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セキュリティ対策におけるログ分析とは?
重要性や運用時のポイントを解説

 2024.07.09  株式会社電算システム

企業のセキュリティ対策ではさまざまな施策を実行できますが、なかでも特に重要なのがログ分析です。ログ分析とは、システムやネットワークのログ(アクセス履歴や使用履歴などの時系列データ)を集計・解析する分析手法を指します。

ログ分析を行うことで、システムやネットワークに潜む問題を予兆できるため、セキュリティトラブルの回避やインシデント発生リスクの抑制といった効果を見込めます。

本記事では、セキュリティ対策におけるログ分析の仕組みや重要性、成功するためのポイントを解説します。社内に蓄積されたログを有効活用したい方は参考にしてください。

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ログ分析とはログの集計・解析によってセキュリティ上の脅威を発見すること

そもそもログとは、発生した事象を時系列で蓄積したデータを指します。システムやネットワークの分野では、アクセス履歴やファイルの閲覧履歴を表す「操作ログ」、システム内部の稼働状況を記録する「イベントログ」といった種類があります。

ログ分析は、このようなログを集計・解析する行為や取り組みです。情報解析により、システム・ネットワーク内に潜むセキュリティ上の脅威を早期に発見し、問題解決を図るため、異常なログの検出に重きを置くログ監視を発展させたものだといえるでしょう。

セキュリティ対策におけるログ分析の重要性

セキュリティ対策でログ分析が重要なのは、次のようなメリットが生まれるためです。

  • 情報漏えいを未然に防げる可能性がある
  • システムやネットワークの可用性を高められる
  • システムやネットワークの普及促進につながる

もし社内で、情報漏えいのリスクやシステムの可用性に関する課題を抱えているなら、ログ分析を実施する必要性が高いといえます。以下でそれぞれのポイントを解説します。

情報漏えいを未然に防げる可能性がある

ログ分析を行うにあたっては、蓄積された過去のログをすべて参照できます。そのログのなかに不正操作や不正ログインなどの足跡が刻まれていれば、早いタイミングでの異常検知につながります。

反対にシステム・ネットワーク内の異常検知が遅れると、社内の機密情報が外部に漏れる可能性が高まるでしょう。サイバー攻撃や内部不正など、さまざまなインシデントの発生リスクが存在する企業においては、いかに素早くセキュリティ上の脅威を発見できるかが鍵を握ります。その意味でログ分析は企業のセキュリティレベルを高める重要な取り組みの一つです。

システムやネットワークの可用性を高められる

ログ分析の対象となるログには、システム・ネットワークのアクセス履歴や使用履歴以外に、稼働状況に関するデータも記録されます。そのため、システム障害を引き起こしかねない事象を検知できるのもポイントです。

過去の障害履歴をもとにログを解析すれば、その発生原因を特定できる可能性があります。その結果、安定稼働に向けた対策を講じられるため、システムやネットワークの可用性が高まります。

システムやネットワークの普及促進につながる

ログ分析はセキュリティの観点だけでなく、システムやネットワークの普及促進につながることもあります。ログ分析の対象となるログには、システムやネットワークの使用履歴が含まれているためです。

例えば、特定の業務システムを導入した際、従業員の操作ログをもとに使用率やアクティブ率を求められます。数値が低いようなら、従業員が操作性や機能性に関して疑問・不満を抱いている可能性が高いといえるでしょう。そこで、業務システムが組織に定着するよう、社員研修やマニュアル整備などの対策を立てられます。

このように幅広いシーンで活用できるのがログ分析のメリットです。活用シーンが広がるほど費用対効果が高まるため、セキュリティ以外の面でも施策を検討してみましょう。

ログ分析で活用できるログの種類

ログ分析で活用できるデータは多岐にわたります。活用可能なログの種類やそれぞれの特徴を押さえておくと、適切な場面やタイミングで蓄積されたデータを活かせます。ここでは、種類ごとの特徴を解説します。

操作ログ

操作ログとは、特定の人物がシステムやネットワークを操作した履歴を表すデータです。システム・ネットワークにアクセスしたユーザー名や日時、操作した内容のほか、データの閲覧・編集履歴なども保存されます。

「誰が・いつ・どのような操作を行ったのか」という情報が細かく記録されるのがポイントです。そのため、ログを参照すれば、不審な行為から乗っ取りの可能性があるアカウントや、内部不正を働いた従業員などが特定できます。

設定変更ログ

設定変更ログとは、システム内部の設定を変更した履歴を表すデータです。変更された設定内容や日時、ユーザー名などがデータとして蓄積されます。

設定変更ログは、外部・内部にかかわらず不正行為を発見する際に役立ちます。例えば、システム内で何らかの不正行為を働いた後は、証拠隠滅のために特定の設定を変更するケースも珍しくありません。ログを参照すれば設定変更時の詳細な情報がわかるため、よりスムーズな状況把握や対応策の検討が可能です。

認証ログ

認証ログとは、システムやネットワークのログイン履歴を表すデータです。ログイン時のユーザー名や日時が時系列で記録されます。

また、ログイン時のエラー回数もログとして残るため、セキュリティ対策としても効果的です。仮に、同じアカウントで何度も認証に失敗している場合、不正ログインの可能性が高いといえるでしょう。アカウント情報が外部に漏れている可能性も考えられるため、ログイン情報の変更やアカウント運用方法の見直しといった早急な対策が求められます。

イベントログ

イベントログとは、システム・ネットワーク内で発生した事象(イベント)に関するデータです。イベントといってもその範囲は広く、アプリケーションログやシステムログなどの種類があります。

