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【完全版】オンプレミスとは?
特徴やメリット、クラウドとの違いを徹底解説

 2025.12.03  株式会社電算システム

社内のITインフラを構築する際、オンプレミスやクラウドといった用語を目にする機会も多いでしょう。オンプレミスとクラウドは、ハードウェアやソフトウェア、アプリケーションなどを導入する際の形態の一つで、それぞれメリットとデメリットに分かれています。

オンプレミスの場合、一からシステムを開発するケースも多く、自社の要件を柔軟に反映できるのがメリットです。そのため、厳格な要件を定義したり、システムの安全性を高めたりする場合には、オンプレミスの形態が向いています。

本記事では、オンプレミスの特徴やメリット・デメリット、クラウドとの違いを詳しく解説します。オンプレミスとクラウドのどちらを導入すべきか、判断基準や例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

オンプレミスとは自社でハードウェアやシステムを構築・運用する形態

オンプレミス(on-premises)とは、サーバーやネットワーク機器といったハードウェアを自社で構築し、社内で運用する形態です。また、ハードウェアだけでなく、業務システムやソフトウェア、アプリケーションなどを社内で開発したり、自社のサーバー上に構築したりする場合もオンプレミスという言葉が用いられます。

最近では、自社でハードウェアを構築せずにサービスを利用できるクラウドの形態が主流になりつつあり、それと対比する形でオンプレミスという言葉が使用されています。台頭著しいクラウドだが、だからといってオンプレミスが時代遅れになったわけではありません。

オンプレミスには、高いカスタマイズ性と堅牢なセキュリティを維持してシステムを構築できるメリットがあります。クラウドに不足している部分を補完できることから、オンプレミスとクラウドを組み合わせて活用するケースも珍しくありません。

オンプレミスを採用する4つのメリット

オンプレミスを採用するメリットは次の通りです。

  • カスタマイズ性が高く独自のシステムを構築しやすい
  • 相性の良い環境を自由に選定できる
  • 高度なセキュリティを追求できる
  • レガシーシステムと連携しやすい

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

カスタマイズ性が高く独自のシステムを構築しやすい

オンプレミスの環境を構築する際は、ハードウェアの選定からシステムの設計、ソフトウェア・アプリケーションの開発まで、すべての工程を自社で担います。既存の枠組みを利用せず、一から運用環境を構築するケースも多いため、設定した要件をそのままシステムに反映できるのがメリットです。

既製品では機能性が劣る、自社の要件を満たせないといった場合でも、カスタマイズ性の高いオンプレミスなら、パフォーマンスの高いシステムや負荷のかかるシステムを自由に開発できます。現場担当者の細かい要望にも柔軟に対応できるのも利点だといえるでしょう。現場担当者にとって使い勝手に優れる環境を構築すれば、ハードウェアやソフトウェアが組織に定着しやすくなり、形骸化のリスクを抑えられます。

相性の良い環境を自由に選定できる

既製品を採用する場合、導入してから「想像したよりも使いにくい」といった事態に陥るケースも珍しくありません。一方、オンプレミスであれば、社内で不足している要素や現状の課題に応じて、自社にとって最も適切な環境を構築できます。サーバーやネットワーク、ソフトウェア、アプリケーションなどを自由に選定できるほか、要件を完全に満たす環境を一から設計できるのが魅力です。

自社にとって相性の良い環境を構築することで、課題やボトルネックを解消できる可能性も高まります。短期的に見れば高額な導入コストが発生するオンプレミスですが、長期的な視点においては課題解決率が向上し、費用対効果が高まる可能性も考えられるでしょう。

高度なセキュリティを追求できる

オンプレミスで柔軟にカスタマイズできるのは、システムの仕様や機能、UIの操作性だけではありません。複雑かつ高度なセキュリティ要件でも、オンプレミスなら柔軟に適応が可能です。

