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GIGAスクール構想「文科省・端末利活用状況等の実態調査」
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 2021.11.26  2022.12.23

GIGAスクール構想の実現に向け、全国の学校のICT環境が急激に変化しています。文部科学省はこのほど「端末利活用状況等の実態調査」の結果を公表しました。今回はこの調査結果を読み解きながら、今後の端末利活用の方向性を探っていきたいと思います。

文科省・端末利活用状況等の実態調査について

GIGAスクール構想とは、1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現することです。また、これまでの我が国の教育実践と最先端のベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出すことが求められています。

文部科学省は、10月29日に、「端末利活用状況等の実態調査」の結果を公表しました。この調査は今年7月に全国の小中学校を対象に行ったもので、端末の整備状況や利活用の開始状況についてまとめています。

まず、端末の整備状況については、全自治体等のうち 1,744自治体等(96.2%)が整備済み、68自治体等(3.8%)が整備未完了となっています。整備が終わっていない地域の主な理由には、 「需給状況のひっ迫により、一部の台数を先行して調達した」「全台数の予算確保が困難であったため、一部の台数を先行して調達した」などが挙げられています。68自治体のうち、今年度内に整備が完了するのが49自治体で、残りの19自治体は令和4年度の整備完了予定になっています。

次に、小学校等の端末の利活用開始状況は「全学年で利活用を開始」が84.8%で、「一部学年で利活用を開始」が11.4%、「利活用を開始していない」が3.8%になっています。「利活用を開始していない学校数」は758校でした。中学校等の端末の利活用開始状況は「全学年で利活用を開始」が91.3%で、「一部学年で利活用を開始」が5.2%、「利活用を開始していない」が3.5%になっています。「利活用を開始していない学校数」は355校です。

続いて、非常時の端末の持ち帰り学習の実施状況は「実施できるよう準備済み」が66.5%、「準備中」が30.9%、「実施・準備をしていない」が2.6%でした。平常時の持ち帰り学習の実施状況は「実施している」が26.1%で、「準備中」が51.8%、「実施・準備をしていない」が22.1%でした。

◎文科省・端末利活用状況等の実態調査https://www.mext.go.jp/content/20211029-mxt_shuukyo01-000003278_001.pdf

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調査結果を読み解く

まず、整備状況ですが、全自治体のうち96.2%で端末整備が完了しています。世界的にも例のない規模で、短期間にこれだけ急速に整備が進められたのは本当に大きな成果です。GIGAスクール構想を前進させたすべての関係者の努力の賜物と言えるでしょう。

一方で、未だに端末整備が完了していない自治体もあります。GIGAスクール構想が始まる以前にも、ICT環境の自治体間格差の問題が取り沙汰されたことがありましたが、整備が早かった自治体では令和2年9月から端末の利活用が始まっていることを考えると、1年以上の違いがあります。理由はどうあれ、教師にとっても生徒にとっても埋めようのない活用の差が生じていることはしっかりと認識しておくべきでしょう。

次に、学校ごとの端末の利活用開始状況ですが、小学校で84.8%、中学校では91.3%が「全学年で利活用を開始」しているのは、学校関係者の多くの努力の結果といえるでしょう。評価が難しいのが「一部学年で利用を開始」の項目で、小学校で11.4%、中学校で5.2%あります。本調査では、「一部学年」がいくつの学年かが明示されていませんので、小学校で5学年で利用を開始していても、1学年しか利用していなくても「一部学年」という回答になります。本回答項目にはそうした幅があることは留意する必要があります。

「利活用を開始していない」は小学校で3.8%、中学校で3.5%もあります。端末は使ってはじめて価値が出る道具です。蓋を開けけられないまま埃だけを被っている状況では、生徒に力がつくわけもありませんし、教師の働き方改革にも役立ちません。端末活用よりも優先すべき教育課題が多々あるのは百も承知ですが、ぜひ、重たい腰を上げて、端末を使った新しい学びの扉を開けてほしいと願っています。

持ち帰り学習の実施状況の回答結果については、設問が平常時と非常時とでわかれている点に、多少の違和感を感じざるを得ませんでした。平常時・非常時という分け隔てなくいつでも・どこでも・どこからでもシームレスにつながることが、クラウドと端末活用の良さであるにもかかわらず、設問がわかれていることで、現場に分けて考えることを助長することはないだろうかと思うのです。


「有事」という考え方が必要なのは理解できますが、殊更に平常時と非常時の比較ではなく、「日常的な活用の先に、有事での対応も可能になる」ぐらいのスタンスで臨む方が結果的に普及にはつながるのではと思ってしまうのです。

クラウド活用で持ち帰り学習への道筋をつくる

今回の調査結果で最も数値が低かったのが、平常時の持ち帰り学習の実施率で26.1%でした。

実現できていない理由としては、持ち帰りする際のルールづくりが間に合っていない、課題の作成の準備ができていないなどいくつかの要因が推測されますが、いきなり学習に使おうとすると教師も生徒もハードルが上がりますので、まずは日々の連絡手段として使うところから始めると、教師も生徒もICT活用の便利さを享受することができるでしょう。

こうしたときに役立つのが Google Workspace for Education などの教育機関向けクラウドです。なかでも、Google Classroom はそのネーミングの通り、オンライン上に Classroom =クラスを作成することで、教師と生徒との間のコミュニケーションを便利にできるアプリで、連絡事項の共有を迅速化し、課題の作成・配付・回収・採点をクラウド上で一元的に行うことができます。

最初は、翌日の持ち物の連絡を Classroom で行います。生徒は自宅に持ち帰った端末で自分のクラスにアクセスし、持ち物を準備してから登校するよう習慣化します。徐々に習慣が身についてきたら、登校後に端末を開いて今日の目標をClassroom に書き込んだりするのも有効でしょう。また、日々の検温結果は Classroom 上に教師が作成した Google フォームに入力するのが便利です。Google フォームで集めたデータであれば集計も簡単にできるので、事務作業の省力化にもつながります。

こうした日々の持ち帰りによる活動がこなれてくれば、学習への移行もスムーズに進むはずで、教師が Classroom 上でさまざまな課題の作成・配付したり、生徒がオンラインで課題を提出することは造作もなく行えるようになるでしょう。教師はいつでも作業できることで出張時に出先から対応したり、デジタルならではの予約配信機能なども便利に使うことができます。

次第にさまざまな シーンで Classroom を使うことに広がってくれば、教師も生徒も教室とオンライン、日常と非常時の境目がなくなっていることにきっと気がつくでしょう。

 

Google for Education
Google for Education

まとめ

今回は、文部科学省が公表した「端末利活用状況等の実態調査」の結果から考察を行いました。

電算システムでは、Google Classroom をはじめとした Google for Education のソリューションを中心に学校現場におけるDXを支援しています。

学校現場における豊富な導入実績を誇る弊社ならではのご提案も可能です。Classroom はもちろん、Chromebook や Google Workspace for Education などの導入や活用についてお困りごとなどございましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

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