例えば、システムにおいては起動やシャットダウンなどの動作がイベントの対象となります。そのほか、システムやネットワークの稼働中に起きた障害が履歴として記録されるのも特徴です。過去のシステムトラブルやネットワークトラブルを参照できるため、安定稼働に向けた対策を立てる際に役立ちます。

ログ分析を成功させるための5つのポイント

ログ分析を成功させるためのポイントは次の通りです。

  • 無理なくログ分析を行う頻度を設定する
  • 分析結果を従業員同士で共有する
  • ほかのセキュリティ対策と組み合わせる
  • ログ分析用のツールを上手く活用する
  • アウトソーシングを検討する

以下でそれぞれのポイントについて詳しく解説します。

無理なくログ分析を行う頻度を設定する

本来、ログ分析では、リアルタイムで問題を予兆し、トラブルが起きる前に対策を講じるのが理想です。しかし、リアルタイム検知のような仕組みを構築するのは、コストや工数の観点から課題が多いのも事実です。そのため、一定間隔でログを集積したうえで、定期的にデータを解析するのが現実的だといえるでしょう。

例えば、月に1回や週に1回といった形でログ分析の頻度を設定すれば、ほかの業務との兼ね合いも図りつつスムーズな作業が可能です。継続的な実施が不可欠のログ分析だけあり、無理なく作業を行える頻度を設定すると良いでしょう。

分析結果を従業員同士で共有する

ログ分析の結果はブラックボックス化せず、従業員同士で共有することが大切です。分析結果を目にすることで従業員に当事者意識が芽生えます。その結果、セキュリティ意識の向上や不正行為の抑制といった効果が見込めます。

ただし、単に過去のログを羅列しただけでは問題点がぼやけ、何をどう意識すれば良いのかが従業員側からは判断できません。そのため、実際に起こったトラブルの事例と、問題究明に至ったデータとをセットにして、問題の発生原因や今後の課題を細やかに説明することが重要です。

ほかのセキュリティ対策と組み合わせる

ログ分析はあくまで過去のログを参照して情報解析を行うため、対策が後手に回る可能性があります。仮に悪意のある第三者にシステム内の情報を盗み取られたとしても、ログを確認してからでは手遅れになることも考えられるでしょう。そのため、ログ分析だけでなく、ほかのセキュリティ対策も取り入れて総合的な施策を検討することが大切です。

企業のセキュリティ対策にはログ分析のほかにも、ウイルス対策や認証方法の見直し、端末管理などの種類があります。また、システムやネットワークの利用ルールを策定することも重要です。一つの方法ではなく総合的な対策を心がけることで、組織全体のセキュリティリスクの軽減につながります。

ログ分析用のツールを上手く活用する

企業においてはシステムの多様化やネットワークの分散化などにより、取り扱うログが膨大な量におよぶケースも珍しくありません。このようななかで効率良くログ分析を進めるには、専用のツールを活用するのが効果的です。

ログ分析に役立つツールの一つとしてログ管理システムがあげられます。これはサーバーやクライアント端末、クラウドサービスなどから取得できる、あらゆるログを一元管理するためのツールです。端末やシステムの種類にかかわらず、一括でログの取得や解析、設定が可能なので、ログ分析にかかわる業務の負担や工数を最小限に抑えられます。

アウトソーシングを検討する

「ログ分析を効率化するためにツールを導入したいものの、ノウハウ不足で運用が難しい」といったケースでは、アウトソーシングを検討するのも一案です。このような場合、MSS(Managed Security Service)と呼ばれるサービスを利用するのが一般的です。

MSSとは、企業のセキュリティ管理を代行するサービスを指します。ログ監視やログ分析だけでなく、セキュリティ対策の策定やネットワーク構築など、総合的なセキュリティ管理を担っています。24時間365日体制での監視が可能なサービスも多いため、自社でセキュリティ管理を実施するよりも安全性が高まる場合もあるでしょう。

ログ分析の仕組みを構築するなら「Google Cloud」がおすすめ

社内でログ分析の仕組みや体制を構築する場合は、「Google Cloud」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。Google Cloudとは、100種類以上のプロダクトが搭載されたクラウドプラットフォームです。

そのプロダクトの一つとして、ログ管理ツール「Cloud Logging」が用意されています。Cloud Loggingを活用すると、リアルタイムのログを監視するだけでなく、過去のログから不正行為の傾向や予兆を分析できるのが特徴です。また、Google Cloud内外のサービスからログを取り込めるため、データの一元管理につながります。

Google CloudにはCloud Loggingのほか、データベース構築やビッグデータ解析、機械学習などにかかわるプロダクトも搭載されています。それらを柔軟に組み合わせ、従量課金制で利用できるので、ログ分析以外に幅広い業務に活用できます。

ログ分析の仕組みを構築して社内のセキュリティレベルを向上させよう

さまざまな業務システムやクラウドサービスに蓄積されたログを分析することで、トラブル発生時でも迅速に問題を特定できます。結果、情報漏えいや不正行為などのリスクを抑制できるため、セキュリティレベルの向上につながります。

ただし、問題の予兆を把握し、未然にトラブルを防ぐには、ログ監視だけでなく分析機能を備えたツールが必要です。Google CloudのCloud Loggingには両者の機能が備わっているため、よりレベルの高いセキュリティ対策を実施する際に効果を発揮します。

電算システムでは、環境構築やコンサルティングなど、Google Cloudの導入支援サービスを提供しています。専門領域に精通した数多くのエンジニアが在籍しているので、スピーディかつ質の高いサポートを行えるのが強みです。

さらに、電算システムのリセールサービスを活用すれば、Google Cloudの利用料に関する請求書発行や割引などを利用できます。Google Cloudと電算システムについては以下の資料で詳細を紹介しているので、参考にしてください。

Google Cloud と 電算システムのご紹介

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