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【初心者向け】オンプレミスとは?クラウド
との違いやメリット・デメリットを解説

 2024.12.02  株式会社電算システム

サーバーやネットワーク、ソフトウェアなどの情報システムを導入する際は、オンプレミスまたはクラウドの形態を選択できます。オンプレミスとクラウドはどちらか一方が優れているわけでなく、それぞれメリットとデメリットがあるため、両者の違いを理解して最適な導入形態を選択することが重要です。

なかでもオンプレミスは、システムの仕様を柔軟にカスタマイズできるほか、要件に合わせて充実したセキュリティ対策を反映できます。そのため、機能性やセキュリティに関する要件が厳しいケースに向いています。

本記事では、オンプレミスの概要やメリット・デメリットを解説します。複数の比較ポイントに分けてクラウドとの違いも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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オンプレミスとは情報システムを自社で設置・管理する運用形態

オンプレミス(on-premises)とは、ハードウェアやソフトウェアをはじめとする情報システムを、自社で設置して管理する運用形態です。「on」には「中・内部」、「premises」には「店舗・施設」という意味があります。そのため、オンプレミスの環境下では、社内やデータセンター内といった特定の「施設内」で情報システムを管理するのが特徴です。

例えば、自社でサーバーやネットワーク機器を導入し、システムのアップデートやメンテナンスを自社の従業員でまかなう方法はオンプレミスにあたります。また、そのサーバーにソフトウェアをインストールするのも、オンプレミスの運用方法の一種です。

導入・運用時の責任をすべて自社で担う必要がある一方で、システムの仕様やセキュリティレベルを柔軟にカスタマイズしやすいメリットがあります。そのため、システム構築に複雑な要件が求められる場合は、オンプレミスの運用環境が向いています。

クラウドとの違い

クラウド(cloud)とは、ハードウェアやソフトウェアなどの情報システムを、インターネット上で利用する運用形態です。サービス事業者が提供する情報システムを利用することで、自社でハードウェアやソフトウェアを導入・管理せずに済みます。

例えば、近年普及している「クラウドサービス」は、本来であれば自社のサーバーにインストールしなければならないソフトウェアを、インターネット上で利用できるサービスです。Webブラウザの管理画面からIDやパスワードを使ってログインするだけで、すぐにサービスページへとアクセスできます。ほかにも、サーバーや仮想ネットワークなどをインターネット上で利用できる、「クラウドコンピューティング」と呼ばれるサービスもあります。

クラウドのメリットは、手間をかけずに情報システムを導入・運用できる点です。技術的にオンプレミスの運用環境を構築するのが難しいなら、クラウド環境の構築を検討するのが向いているでしょう。

オンプレミスの利用状況

ここまでに紹介した通り、オンプレミスとクラウドは対照的な存在です。そのため、クラウドの利用状況を見るとオンプレミスの利用状況もおのずと明らかになります。

総務省が発表している「通信利用動向調査(2023年)」によると、2023年における企業のクラウド(サービス)の利用状況は77.7%で、2021年から7ポイント近く上昇しています。そのうち、主な用途はファイル保管やデータ共有、電子メール、スケジュール共有などです。

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出典:令和5年通信利用動向調査の結果|総務省

さまざまなクラウドサービスが世の中に普及する現代の環境下では、完全にオンプレミスのみで情報システムを運用する企業は少数派だといえます。オンプレミスとクラウドは、両者それぞれにメリットとデメリットがあるため、用途に合わせて適切な手段を併用して活用するのが一般的です。

オンプレミスの3つのメリット

オンプレミスのメリットは次の通りです。

  • 情報システムの運用環境を柔軟に設計できる
  • セキュリティレベルの向上につながる
  • トラブルが発生した際の原因を特定しやすい

オンプレミスとクラウドを使い分けるには、それぞれのメリットとデメリットを正確に理解することが重要です。まずはオンプレミスのメリットについて解説します。

情報システムの運用環境を柔軟に設計できる

オンプレミス環境では、自社で一から情報システムを構築するだけあり、要件に則ってシステムの仕様を設計します。そのため、システムの自由度に優れるのがメリットです。サーバーやネットワーク、OS、ミドルウェアなど、さまざまな選択肢から最も相性の良い環境を自由にカスタマイズできます。