既製品の場合は、ベンダーが提供する既存のセキュリティ対策や機能を利用する必要があります。そのため、ベンダーごとの安全性や信頼性を入念にチェックしなければなりません。また、自社で対策可能なセキュリティ施策が限定されたり、高度なセキュリティを維持するために追加コストがかかったりする懸念もあります。

一方のオンプレミスでは、セキュリティポリシーや要件に沿って柔軟に対策方法を決定できます。高度なセキュリティを追求することも可能なので、システム全体の安全性を高めたうえでセキュリティリスクを最小限に抑えられます。

レガシーシステムと連携しやすい

近年ではクラウドサービスを活用する機会が増えていますが、それとは対照的に基幹システムや顧客管理システム、販売管理システムをはじめ、レガシーシステムを運用しているケースも珍しくありません。レガシーシステムを刷新するには、組織の再編や予算の確保といった大がかりな作業が必要なので、なかなか移行が完了しない点に頭を悩ませている方も多いでしょう。

このようなケースでは、既存システムがオンプレミスで構成されており、古いシステムであればクラウドとの親和性が低いことが多いものです。一方で、オンプレミス同士であればスムーズな連携が可能です。システムを統合する際に発生しやすい障害も、件数を最小限に抑えられる可能性があります。

オンプレミスを採用する4つのデメリット

オンプレミスにはさまざまなメリットがある一方で次のようなデメリットも存在します。

  • 導入時のコストや負担が大きくなりやすい
  • 保守管理の責任が生じる
  • 環境を構築するまでに時間がかかる
  • 柔軟な働き方に対応しにくい

オンプレミスを採用する際の注意点にもあたるため、導入する際は事前対策が必要です。

導入時のコストや負担が大きくなりやすい

オンプレミスの環境を構築するには、サーバーやネットワークといったハードウェアから、ミドルウェアやソフトウェア、アプリケーションまで、すべての構成要素をいちから整える必要があります。また、データセンターのような大規模な環境を構築する場合、物理的な機器や設備に加え、堅牢度を高めるためのセキュリティ機器や安全装置を導入するケースもあります。

このように準備すべきものが多いことから、導入時のコストや負担がかさみがちです。大規模な環境を構築する場合であれば、数百万から数千万円程度のコストがかかることも珍しくありません。さらにはシステム開発やデータの移行・統合、情報セキュリティといった専門知識が求められるため、新たに専門人材を採用したり教育したりする手間もかかります。

保守管理の責任が生じる

オンプレミスはシステムの導入だけでなく、運用も自社でまかなうのが一般的です。クラウドとは異なり、物理的な機器や設備を運用する必要があるため、定期的なメンテナンスやシステムのアップデートが欠かせません。

仮に問題や障害が発生した場合でも、すべて自社の責任で対処する必要があります。そのため、保守管理にかかわる工数や採用コストの増加、機器や設備を設置するためのスペースの確保などが課題になることも考えられるでしょう。

ただし、このような問題はメリットになり得るケースもあります。例えば、自然災害やサイバー攻撃などで一時的にシステムがダウンした場合、クラウドではベンダー側の復旧作業を待たなければならず、回復するタイミングが見通しにくいものです。一方、オンプレミスであれば、適切なBCPや安全対策を立てることで、よりスムーズかつ迅速に復旧を図れる可能性があります。

環境を構築するまでに時間がかかる

環境を構築するまでに時間がかかるのもオンプレミスのデメリットです。オンプレミス環境の構成要素であるサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどは、すぐに用意できるものではありません。

自社で一から開発する場合でも、開発会社に委託する場合でも、要件定義や予算策定、基礎設計、テスト検証といったさまざまな工程を経る必要があります。システム全体の規模にもよりますが、長い場合は半年や1年といった期間を要する場合もあります。

そのため、オンプレミス環境を構築する際は入念に計画を練り、細かくスケジュールを管理することが大切です。また、高額な初期投資を行う必要があることから、導入後に費用対効果が悪化しないよう、幅広い観点から懸念事項をイメージして計画を立てましょう。

