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無料BIツールのおすすめ6選!無料版ならではの
比較ポイントや有料版との違いを解説

 2024.11.12  株式会社電算システム

社内に蓄積されたさまざまな種類のデータを活用するには、データの一元管理を行えるデータレイクやDWH(データウェアハウス)、データの分析や可視化に使えるBIツールなどが必要です。なかでもBIツールは種類が豊富なだけあり、どのような製品を選べば良いかわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

BIツールを初めて導入する場合、まずは無料の製品からスタートするのがおすすめです。無料版は有料版に比べて機能が制限されるケースも多いですが、BIツールの操作性や導入効果を検証するのに向いています。

本記事では、無料BIツールの選び方やおすすめ製品、有料BIツールとの違いを解説します。自社独自の分析基盤を構築してデータ活用を促進したい方は、ぜひ参考にしてください。

6 recommended free BI tools

無料BIツールの比較ポイント

無料BIツールを選ぶ際の比較ポイントは次の通りです。

  • 機能性
  • データの抽出方法
  • レポーティングの柔軟性
  • 既存データソースとの互換性

それぞれのポイントを詳しく解説します。

機能性

無料BIツールは有料BIツールに比べて機能性が見劣りしやすいものの、無料でも幅広い機能を搭載した製品も存在します。そのため、現状の課題をもとに必要な機能を洗い出し、要件を明確にすることが重要です。

無料・有料を問わず、一般的にBIツールには次のような機能が搭載されています。

  • データマイニング:分析に必要なデータのみを抽出する機能
  • OLAP分析:リクエストに対してリアルタイムに分析結果を返す機能
  • レポーティング:分析結果を表やグラフで可視化する機能
  • プランニング:分析結果をもとに戦略策定や予算編成を行うための機能

ただし、搭載されている機能は製品ごとに違いがあります。幅広い機能が統合された製品もあれば、特定の機能に特化した製品もあるので注意が必要です。

データの抽出方法

BIツールで分析を行うには、データベースから目的のデータを抽出する必要があります。その際、SQLなどの言語を使って命令を出すのか、それともマウス操作のみで実行できるのか、データの抽出方法はシステムの仕様によって大きく変わります。

自由度の高い分析を行ったり、細かい条件でデータを検索したりする場合は、SQLなどの言語に対応したBIツールがおすすめです。一方、プログラミングのノウハウが少なく、データ抽出の工数を抑えたいなら、ノーコードで利用できるBIツールが向いています。

レポーティングの柔軟性

一般的にBIツールは、分析結果を可視化してはじめて効果を発揮します。分析結果はそのままの状態では視認性が悪く、レポートなどの形に落とし込む(レポーティング)ことで、経営判断や戦略策定へと活かせます。

ただし、レポーティングの柔軟性は製品ごとに大きな差があります。例えば、選択できるグラフの種類や設定項目(テキストカラーやサイズなど)が豊富なBIツールは、柔軟性が高いといえるでしょう。

無料BIツールは有料BIツールに比べて、レポーティングの柔軟性に欠けるケースも珍しくありません。分析したデータを思い通りに表現できるのか、ツールごとの違いをしっかりと確認することが大切です。

既存データソースとの互換性

BIツールでは、複数のデータソースから必要なデータを抽出して分析を行います。そのため、外部システムとの連携範囲を確認することが重要です。外部システムといっても、特に普段から利用しているデータソースと互換性があるかという点は、入念にチェックする必要があります。

連携可能なシステムやツールは、ExcelやGoogleスプレッドシートをはじめとする表計算ソフト、Webサイトのパフォーマンスを評価できるアクセス解析ツールなどが代表的です。特定のデータベースにデータを集約している場合は、データレイクやDWHなども対象となります。

無料で使えるBIツールのおすすめ製品6選

無料BIツールには次のような種類があります。

名称 主な機能 有料プランの有無
Looker Studio ・データマイニング
・レポーティング
・レポート用テンプレート
・ダッシュボード
・Looker Studio API
Power BI ・データマイニング
・AIを活用した分析
・レポーティング
・データフロー
・データマート
Zoho Analytics ・データマイニング
・データ分析
・スマートAIアシスタント
・レポーティング
・モバイルアプリ
Metabase ・データマイニング
・レポーティング
・ダッシュボード
・クエリビルダー
・SQLエディタ
Grafana ・データマイニング
・レポーティング
・ダッシュボード
・アラート
Apache Superset ・データマイニング
・レポーティング
・ダッシュボード
・SQLエディタ
×

