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1人1台時代の授業をどうつくるか?
〜「令和の日本型学校教育」に照らして〜

 2021.04.26  ラクまるブログ編集部

GIGAスクール構想によって学校での1人1台の端末整備が進んでいます。今後はこうした環境を生かした授業のあり方を検討していく必要があります。これまでICTを活用した授業を考えた場合には、先生がわかりやすい授業を展開したり、教えやすいようにするためのICT活用が語られることが多かったように思います。

しかし、端末を活用する主体が生徒に移行する時代では、ICTの活用を生徒の手に委ねるような使い方こそ検討する必要があるでしょう。今回は、1人1台時代の授業づくりについて、考えてみたいと思います。

授業のあり方を見つめ直す

授業とは、学校などで学問や技術を教え授けることです。これまでの授業は長く生きてたくさんの経験と知識のある大人が、生徒たちにそれを伝えるということに重きが置かれていました。高度成長の時代には、こうした均一化を図った大量生産型の教育が効率化の点で優れていましたが、今の時代もそれが通用するわけではありません。

情報化やグローバル化といった社会の在り方が劇的に変わる現代では、従来のような手法を前提とした生き方では、適応するのが難しくなりました。新型コロナウイルスの感染拡大などのように、先行き不透明な事柄にも迅速に対応しなければなりません。

これからの教育に必要なのは、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる人材育成です。そして、それを実現するための授業とは何かということを考え、授業観をアップグレードする必要があるのです。

「令和の日本型学校教育」とICTの役割

文部科学省は3月30日、先に中央教育審議会が示した答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」の解説資料を公表しました。

「令和の日本型学校教育」とは、学校が生徒の状況を総合的に把握して教師が学習や生徒指導を行うことで知・徳・体を一体で育んできた「日本型学校教育」の良さを重視・継承しつつ、生徒の学習意欲の低下や教師の長時間勤務、情報化への対応の遅れといった課題に対応するために、新学習指導要領の確実な実施とICTの利活用を軸に改革を推し進めるというものです。

目指す具体的な姿としては、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」が打ち出されています。

個別最適な学びとは、これまで以上に子供の成長やつまずき、悩みなどの理解に努め、個々の興味・関心・意欲等を踏まえてきめ細かく指導・支援することや、子供が自らの学習の状況を把握し、主体的に学習を調整するよう促していくことです。ICTの活用により、学習履歴(スタディ・ログ)や生徒指導上のデータを利活用することなどが視野に入っています。

協働的な学びとは、探究的な学習や体験活動を通じて、子供同士や他者と協働しながら学びを充実させることです。その際、同一学年・学級はもとより、異学年間の学びや、ICTの活用による空間的・時間的制約を超えた他の学校の子供との学び合いも大切にすべきだと指摘されています。

GIGAスクール構想の土台を生かした授業像

では、ICTを活用した授業の姿がどういったものになるか、もう少し掘り下げていきたいと思います。

個別最適な学びにおける学習データの利活用は、ICTが得意とする分野です。例えば、教師は生徒の学習理解度や成績情報、自己評価アンケート等を集約し、一元的に可視化することで、支援が必要だと思われる生徒を把握し、つまずいた内容やその程度に合わせた個別指導をできるようになります。授業の前後にこうしたデータ活用の時間を確保すれば、エビデンスを元に授業を進められます。教えると確かめるを高速で展開しようとすれば、自ずと授業の組み立て方もこれまでと違ったものになるでしょう。


生徒側でも、テストやドリルの結果を整理して可視化することで、生徒自身が学習成果を客観的に把握し、自己評価を通じて自律的な学習に生かせるようになります。生徒自身は算数全般に苦手意識があったけれど、テストの結果からは図形の問題だけが得点が取れていないと分析できたので、図形を重点的に学習する計画を立てて実行することで、苦手を克服するといった取り組みができるようになります。

協働的な学びにおけるICT活用の場面としては、子供同士による学び合いが最もイメージがしやすいでしょう。

小学校算数の2桁のかけ算を例に詳しく紹介します。この授業では、1箱50円のお菓子が12個あり、その合計金額をかけ算を使って式に表し、考えることが目標です。これまでに10までのかけ算を習っていますので、それを上手に使えるかという点もポイントです。

授業の冒頭、教師がクラウド上のホワイトボードで作成した課題(下図参照)を、生徒一人ひとりの端末にも共有します。生徒は各自の端末でその課題を開き、自分の考えをワークシート上に書き込みます。次に、その考えを友達と発表し合います。50円✕3✕4や50円✕4✕3で合計を求めた子もいれば、50円✕10+50円+50円と考えた子もいます。また、50円✕12とした子もいます。お互いに発表し合うことで、自分の考えが強化されたり、違った視点の考えをヒントに新しい考えが生まれたりします。

教師は生徒の話し合いが活性化したり、クラス全体に紹介したい考えをすぐに共有を図ったりすることで、学びを支援します。ICTを活用することで、こうした学び合いがよりスムーズに実現できるだけでなく、教師が課題を印刷して配付する手間の省力化にもつなげられます。

1箱50円のお菓子の合計金額を求める式を考える

また、ドキュメントのコメント機能を活用し、生徒同士のディスカッションを活性化する方法もあります。最初に、自分の旅行計画をドキュメントソフトで作成し、グループで共有します。次に、コメント機能を活用して、良い点や改善案を入力します。これにより、たくさんの意見を短時間で集めることができます。従来は、自分の考えを口頭で発表した後、友達から順番にコメントを述べてもらうので、ディスカッションの時間を十分に確保できないことがありました。ICTを活用することで、より効率的で深まりのある議論が期待できます。

プレゼンテーションソフトを友達と共有し、学習したことを二人で協力しながらまとめる取り組みも協働学習の有効な手法です。ペアで共同編集しながら、どのように表現すればよいかを考えたり話し合いってまとめる力は、きっと社会に出てから、新たな時代を切り拓いていくための力となるでしょう。

より教科の本質に迫る手法もあります。理科の実験の際に、動画を撮影し振り返りや分析に用いれば、より深い考察やきめ細やかな分析が可能になるでしょう。社会科の調べ学習で各自が調べたことを重ね合わせて一つのデータを作成し、深く分析すると、これまでにない視点の発見があるでしょう。

もちろん、協働的な学びはクラスの生徒同士に限られたものではなく、他校の生徒や地域社会の人との組み合わせでも実現できます。離れた場所の人とすぐにつながることのできるICTの良さを生かせば、その可能性は無限に広がります。

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まとめ

このように、1人1台の端末をフルに活用した授業を行うようになれば、生徒たちは自らの力で主体的に学び、多くの発見をし、仲間と協力をしながら解決していく力を身につけていくでしょう。時には教師の想像を遥かに超える発想とアイデアで、それらを実現していくに違いありません。

授業の主役は生徒に。そして、それを支える基盤に1人1台のICTの活用がある―
こうした姿こそ、新しい時代の授業像かもしれません。そして、そのときの教師の役割は、生徒たちの学びを支え、学び続けられるように支援することにシフトしているかもしれません。

電算システムでは、先生方の業務負担を軽減し、生徒が主役になれる教育DXソリューションである Google for Education で学校現場の支援を行っています。ぜひお気軽に問い合わせください。


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