柔軟な働き方に対応しにくい

近年は、テレワークやフリーアドレス、フレックスタイム制など、柔軟な働き方に注目が集まっています。働き方に多様性が生まれると従業員のストレス緩和やモチベーションアップ、生産性向上など、さまざまな恩恵が生まれます。

しかし、オンプレミスを中心とした業務環境は、柔軟な働き方に対応しにくいのが難点です。例えば、社外で業務を行う場合、社内のサーバーやネットワークにアクセスするのが困難なので、VPNやリモートデスクトップといった新たな環境を構築する必要が出てきます。結果としてコストや手間が増えることも考えられるでしょう。

「テレワーク制度の導入を検討している」「外出や出張の機会が多い」など外から社内サービスへアクセスしたい機会が多い場合は、オンプレミスよりもクラウドのほうが低コストかつ省力で環境を構築できます。

【比較表】オンプレミスとクラウドの違い

オンプレミスの採用を検討する際は、対照的なクラウドとの違いをしっかりと理解することが重要です。両者には次のような違いがあります。

  オンプレミス クラウド
導入時のコストと工数 高額かつ手間がかかる 少額かつ手間を抑えやすい
運用時のコストと工数 主に保守管理のコストと工数が発生 継続的なサービス利用料が必要だが、保守管理業務を一任できる
システムのカスタマイズ性 柔軟にシステムのカスタマイズが可能 カスタマイズできる範囲が限られている
システムの拡張性・柔軟性 システム拡張に高額な費用が必要 低コストかつ省力でシステム拡張が可能
セキュリティ 柔軟に設計が可能 ベンダーの仕様に依存

クラウドの特徴も押さえておくと、オンプレミスならではのメリットとデメリットをより理解しやすくなります。

導入時のコストと工数

オンプレミスの環境を構築するには、物理的なサーバーやネットワーク機器などを取りそろえる必要があるため、導入時に高額なコストや大がかりな手間がかかります。そのため、導入時のコストや工数を抑えるなら、クラウドのほうが有利です。

基本的にクラウドサービスは、ベンダーやサービス提供事業者が運用しているインフラ下でサービスを利用できるため、自社でサーバーやネットワーク機器を用意する必要がありません。また、サービス形態もサブスクリプションモデルを採用しているケースが多く、初期費用が無料に設定されていることも珍しくありません。このような点から、クラウドは導入時のコストや工数をほとんどかけずに済みます。

運用時のコストと工数

運用時のコストは、オンプレミスだと主にハードウェアやソフトウェアの保守管理費、クラウドでは定額のサービス利用料(サブスクリプション費用)が発生します。工数に関しては、保守管理をベンダー側に一任できるクラウドに対し、自社で保守管理しなければならないオンプレミスのほうが手間がかかりがちです。

このような点から、工数を抑えられるクラウドのほうがメリットが大きいようにも思えます。ただし、クラウドは従量課金制などの月によって費用が変動するものもあり、予算の見通しを立てるのが難しいため、オンプレミスのほうが予算を策定しやすいといえます。

システムのカスタマイズ性

システムのカスタマイズ性に優れるのはオンプレミスです。オンプレミスはスクラッチ開発によって一からシステムを構築できるため、細かい要件でも柔軟にカスタマイズが可能です。

一方のクラウドでは基本的に、仕様が固定されている既存のパッケージを利用します。なかには料金プランの選択やオプションの追加によって、ある程度仕様を調整できることもありますが、オンプレミスに比べてカスタマイズできる範囲が限定されます。

システムの拡張性・柔軟性

システムの拡張性や柔軟性に優れるのはクラウドです。クラウドでは、料金プランの変更やオプションの追加によって、柔軟にアップグレードやダウングレードを実行できます。一方、オンプレミスでアップグレードやダウングレードを行うには、物理的なサーバーやネットワーク機器の仕様そのものを見直したり、工事を行ったりする必要があるため、コストや手間がかさみやすいのが難点です。