自社に合ったツールを見つけるには、それぞれの特徴や導入メリットを押さえることが重要です。各ツールの特徴について詳しく解説します。

Looker Studio

 

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Looker Studioとは、Google社が提供するレポーティングに特化したBIツールです。分析やプランニングの機能は搭載されていないものの、800種類以上のデータソースに対応しており、スピーディかつ簡易的な手順でレポートを作成できます。

GoogleスプレッドシートやBigQuery、GA4など、普段からLooker Studioと相性の良いツールでデータを収集している場合におすすめです。単一のデータソースからデータを抽出するのはもちろん、複数のデータソースを組み合わせて独自のレポートを作成することも可能です。

Looker Studio Proと呼ばれる、メンバーのアクセス管理や組織管理を行える有料版も用意されていますが、基本的な機能は無料版に標準搭載されています。そのため、費用をかけずに高度なレポーティングツールを利用できるのが利点です。

無料版以外の料金体系 Looker Studio Pro:プロジェクトごとのユーザー1人あたり月額$9
主な機能 ・データマイニング
・レポーティング
・レポート用テンプレート
・ダッシュボード
・Looker Studio API
公式サイト https://cloud.google.com/looker-studio

Power BI

 

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Power BIとは、Microsoft社が提供するBIツールです。無料版と有料版の複数のプランが用意されているほか、クラウド・オンプレミスのどちらからでもデータを取り込めるため、多様なニーズにも柔軟に対応できます。

また、Microsoftが開発した最新のAIが組み込まれているのも特徴です。AI技術を活用することで、機械自らデータ同士の関連性や法則性を学習し、素早く分析結果へと落とし込めます。学習量や学習時間を増やせば、分析作業の質向上にもつながります。

無料版以外の料金体系 ・Power BI Pro:月額1,499円/ユーザー
・Power BI Premium Per User:月額2,998円/ユーザー
・Power BI Embedded:要問い合わせ
主な機能 ・データマイニング
・AIを活用した分析
・レポーティング
・データフロー
・データマート
公式サイト https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-bi

Zoho Analytics

 

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Zoho Analyticsは、さまざまなクラウドサービスを展開するゾーホージャパン株式会社のBIツールです。同社が提供しているツールには、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)、問い合わせ管理システムなどの種類があります。ツール同士は互換性に優れ、それぞれのデータを密接に連携できるのが特徴です。

ノーコードに対応しているため、ドラッグ&ドロップの操作でレポートを作成できます。また、「Zia」と呼ばれるスマートAIアシスタントを利用すると、チャット形式で分析時の洞察を得られます。無料プランは機能が制限されますが、試用間隔でスタートすると良いでしょう。

無料版以外の料金体系 ・ベーシック:月額2,880円/2ユーザー
・スタンダード:月額5,760円/5ユーザー
・プレミアム:月額13,800円/15ユーザー
・エンタープライズ:月額54,600円/50ユーザー
・カスタム:要問い合わせ
※すべてクラウド版・年間契約時の価格
主な機能 ・データマイニング
・データ分析
・スマートAIアシスタント
・レポーティング
・モバイルアプリ
公式サイト https://www.zoho.com/jp/analytics/

Metabase

 

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Metabaseは、レポーティングに特化したOSS(オープンソースソフトウェア)型のBIツールです。ソースコードの改変が公認されているオープンソースだからこそ、無料でサービスを利用できるメリットがあります。

高度な分析を行えるわけではありませんが、さまざまなデータソースからデータを抽出し、レポートに落とし込めるのが特徴です。データソースはMySQLやBigQuery、Amazon Redshiftなど、さまざまな種類に対応しています。また、レポートを作成する際は、SQL構文とマウス操作の両方に対応しており、プログラミンで高度な検索もできれば、条件選択のみでシンプルにデータを可視化することも可能です。

有料版に契約するとメタ分析や組み込み分析などの機能が追加されます。

無料版以外の料金体系 ・Starter:月額$85/5ユーザー
・Pro:月額$500/10ユーザー
・Enterprise:要問い合わせ
主な機能 ・データマイニング
・レポーティング
・ダッシュボード
・クエリビルダー
・SQLエディタ
公式サイト https://www.metabase.com/

Grafana

 

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Grafanaは、クラウド上で独自のダッシュボードを作成できるBIツールです。オープンソースでサービスが提供されており、費用をかけずに利用開始できます。

豊富なプラグインが用意されており、さまざまなデータソースと連携できるのが特徴です。プラグインを導入するだけでデータを抽出できるため、ノーコードでダッシュボードを作成できます。また、複数のデータソースを組み合わせることで、独自のダッシュボードが完成します。

