実に必要で、常に効率や生産性といったこともセットで求められてくるでしょう。

このように見ていけば、生徒たちが生涯に渡って学び続けて持続可能な社会の創り手になる過程において、ICTの活用を抜きに論ずることは不可能です。主体的に自らの興味関心を深めるには検索性に優れたICTの力が必要で、円滑な共同を促すツールを使って他者とつながることで学びの可能性は大きく広がり、学び方や働き方の効率や生産性をアップさせるのにもICTは有効です。

だからこその”学習の道具”としての1人1台の情報端末の整備であり、情報活用能力の育成を図りながら、多様な難題に立ち向かい問題解決に向かっていく資質・能力を育てていかなければならないのです。

はじめてのオンライン授業 Google Meet でつながろう vol.1
Google Workspace for Education のご紹介

便利な道具だからこそ目を向けたいこと

ICT機器が便利な道具であることに異論の余地はありません。しかしながら、世の中にある便利な道具には、便利な側面と、使い方を間違えた場合には危険な側面が潜んでいます。

例えば、鋭利な包丁は、料理をするときにはあらゆる食材を思い通りに切ることができますが、鋭い刃は自らだけでなく他者をも傷つける武器になります。通勤やレジャーに便利な自動車は、人々の行動範囲を広げるだけでなく、運転によるリラックス効果をもたらしますが、交通法規を無視した乗り方は人々に恐怖を与え、大きな事故につながる可能性があります。

便利な道具を使うには、道具の特徴を知り、ルールやマナーを守り、安全に使うことが社会の鉄則です。このことはこれまでにも様々な事象が教えてくれており、私たちは多くの事案から学び、時には失敗を繰り返しながら、都度更新し続けています。

情報端末に目を向けてみます。掲示板による誹謗中傷、学校裏サイト、無料通話アプリによるいじめなど、従来から情報端末を使ううえでの危険性は指摘されていました。実際、文部科学省の令和元年度「児童生徒の問題行動等調査結果」では、いじめの態様のうち「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」と報告された件数は年間約18,000件近くに上っています。

情報セキュリティの側面も同様です。個人情報の漏洩やUSBによる機密情報の持ち出し事故は後を絶たず、フィッシングや詐欺メールは巧妙化しています。加えて、1人1台の端末活用にクラウド活用を前提とした時代にあっては、IDやパスワードの管理、パスワードによるロック、二要素認証なども、端末を安心して使っていくには習得が必須の事項です。

こうした情報モラルや情報セキュリティの指導は、1人1台の端末を安全に安心して使っていくには必要不可欠です。そして、クラウドバイデフォルトの原則に従って、教師も生徒も遵守すべきルールやモラル、マナーといったものをアップデートしなければなりません。安全な使い方が先か、危険性を教えるのが先かという二項対立ではなく、1人1台を学習者の端末として上手に使っていくための方策をすべての学校で講じる必要があるのです。

本稿を執筆している筆者も、恥ずかしながら、若かりし頃には会社から支給されたノートパソコンを閉じずにデスクを離れたり、ノートパソコンを机の上に置いたまま帰宅したことがありました。しかし、情報セキュリティのルールが厳格化されるにつれ、情報端末の取り扱いには仔細な配慮を払うようになりました。今では、マルチデバイスで業務にあたり、クラウドを使うことが前提となっているため、IDとパスワードの管理、パスワードロックなどは極めて厳格です。このように時代の進展に合わせたアップデートが必要なのです。

Google for Education
Google for Education

まとめ

GIGAスクール構想によって配付された1人1台の端末は、生徒の学習のための道具です。安全に安心して使っていくには、最低限のリテラシーを習得させるとともに、使う際のルールを”バランスよく”決めることが何より大切でしょう。

例えば、朝、充電保管庫から自分の端末を取り出したら、机の中にしまう。授業中に使うときには、端末は机の左側において、右側は教科書やノートを置く。授業で使い終わったら机の中にしまうといった一連の動きは、初期に徹底しておけば、後々効いてくる指導方法です。

帰宅時には、ログアウトしてから翌日に備えるために充電保管庫に戻すことを徹底します。IDやパスワードは他人には教えない、プライベートIDでログインしないといったことを決めておくことも肝心です。もちろん管理者側で、プライベートIDでログインさせない、無駄なアプリをダウンロードさせないといった制御は可能ですから、生徒のITリテラシーの向上と安心・安全に使えることのバランスを取りながら、管理者側では万が一に備えて制御を働かせることも必要でしょう。

とにかく、あれはダメ、これもダメと規制ばかりかけてしてしまうと、自由に使えないのは便利さがないとなってしまう可能性も高いので、生徒たちにも学習用端末の意味を考えさせながら使わせると、自然とその学校に馴染んだ使い方が見えてくるかもしれません。

また、こうした環境に身を置くのはみな初めての経験なのですから、ルールを一度決めたらその限りにするのではなく、都度見直しをしていくのが賢い選択です。生徒たちが自分たちはこういう使い方をしたいという思いが表出しているのであれば、生徒自身でルールをつくるといった方法も有効な一手になるでしょう。

安全かつ安心して使っていくためのまとまった指導時間を確保できないのが実情でしょうから、授業中に折を見て指導するだけでなく、ホームルームや道徳などもうまく活用するとよいでしょう。

それでもなお、使い始めていくと、悪い意味で指導上の一線を越える使い方をしてくる生徒が現れてくるかもしれません。

そこで大事になるのは、「学習用端末であることの意味」を生徒と一緒に考えることです。ルールを破ったから次からは使わないでは、結局のところ、使われない端末になることが自明です。

以前弊社が主催したセミナーで、湘南学園中学校高等学校の小林勇輔教諭には「対話と教育で解決する」という手法を披露いただきました。これからの時代を生き抜くにはICTの力は必要不可欠なのですから、「誰が何をするための端末なのか」という大前提を教師と生徒で改めて確認することで、ベストな使い方を見つけていきたいものです。

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