このようなメリットを活かすことでシステムの可用性を極限まで高められます。基幹システムや販売管理システムといった高い可用性が求められる場合、オンプレミスで独自の運用環境を構築するのが良いでしょう。

セキュリティレベルの向上につながる

オンプレミス環境でカスタマイズ可能なのは、システムの機能性や操作性のみではありません。システムのセキュリティに関しても、要件に沿って柔軟にカスタマイズが可能です。

そのため、情報システムで機密情報を扱うようなケースでは、オンプレミスが向いています。オンプレミス環境でシステムのセキュリティレベルを高めることで、情報漏えいや信用失墜のリスク軽減につながります。

トラブルが発生した際の原因を特定しやすい

オンプレミス環境では、導入したハードウェアやソフトウェアを自社で管理するのが一般的です。運用中に発生するOSのアップデートや機器のメンテナンスなどの作業を、自社でまかなうのが基本となります。

他社が情報システムを運用する場合に比べ、保守管理の手間がかかるのが難点ではあるものの、すべての情報を自社で一元管理できます。仮にシステム内でトラブルが発生した場合でも、情報がブラックボックス化しにくく、問題の原因を特定しやすいのがメリットです。そのため、再発防止に向けた対策を立てやすくなります。

オンプレミスの3つのデメリット

オンプレミスのデメリットは次の通りです。

  • 導入時に高額な費用がかかる
  • システムを構築するまでに手間や時間がかかる
  • スケールアップやスケールダウンの柔軟性に欠ける

各デメリットの要点を解説します。

導入時に高額な費用がかかる

オンプレミスの情報システムは、要件に沿って仕様を細かくカスタマイズすることから、設計費や開発費が高額になりがちです。特に大規模なサーバーやネットワークを構築する場合、数百万~数千万円の導入費がかかるケースも珍しくありません。そのため、十分な予算を確保しにくい中小企業にとって、オンプレミスは導入ハードルが高いといえるでしょう。

システムを構築するまでに手間や時間がかかる

オンプレミスの情報システムを構築する場合、要件定義から仕様設計、開発・テストまで、長い期間を要するのが一般的です。そのため、システムが稼働するまでにある程度の手間と時間を見込む必要があります。

また、手間や時間だけでなく、システム開発に関するノウハウが求められる点にも注意が必要です。仮にシステム開発会社に作業を委託する場合でも、要件を整理したり、設計図を理解したりするための知識や技術が欠かせません。

スケールアップやスケールダウンの柔軟性に欠ける

オンプレミス環境では、物理的なサーバーやネットワーク機器を扱うことから、リソースを柔軟に増減しにくいデメリットがあります。仮に現状の運用環境をスケールアップする場合、サーバーや機器を増設しなければならず、そのための手間や費用が発生します。特にハードウェアは長い期間運用するケースが多いため、長期的な運用計画をもとに仕様を決定することが重要です。

オンプレミスとクラウドの違いがわかる5つの比較ポイント

オンプレミスはクラウドと比較すると、その特徴がより鮮明に浮かびあがります。ここでは、複数の比較ポイントをもとにオンプレミスとクラウドの違いを解説します。

初期費用

オンプレミスの初期費用は、主にシステムの設計費や開発費、ライセンス購入費が該当します。要件に合わせて一からシステムを開発するか、仕様をカスタマイズする必要があるため、基本的に初期費用は高額です。

一方、クラウドの場合は、サービスとしての既存の仕様が決まっており、要件に合わせて細かくカスタマイズするのは困難です。その代わり、自社で一からシステムを設計する必要がないため、初期費用を安く抑えられます。そのため、初期費用無料で利用できるクラウドサービスも少なくありません。

運用コスト

オンプレミスの運用コストは、主にシステムの保守管理費とライセンスの更新料が該当します。このなかにはシステムを安定して稼働させるための手間賃や人件費、サーバーの電気代などが含まれます。

