2020年以降、人々の生活は変わりました。Pew Reserch社の2020年の調査では10人に4人が「生活が大きく変わった」と回答しています。
それに合わせて多くの企業が適応するための努力を行い、在宅勤務の増加や他人と物理的に距離を取る働き方を採用しています。特に、元々テクノロジーや設備を充分に整えていたインフォメーションワーカー(デスクワークを主とする従業員)は87%が在宅勤務への移行が「非常に / ある程度」簡単であったと回答しています。
一方で、フロントラインワーカーと呼ばれる現場スタッフの働き方はどうでしょうか。本記事では、現場スタッフが直面している課題とその解決策についてご紹介します。
働き方を変えられた現場スタッフはたったの35%
世界の従業員のうち現場スタッフに該当する従業員は全体の80%にものぼります。飲食・小売・医療・建設などの業種では現場担当者や店舗スタッフの存在は無くてはならないものでしょう。しかし現場スタッフに対してパソコンを一台ずつ配布し、デスクワークの従業員と同じシステムをインストールし……というのは現実問題難しい部分があるかと思います。個人所有の端末からメールにアクセスさせるだけという企業も多いのではないでしょうか。
しかしコロナ禍においては、デスクワークの従業員だけではなく現場スタッフの働き方もがらっと変わり、様々な必要性に直面させられています。接触リスクが高い従業員は不安やストレスを抱えるでしょうし、デスクワーカーが在宅勤務を進めたために本部から孤立化してしまうということもあります。また、社内での研修やサポートなども実施しづらくなりました。
Emergence、2020 年の調査では、現場スタッフのうちコロナ禍によって新しいシステム・ツールの恩恵を得られたのはたったの35%だと回答が得られています。現場スタッフのうち3分の2近くが、以前と変わらないシステム・ツールで働き続けているのです。
70%の現場スタッフはテクノロジーの支援が必要
同じく Emergence、2020 年の調査では、70%の現場スタッフはテクノロジーによる支援が増えれば仕事をより効率よく進められると回答しています。特に以下の分野では要望が多くありました。
より優れたツールが望まれる分野:
- コミュニケーション
- 運営と物流
- 新人に対する研修
- スタッフへのトレーニング
とはいえ、全体的なコストやシステム担当部署の手間の問題もあり、現実的には「シャドーIT」と呼ばれる未承認アプリの利用をよくないものと認識しつつも黙認している企業も多いでしょう。会社メールを個人のGmailに転送、スタッフ同士はLINEでやり取り、など思い当たる方もいるのではないでしょうか。
では、ついつい後回しになりがちな現場スタッフのツールについてはどうすればいいのでしょうか?
現場スタッフの業務を支える Google Workspace Frontline
今回ご紹介するGoogle Workspace Frontlineは、2021年4月から公開された、いわば【現場スタッフ向けのGoogle Workspace(旧G Suite)】です。
Google Workspaceとはいつでもどこでも場所を問わず、さまざまなデバイスを使用して、仕事上のコミュニケーションやコラボレーションが実現できる Google社のグループウェアです。
個人で無料で利用出来るGmail や Googleカレンダーと使用感がほとんど変わらないので教育コストがかからず、またスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス対応が優れているのも特徴のひとつです。個人所有のスマートフォンから Gmail でメールを見ている、という方も多いのではないでしょうか。
Frontlineは、Gmail、カレンダー、Meet(WEB会議機能)、チャット、ドキュメントの共有、ファイルストレージなどの業務で必要な機能を網羅しています。その一方で価格が非常に安く、1ユーザーあたり月額500円程度とほぼワンコインで利用できてしまいます。
メールを含めたストレージの容量は2GBと制限がありますが、デスクワーカーで無ければ充分な量ではないでしょうか。
また、データ保持機能であるGoogle Vaultやデバイス管理サービスのCloud Identity Premiumについても追加で利用することが可能です。
Google Workspace Frontlineの資格要件
Google Workspace Frontlineを利用出来るのは、「現場の従業員」に限定されています。
Googleの公式ヘルプには以下のように記載されています(以下引用)
現場の従業員の定義
現場の従業員はビジネスを支える存在であり、その主な職務には次のような特徴があります。
- 顧客または不特定多数の人に直接対応して、サービスやサポート、商品販売を行う
- 製品やサービスの製造、配送に直接携わる
- 戦力の大部分を構成し、業務遂行にはスピードと共同作業が重要である
該当する現場の従業員の例:
- 製造業の組み立て作業員
- レストラン、接客業、小売業の従業員
- 農業、漁業、林業の従事者
- 建設作業員
- 主に屋外で作業する従業員
- コールセンターや交通機関のオペレーター
現場の従業員は、シフト中またはシフトをまたいで、要件を満たす現場の従業員同士で主要な仕事用デバイスを共有しています。または、仕事の一環として各地を移動するために固定席を持たず、主にモバイル デバイスを使用しているケースもあります。主要な仕事用デバイスを共有する場合、共有相手である現場の従業員もそのデバイスを主要な仕事用デバイスとして使用している必要があります。
現場の従業員が Google Workspace サービスでコンテンツを作成することは少なく、主にコンテンツを確認または使用します。たとえば、ドキュメントを作成するというよりも、取り引きを完了したりカレンダーの会議を確認したりといったことを行います。
Google Workspace Frontlineをお申し込みの際には、この資格要件を満たしている必要がありますのでご注意ください。
現場スタッフと最適なコミュニケーションを
デスクワーカーがニューノーマル時代の働き方に慣れてきた一方、疲弊する現場スタッフの話題は今でも尽きません。
Frontlineとは和訳すると最前線という意味を持っています。最前線で働き続けるフロントラインワーカー、現場スタッフとのコミュニケーションを今一度見直してみてはいかがでしょうか。
弊社ではFrontlineエディションを含めたGoogle Workspaceの導入の提案・支援を行っております。ご興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。
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