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AIと機械学習の違いとは?
ビジネスで活用するための7つの事例を解説

 2023.11.16  株式会社電算システム

ビッグデータの台頭やデータベース技術の進歩により、昨今では数多くのビジネスシーンでAI技術が活用されています。そのため、自社でもAIの利点を最大限に活かし、業務効率化や生産性向上につなげたいと考えている方も多いでしょう。

ただし、AIの領域には専門的で難解な用語が多数存在します。特にAIや機械学習、ディープラーニングは、最低限覚えておくべき用語です。

AIと機械学習の違いとは?ビジネスで活用するための7つの事例を解説

本記事では、AIと機械学習の違いやディープラーニングとの関係性について、詳しく解説します。具体的な活用例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

AIと機械学習の違い

AI(人工知能)とは、人間の知能を人工的に再現するための技術を指します。人間のように言葉を認識したり、絵を描いたりと、機械が知的活動を行えるようにするのが主な目的です。

機械学習は、膨大なデータを取り込んで解析し、反復学習によって特定の事象の法則や傾向を捉える手法です。一度でも法則性を特定すると、後は自動的に指定された行動を実行できます。

一概にAIといっても、その領域は広く、さまざまな要素で構成されています。その構成要素は機械学習やディープラーニング、ルールベース、ニューラルネットワークなどが代表的です。つまり、機械学習はAIという概念を構築するための一つの要素だといえるでしょう。

AI・機械学習・ディープラーニングの3つの特徴

AIの構成要素のなかでも、特に重要なのが機械学習とディープラーニングの2つです。それぞれの仕組みを理解することで、AI技術に対する理解が深まり、ビジネスシーンで正しく活用できます。

ここでは、AI・機械学習・ディープラーニングの特徴を解説します。

AI:人間のような知的活動を機械で実現するための技術

AIとは、1950年代から研究が進められてきたコンピュータサイエンスの一種です。アルゴリズムやデータを組み合わせることで、人間が行っているような認知・推論といった行動を人工的に再現するのが目的です。

AIは「特化型人工知能」と「汎用人工知能」の2種類に分類されます。

特化型人工知能とは、一つの作業に特化したAIのことで、代表的な例としては画像認識や音声認識、自動運転技術などが挙げられます。汎用人工知能は、与えられた情報をもとに自らを思考し、複数の行動を同時に実行できるのが特徴です。2023年現在の技術では、汎用人工知能と呼べるようなAI技術は実現できていません。

機械学習:膨大な入力データをもとに法則を発見する手法

機械学習とは、コンピュータが膨大なデータを学習し、アルゴリズムにもとづいて情報を分析する手法です。データの識別と予測を目的として、取り込んだデータからルールやパターンを発見します。膨大なデータを取り込み機械学習モデルを構築することで、入力データに対して学習結果に紐付く出力データを返す仕組みです。

機械学習は主に3つの種別と、10種類のアルゴリズムに分けられます。

機械学習の種別

・教師あり学習
・教師なし学習
・強化学習

機械学習のアルゴリズム

・k近傍法
・決定木
・ランダムフォレスト
・サポートベクターマシン(SVM)
・ロジスティック回帰

・ナイーブベイズ
・線形回帰
・k平均法(k-means)
・主成分分析
・GAN(敵対的生成ネットワーク)

詳細は以下の記事で解説しています。

ディープラーニング:非構造化データを含んだ情報を高精度で処理する手法

ディープラーニングは機械学習における学習方法の一つです。AIという広い領域に機械学習が存在し、さらにその機械学習のなかにディープラーニングという手法が含まれています。

ディープラーニングがほかの機械学習手法と異なるのは、「ニューラルネットワーク」と呼ばれる技術を用いて学習を行うためです。ニューラルネットワークとは、人間の学習メカニズムを人工的に再現する技術です。

従来の機械学習手法では、複数のデータが持つ特徴や着目すべき情報を、人間が整理してコンピューターにインプットする必要がありました。ディープラーニングでは、データの処理過程で機械が情報の扱い方を自動で判別できるため、画像や音声などの人間が整理しづらい情報を処理できます。

