本来、メールアドレスを作成するには、メールサーバーの導入やドメインの購入など、手間や費用がかかります。その点、Gmailであれば、無料でメールアドレスの作成が可能です。クラウド上でサービスを利用できるため、メールサーバーを導入する必要もありません。しかし、Gmailでメールアドレスを作成しようにも、「作り方がわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、無料でGmailアドレスを作成する方法や注意点などを解説します。できるだけ低コストでメールアドレスを運用したい方は、ぜひ参考にしてください。
Gmailを使った無料メールアドレス作成方法
Gmailで無料メールアドレスを作成する手順は次の通りです。
- 基本情報の登録
- Gmailアドレスとパスワードの設定
- 再設定用のメールアドレスを登録
- Gmailの管理画面にログイン
手順ごとの設定方法やポイントを解説します。
1. 基本情報の登録
Gmailの公式サイトにアクセスし、画面右上の[アカウントを作成]をクリックします。
Gmailアカウントの作成画面に移行するので、氏名を入力してください。
なお、[姓]の項目が不要な場合は未記載でも問題ありません。必ずしも本名を入力する必要はなく、ニックネームでも可能です。ただし、ビジネス用のアカウントとして設定する際は、誰が見てもわかりやすい名前を付けることをおすすめします。
続いて、生年月日と性別を入力します。
最後に[次へ]をクリックしてメールアドレスとパスワードの設定に移りましょう。
2. Gmailアドレスとパスワードの設定
項目内の[@gmail.com]と記載された前に任意のメールアドレスを設定します。Gmailでは、このメールアドレスをログイン時のユーザー情報として扱います。
作成するメールアドレスには、半角英数字とピリオドの記号を使用できます。6~30文字の範囲で設定してください。ただし、ほかのユーザーが利用しているメールアドレスは利用できません。
続けてパスワードを設定します。メールアドレスと同様、パスワードもGmailにログインするために必要です。
パスワードは8文字以上、かつ半角英数字や記号を組み合わせて設定する必要があります。不正アクセスを防ぐためにも、第三者から推測されにくく、できるだけ長めのパスワードを設定しましょう。
3. 再設定用のメールアドレスを登録
次に、再設定用のメールアドレスを登録します。[スキップ]をクリックすると、この手順を飛ばすこともできますが、セキュリティレベルを高めるためにも設定しておくことをおすすめします。[予備のメールアドレス]の項目に任意のメールアドレスを入力しましょう。Gmail以外のドメインのメールアドレスでも構いません。
再設定用のメールアドレスを設定すると、ログインパスワードを忘れた際や、第三者による不正アクセスが行われた際などに、そのメールアドレス宛てに通知が届きます。
例えば、ログインパスワードを忘れた場合は、パスワードの再設定用URLが記載されたメールが届く仕組みです。不正アクセスがあった場合は、端末名やアクセス日時などが記載されたメールが届くため、第三者による不正利用やデータの窃取といったリスクを抑えられます。
4. Gmailの管理画面にログイン
設定が完了すると、Googleのプライバシーと利用規約が画面上に表示されます。
内容を確認したうえで、画面下部の[同意]をクリックしましょう。これでメールアドレス作成の手続きが完了し、自動的にGmailの管理画面に移行します。
管理画面にアクセスすると、受信トレイ上でメールの一元管理が可能です。アーカイブや迷惑メールといったフォルダで管理することもできます。メールを作成する際は画面左側の[作成]をクリック、メールを検索する際は画面上部の検索バーにキーワードを入力します。
無料でGmailアドレスを複数作成する方法
1人で複数個のGmailアドレスを作成することも可能です。メールアドレスを複数作っても料金はかかりません。手段としては、先ほど紹介したGmailアカウントを複数運用する方法と、エイリアス機能を利用する方法の二通りがあります。それぞれの設定方法を解説します。
Gmailアカウントを複数運用する方法
先ほど紹介した手順で複数のGmailアカウントを作成します。「abc@gmail.com」「def@gmail.com」といった形で、名称の異なる複数のメールアドレスを保有できるのが利点です。
Gmailの管理画面にアクセスし、右上のアカウントマークをクリックします。そして、[別のアカウントを追加]を選択しましょう。
すると、Gmailアカウントのログイン画面が表示されます。ここではログインをせず、画面下部の[アカウントを作成]をクリックしてください。
Gmailの新規アカウントを作ったときと同様、氏名や生年月日、メールアドレス、パスワードなどの入力画面が表示されます。そのため、以降の流れは先ほど紹介した手順と変わりません。画面の案内に沿って入力し、二つ目のメールアドレスを作成しましょう。
複数のGmailアカウントを作成した後は、Gmailの管理画面にアクセスし、再び右上のアカウントマークをクリックします。[その他のアカウントを表示]をクリックすると、作成した複数のメールアドレスが表示されています。
任意のメールアドレスをクリックすると、そのGmailアカウントへと切り替えられます。アカウントを切り替えると、受信トレイや送信トレイ、ラベルなどに含まれたメールを別々に管理できます。
エイリアス機能を利用する方法
エイリアスとは、一つのGmailアドレスに対して複数のサブアドレスを設定できる機能です。「+」と任意の文字列を追加するだけで簡単にサブアドレスを作成できます。
例えば、デフォルトのGmailアドレスが「abc@gmail.com」の場合、営業用のメールアドレスとして「abc+sales@gmail.com」、問い合わせ窓口用に「abc+cs@gmail.com」といった形でサブアドレスを設定できます。新規でGmailアカウントを作成する手間を抑えられるのがメリットです。
エイリアスを設定するには、Gmailの管理画面右上の[設定]アイコンから[すべての設定を表示]をクリックします。
設定画面に移行するので、上部のタブを[アカウントとインポート]に切り替えましょう。そして、[名前]の項目にある[他のメールアドレスを追加]をクリックします。