クラウドの場合はシステムの保守管理をサービス提供事業者に一任できるため、基本的に保守管理費は発生しません。その代わり、1ヶ月や1年といった単位ごとにサービス利用料が発生するのが一般的です。そのため、利用期間が長くなるほど運用コストが高額になります。

初期費用のみであればクラウドのほうが安く済ませられますが、初期費用と運用コストのトータルコストで見ると、運用期間次第でクラウドがオンプレミスを上回る可能性も考えられます。

カスタマイズ性

オンプレミスとクラウドを比較した場合、カスタマイズ性はオンプレミスが勝ります。オンプレミスでは一からシステムを設計するため、要件通りに仕様を調整しやすいためです。

クラウドの場合は既定の仕様が存在するため、細かいカスタマイズは難しい傾向にあります。なかにはカスタマイズ性に優れたクラウドサービスもありますが、オプションに加入しなければならないケースが多いため、追加費用が発生する点には注意が必要です。

このような点から、細かく厳格な要件をシステムに反映させるならオンプレミスが向いているでしょう。また、市販のクラウドサービスの仕様が自社に合わない場合、オンプレミス環境でのシステム開発を検討する必要があります。

セキュリティ

オンプレミスのハードウェアやソフトウェアには、自社のセキュリティポリシーに則った機能を反映できます。つまり、最大限にセキュリティレベルを高めたうえでのシステム運用が可能です。

それに対してクラウドでは、サービス提供事業者が運用するサーバー上でサービスを利用するため、どのようなセキュリティ対策を講じるかはサービス提供事業者の施策に左右されます。そのため、安全性の低いクラウドサービスを利用すると、情報漏えいのトラブルに発展しかねません。また、クラウドサービスは常にインターネットと接続している状態で利用するため、サイバー攻撃のリスクについても意識することが重要です。

システムの柔軟性

システムの柔軟性が高ければ、スケールアップやスケールダウンにもスムーズに対応できます。物理的なシステム拡張が必要なオンプレミスに対し、クラウドでは簡易的な手続きのみでスケール調整を行えるため、システムの柔軟性が高いといえるでしょう。

例えば、ストレージ容量を拡張する場合、オンプレミス環境ではサーバーを増設する必要がありますが、クラウドなら契約プランを変更するだけで済みます。サーバーを増設するための工事や出費、スペースの確保が不要になるのはクラウドの大きなメリットです。

オンプレミスからクラウドに移行するメリットとタイミング

オンプレミスとクラウドは、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、用途に合わせて使い分けることが重要です。とはいえ、現代の働き方を視野に入れると、クラウドを採用することで得られるメリットは、オンプレミスを使い続けるメリットよりも大きいと考えられます。

オンプレミスからクラウドに移行した場合、次のようなメリットが生まれます。

  • 情報システムの導入や保守管理にかかる労力を抑えられる
  • 業績や繁閑の変動に合わせて柔軟にシステムのスケールを変更できる
  • テレワークをはじめとする柔軟な働き方に対応しやすい

クラウド移行を検討するタイミングとしては、サーバーのリプレイスや新規システムの導入時、データセンターからの移転・撤去時などがあげられます。また、サーバーやネットワークといったシステムの基盤をオンプレミスに依存せず、初めからすべての運用環境をクラウドで構築するのも一つの方法です。

オンプレミスのメリットとデメリットを理解して最適な運用環境を構築しよう

情報システムの運用環境は、大きくオンプレミスとクラウドの2種類に分かれます。そのうち、オンプレミスには、カスタマイズ性が高い、セキュリティレベルの向上につながるといったメリットがあります。そのため、情報システムに対する要件が厳しく、細かい仕様調整が必要なケースでは、オンプレミスで運用環境を構築するのがおすすめです。

ただし、物理的な機器を導入しなければならない以上、柔軟性に欠ける傾向があります。昨今注目を集めている働き方改革やDXなどに対応するには、オンプレミスとともにクラウドに着目することも重要です。

オンプレミスからクラウドへと移行するメリット・注意点については、こちらの資料で詳しく解説しています。これから導入する情報システムをオンプレミスで構築すべきか、それともクラウドを活用すべきかで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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