AIや機械学習の活用例7選

AIや機械学習の技術は、ビジネスシーンのさまざまな領域で活用が進んでいます。その具体的な活用シーンを理解することで、自社のビジネスにもスムーズに取り入れられるでしょう。

ここでは、AIや機械学習の活用例を紹介します。

需要予測

過去のトレンドや市場動向などを分析し、将来的な需要を予測する方法です。

本来、人の経験や勘だけに頼らず、データドリブンな需要予測を行うには、膨大な量のデータを取得・分析する必要がありました。その点、AIを活用すれば、より効率的にデータを処理できるため、情報量が多くて手間や時間がかかる予測作業の難点が解消されます。

消費者の需要を予測できれば、業種によって次のような恩恵が生まれます。

  • 小売業や製造業では、より的確な受注量の予測や仕入・生産量のコントロールが可能
  • 飲食業では正確な来店予測につながり、従業員のシフト調整や人件費の削減に寄与

マーケティング

マーケティング領域では、主にデータ分析でAIが活用されています。顧客の属性や購買履歴、アンケート結果などを機械が自動的に集計するようなイメージです。データの統合や加工はAIの得意分野なので、データ分析との相性は良好です。

膨大なデータを効率良く処理できるため、ビッグデータ解析を行う際にも活用が進んでいます。また、画像認識と店内カメラを組み合わせることで、実店舗における人流分析を行えるのも特徴です。

そのほか、AIはWeb広告における業務効率化にも効果を発揮します。

AIを活用すれば、広告の出稿履歴をもとに、成果が高いであろうクリエイティブ案を大量に自動生成できます。入札が必要な検索連動型広告やディスプレイ広告では、予算や希望条件に応じた入札額の自動調節が可能です。広告運用時は簡易的なルールを設定するだけで済むため、大幅な業務効率化に寄与します。

パーソナライゼーション

パーソナライゼーションとは、顧客ニーズや行動傾向をAIに学習させ、顧客一人ひとりに合わせた提案を行う手法です。主に次の3種類のデータを機械に学習させ、顧客の嗜好やニーズを捉えます。

  • デモグラフィック情報:年齢や性別などの属性
  • コンテキスト情報:住んでいる地域や利用しているデバイスの種類など
  • ビヘイビア情報:行動履歴

以下は、AIを活用したパーソナライゼーションの施策の一例です。

  • 顧客の誕生日に送るクーポン付きのバースデーメール
  • カゴ落ちした見込み客に対するリマインド
  • 購入履歴にもとづいたECサイトでのおすすめ商品提案(レコメンデーション)
  • ユーザーを初回訪問者や会員などのセグメントに分類し、それぞれ異なるWebサイトトップページを表示

不正検知

AIによって通信データを常時監視することで、不正取引を未然に防止できます。あらかじめ不正パターンを機械に学習させておくと、同様のトラブルが生じた際に自動で不正を検出する仕組みです。

以下のように、不正検知は幅広いシーンで活用されています。

  • 顧客がクレジットカード決済を行う際、カードの利用履歴を収集・分析することで不正な通信やアクセスを検知
  • 賃貸借契約やローン契約など、審査を伴う手続きで不正入力を検知
  • 小売店にセルフレジを導入する場合、盗難や詐欺の有無を不正検知システムで検出

異常検知

正常データの特徴を機械に学習させて、正常値以外を外れ値として検出することで、異常を検知する方法です。

統計モデルにもとづくホテリング理論を活用するのが一般的です。ホテリング理論では、あらかじめ正規の分布情報を入力し、観測値という基準をもとに各データの異常度を算出します。

異常検知の仕組みは、主に製造業や物流業で導入が進んでいます。

例えば、作業現場への入場・退場時の所持品をコンピュータで読み取り、置き忘れや余分な持ち出しのチェック作業を自動化する方法が代表的です。製造時に良品と不良品を見極める際でも、異常検知の仕組みを活用できます。