柔軟なアクセス制御を行えるのも強みです。ダッシュボードの閲覧・編集権限をユーザー個別に設定できるほか、設定画面へのアクセス制限も可能です。

無料版以外の料金体系 ・Pro:従量課金制
・Advanced:月額$299
主な機能 ・データマイニング
・レポーティング
・ダッシュボード
・アラート
公式サイト https://grafana.com/ja/

Apache Superset

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Apache Supersetは、データ検索や可視化に強みを持つOSS型のBIツールです。数ある無料BIツールのなかでもレポーティングの柔軟性に優れています。

レポート作成時に利用できる可視化機能は40種類を超えます。グラフやテーブル、バーチャートなどの種別を自由に選択できるほか、種類ごとに細かい表示オプションが用意されているのも特徴です。思い通りにレポートを作成できるのがApache Supersetの強みだといえるでしょう。

無料版以外の料金体系 なし
主な機能 ・データマイニング
・レポーティング
・ダッシュボード
・SQLエディタ
公式サイト https://superset.apache.org/

無料BIツールと有料BIツールの違い

BIツールのなかには無料のものだけでなく、有料の製品も数多く存在します。これらはいずれか一方が優れているわけではなく、両者にメリットとデメリットがあるため、課題や目的に合わせて適切なタイプを選び分けることが重要です。

無料BIツールと有料BIツールには次のような違いがあります。

  無料BIツール 有料BIツール
費用負担 最小限に抑えられる 導入コストや運用コストがかかる
機能の範囲 有料BIツールに比べて種類が少ない、または一部の機能が制限されている 無料BIツールに比べて機能が豊富
データ容量 有料BIツールに比べて容量が少ない、またはストレージが制限されている 無料BIツールに比べて容量が多い
カスタマイズ性 レポートやダッシュボードのカスタマイズが不自由 レポートやダッシュボードを柔軟にカスタマイズできる
サポート体制 最低限のサポートしか利用できないケースが多い 基本サポートに加え、FAQや操作マニュアル、コミュニティフォーラムなどが充実しているケースが多い

このように、基本は有料BIツールのほうが機能性や利便性に優れます。ただし、無料BIツールは費用負担を最小限に抑えられる大きなメリットがあるため、「取り扱うデータが少ない」「有料ツール導入前の試用」など、用途次第で最適解にもなり得ます。

より高度な分析を行うならGoogleのLookerがおすすめ

無料BIツールにはそもそも分析機能が搭載されていなかったり、機能性や利便性が見劣りしたりするケースも多いため、本格的なデータ活用基盤を構築するには有料BIツールの活用をおすすめします。なかでも導入しやすくて、幅広いシーンで活用できるのがGoogleのLookerです。

LookerはLooker Studioと名称が似ていますが、両者はまったく別物のBIツールです。レポーティングに特化しているLooker Studioに対して、Lookerには分析やレポーティング、モデル定義、トリガー(条件を満たすと特定の作業を自動実行する機能)など、幅広い機能が搭載されています。

モデルを定義する際はLookMLという独自のモデリング言語を用います。これにより分析時の指標や集計ロジックを組織内で統一できるため、データの一貫性の確保やガバナンスの強化が可能です。より高度な分析が必要なケースでは、Lookerのような有料BIツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

BIツールを導入してデータ活用の基盤を構築しよう

BIツールのなかでも無料の製品は、費用がかからないという大きなアドバンテージがあります。その利点を活かしスモールスタートでBIツールを導入することで、有料製品導入後に起こりがちな、「思ったよりも使いにくい」「想定通りの成果が出ない」といった失敗を避けられます。

ただし、取り扱うデータ量の増大に伴い、無料BIツールでは徐々に無理が出てきます。社内全体のデータを統合して分析を行うなど、規模感が大きくなるほど有料BIツールが欠かせません。

有料BIツールにもさまざまな製品がありますが、慣れない方でも扱いやすいLookerがおすすめです。Lookerには無料製品にはない幅広い機能が搭載されているほか、独自のモデリング言語を使ってデータの一貫性を確保できます。こちらの資料で詳細を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

監修者

新 直哉
新 直哉
入社5年目。データエンジニアとして、BigQueryを主としたデータ分析基盤の提案・導入支援や、ウェブセミナーの講師などを務める。現在はプリセールスエンジニアの卵として奮闘中。

<保有資格>
・Professional Data Engineer
Professional Data Engineer
初めてのLooker

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