すると、メールアドレス追加画面が開きます。[メールアドレス]の項目にエイリアスとして設定したいメールアドレスを記載し、任意の名前を付けます。
[次のステップ]をクリックし、ユーザー名とパスワードを設定すれば完了です。
無料でGmailアドレスを作成する際の注意点
無料でGmailアドレスを作成する際は、いくつか注意すべきポイントが存在します。スムーズにGmailアドレスを作成するには、それぞれの注意点を押さえることが大切です。
設定したメールアドレスは変更できない
Gmailで作成したメールアドレスは、一度決めると後から変更はできません。そのため、覚えにくかったり、取引先や顧客から見てわかりにくかったりするメールアドレスを設定すると、再びGmailアドレスを作成することにもなりかねません。
このような事態を回避するには、長期的にGmailを運用することを見据えて、事前に適切なメールアドレスを決めておくことが重要です。誰がみてもわかりやすいようにするには、企業名や部署名、担当者名などを含めると良いでしょう。ただし、すでに利用中のメールアドレスは設定できないため、数字付きや記号付きといった複数の案を検討するのがおすすめです。
セキュリティ対策を設定する
Gmailでは、顧客・従業員の個人情報や社内の機密情報を扱う機会が多く、常にセキュリティリスクが付きまといます。万が一情報が漏えいすると、企業イメージの失墜や損害賠償といった大きなトラブルに発展する恐れがあります。そのため、Gmailのセキュリティ対策は非常に重要です。
現状のGmailアカウントが安全かどうかは、セキュリティ診断によって明らかにできます。不足している箇所があれば、案内に沿って二段階認証や再設定用メールアドレスの登録、セーフブラウジングなどの対策を行いましょう。設定したセキュリティはGmailだけでなく、GoogleドライブやGoogleフォトなどGoogleアカウント全体に反映されます。
Googleアカウントのセキュリティ強化策や対策時のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
無料で保存できる容量は15GBまで
無料版のGmailは、1ユーザーあたりのストレージ容量が15GBに制限されています。これはGmailだけでなく、GoogleドライブやGoogleフォトなど、Googleアカウント全体で保管しているデータの総量で計算されます。そのため、普段からGoogleサービスをよく利用している場合は、容量不足の問題に注意が必要です。
ストレージの空きスペースが少なくなってきた場合は、不要なメールやファイル、画像などを削除すると良いでしょう。また、先ほど紹介した方法を使って、複数のGoogleアカウントを作成するのも一案です。15GBの上限はGoogleアカウント単位なので、複数のアカウントを作れば総容量が増えます。
ただし、定期的なデータの削除や複数アカウントの運用は、工数の増加や管理作業の煩雑化を招きがちです。ストレージ容量の問題を根本的に解決するには、GmailやGoogleドライブなどの有料版を利用できるGoogle Workspaceに登録し、容量を拡張することをおすすめします。有料版のGmailを利用するメリットは以下の記事を参考にしてください。
13歳未満の場合は作成不可
Gmailに限らず、Googleアカウントを作成するには年齢が13歳以上でなければなりません。13歳に満たない場合、ファミリーリンクの機能を用いて保護者がGoogleアカウントを作成する必要があります。
ファミリーリンクとは、子どもが利用するGoogleアカウントや端末を保護者側で管理できる機能です。Googleアカウントの保護やアプリケーションのブロック、端末の利用時間や位置情報の確認など、保護者の方が安心できる機能が備わっています。
Google Workspaceを導入してGmailの活用の幅を広げよう
Gmailは無料でメールアドレスを作成できますが、Google Workspaceを導入して有料版にアップグレードするのも一つの方法です。Google Workspaceとは、GmaiやGoogleドライブ、Google Meet、Googleカレンダーなど、さまざまなコミュニケーションサービスが統合されたグループウェアです。無料版のGoogleサービスを有料版にアップグレードできるほか、標準機能やセキュリティ機能の強化、サポート内容の拡張といった恩恵を受けられます。
例えば、Gmailを有料版にアップグレードすることで、無料版では1ユーザーあたり15GBだったストレージ容量を、30GB~5TBまで拡張できます。また、無料版ではメールアドレスのドメインが「@gmail.com」に固定されますが、有料版なら独自ドメインの作成も可能です。
そのほか、管理者側でGoogle Workspaceのデータを保持できる「Google Vault」や、データ共有時のルールを設定できる「DLP(データ損失防止)」など、充実したセキュリティ機能を使えるのもポイントです。多機能かつ安全にGmailを運用したい方は、Google Workspaceの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
無料サービスの利点を活かしてGmailをビジネスに採り入れよう
Gmailの無料でメールアドレスを作成できる特徴を活かすことで、手軽にメーラーを導入できます。無料で利用できる期間に制限はないので、気兼ねなくGmailの機能性や操作性を検証すると良いでしょう。
ただし、無料版では独自ドメインのメールアドレスを作成できず、ストレージ容量も制限されてしまう点には注意が必要です。大規模な組織でGmailを活用したり、より安全に運用したりする場合には、有料版のGmailが使えるGoogle Workspaceの導入を検討してみてください。
電算システムでは、環境構築やコンサルティングなど、Googleサービスの導入支援サービスを提供しています。Gmailはもちろん、Google Workspaceのサポートにも対応しています。専門領域に精通した数多くのエンジニアが在籍しているので、スピーディかつ質の高いサポートを行えるのが強みです。「Googleサービスを活用したいが具体的なイメージが湧かない」といったお悩みを抱える方は、ぜひ電算システムへと気軽にお問い合わせください。
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