問い合わせ対応

AIによる音声認識やテキスト解析の技術を活用することで、問い合わせ業務を効率化し、コールセンターやヘルプデスクの生産性向上・人件費削減につながります。

なかでも最近は、音声認識の技術を採用した音声自動応答システムが主流です。音声自動応答システムを利用すれば、発信者の問い合わせ内容を機械が自動で読み取ります。

例えば、機械が「お名前をフルネームでお答えください」という発信を行った後に、相手が氏名を答えると、その内容が自動的にシステムへと記録されます。問い合わせ内容を自動的にテキスト化できる製品もあるため、問い合わせ対応だけでなく、データ入力の手間も削減できるでしょう。

テキスト解析を活用した問い合わせ対応は、チャットボットが代表的です。メッセージ形式で送信される問い合わせ内容を機械が読み取り、事前に設定したシナリオに沿って回答や案内を行います。

チャットボットをうまく活用すると、電話やメールによる問い合わせ件数の削減につながります。

人事業務の最適化

AIや機械学習の技術は、求職者とのマッチングや退職リスクの予測に役立ちます。

具体的な施策としては、機械学習によって過去の選考データを読み取り、求職者と自社との相性を自動で割り出します。企業は自社と相性の良い求職者を選定できるため、採用後のミスマッチを未然に回避できるのがメリットです。また、選考時の通過確率を予測できるため、エントリーシートの確認や審査にかかる工数を最小限に抑えられます。

人材を採用した後は、勤怠・給与データや異動歴などの情報を蓄積し、AIによってデータ分析を行うのも方法の一つです。過去の退職者の傾向をもとに、従業員ごとの将来的な退職リスクを予測できるのが特徴です。事前にリスクを想定して福利厚生拡充などの対処策を考えたり、人材採用の枠を増やしたりと、早めに手を打てるメリットがあります。

AIや機械学習を活用するなら Google Cloud がおすすめ

AIや機械学習の仕組みをビジネスに取り入れる場合は、「 Google Cloud 」の活用がおすすめです。Google Cloud には、AIや機械学習にかかわる幅広いサービスが用意されています。

対象分野は機械学習・機械学習基盤(MLOps)、生成AI、各種APIなどが代表的です。
機械学習の活用事例5選

機械学習の活用事例5選を紹介します。機械学習はどのようなことに活用されているのか詳しく見ていきましょう。

分類

サービス

概要

機械学習・機械学習基盤

Vertex AI

100種類以上の機械学習基盤を利用可能

AutoML

独自の機械学習モデルを構築できる

生成 AI

Vertex AI(生成AI)

生成AI構築に必要なプロンプトのカスタマイズやテストを実施できる

ドキュメント要約

PDFから抽出したテキストを要約し、BigQueryのデータベースに保存

API

Natural Language AI

非構造化テキストから分析データを抽出

Speech-to-Text

音声データをテキストに変換

Vision AI

画像に含まれているテキストを読み取れるほか、異物の検知が可能

AIアシスタント

Dialogflow

対話型AIプラットフォームを構築できる

Duet AI

プログラミングコードの整合性チェックや、Google Cloud に関するベストプラクティスの提案

Google Cloud は従量課金制なので、必要なサービスのみを選別し、独自の環境を構築できるのが特徴です。2023年10月時点で300ドル分の無料クレジットが用意されているため、活用してみてください。

電算システムでは、環境構築や運用コンサルティングなど、Google Cloud に関する支援サービスを提供しています。特に、ワークショップやデータ分析基盤構築などが含まれるデータプラットフォームサービスは、AI・機械学習を活用してデータ分析を最適化したい方におすすめです。

目的に合わせてAIや機械学習を導入しよう

AIという広い概念のなかには、機械学習やディープラーニングといった複数の要素が含まれています。自社にAIを導入する際は、各構成要素の意味や仕組みをしっかりと理解しておくことが大切です。

電算システムでは、Google ソリューションの運用支援や、データ分析のサポートなどを行っています。特に、データ分析の領域ではAIや機械学習に対する理解が欠かせないため、少しでも不安や不明な点があればご相談ください。

機械学習については、以下の資料で詳細を解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひ参考にしてください。

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