セキュリティ

クラウドの場合は、ベンダーやサービス提供事業者が運営するサーバーやネットワークを利用しなければならず、セキュリティポリシーや要件を自由に反映できるわけではありません。そのため、セキュリティレベルの低いクラウドサービスを導入すると、サイバー攻撃やマルウェア感染といったリスクが高まる恐れがあります。

その点、オンプレミスは厳格なセキュリティ要件でも、システムに柔軟に反映が可能です。費用をかければ堅牢度の高いデータセンターを構築することもできるため、セキュアな環境を構築できる可能性が高いといえるでしょう。

利用状況

総務省の「情報通信白書(2021年版)」によると、クラウドサービスを導入している企業の割合は2016年に46.9%でした。それが2020年になると68.7%にまで高まっており、さらに今後クラウドサービスを導入する予定の企業も含めると、その水準は8割近くにまで達しています。新型コロナウイルスの影響で働き方に大きな変化が訪れたこともあり、ビジネスシーンでクラウドサービスが大きく普及し始めていることがわかります。

クラウドサービスが普及するに連れ、オンプレミスからの脱却とともにクラウド化が進展することが予想されます。そのため、オンプレミスとクラウドの長短をよく理解したうえで、自社にとってどちらの環境が適切かを慎重に検討することが重要です。

オンプレミスとクラウドのどちらを選ぶべきか

レガシーシステムと親和性の高いオンプレミスを採用すべきか、それとも台頭著しいクラウドを最大限に活用すべきか、どちらを選択するか頭を悩ませてしまうケースも多いでしょう。両者には一長一短があるため、現状の課題や業務環境に合わせて適切な形態を選択することが重要です。以下で選択基準の一例を紹介しているので、参考にしてください。

オンプレミスを導入すべきケース

次のようなケースに当てはまる場合はオンプレミスが向いています。

  • システムの仕様やセキュリティポリシーなどの要件が厳しく、既製品では対応が難しい
  • 多数のレガシーシステムを運用しており、オンプレミスでないとシステム連携ができない
  • データセンターやITインフラを自社の管理下に置き、自社の責任範囲で安全対策を行いたい

オンプレミスは、システムを構築する際のカスタマイズ性に優れるため、厳格な要件でも柔軟に反映が可能です。導入コストが高額になりやすい課題をクリアできれば、自社の課題や業務環境に適応した独自システムを運用できるため、課題解決率の向上やセキュアな環境の構築につながります。

クラウドを導入すべきケース

次のようなケースに当てはまる場合はクラウドが向いています。

  • 導入時のコストや工数を最小限に抑えたい
  • ITインフラの保守管理をベンダー側に一任し、管理工数を削減したい
  • 事業拡大によって頻繁にシステムをアップグレードする可能性がある
  • テレワークやフリーアドレスといった働き方改革の推進を検討している

クラウドは何よりもITインフラを構築せずにサービスを利用できるのがメリットです。導入コストや運用時の負担を抑えつつ、柔軟な働き方にも対応しやすいなど、さまざまな恩恵を享受できます。

オンプレミスからクラウドへ移行するならGoogleドライブがおすすめ

DXやデジタル化、働き方改革の推進など、ビジネス環境が大きく変化している昨今において、すべてのシステムをオンプレミスのみでまかなうのは無理があります。オンプレミスのシステムのみで運用しようとすると、柔軟性や機動力に欠け、企業競争力が低下する恐れがあるためです。そのため、可能な範囲からクラウド化を推進することをおすすめします。

とはいえ、いきなり大規模な改革を実施しようとなると、組織内で混乱を招きかねないため、スモールスタートで段階的にクラウド化を進めると良いでしょう。手軽にクラウドの仕組みを導入できる方法としては、ファイルサーバーをクラウドストレージに移行することがあげられます。

クラウドストレージの一種であるGoogleドライブの場合、費用をかけずにオンプレミス環境のファイルをクラウド上へと移行できます。GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートのほか、ExcelやWord、PDF、画像など、あらゆるファイルをクラウド上で一元管理できるため、業務効率化や働き方改革の推進に役立ちます。

Googleドライブの特徴や機能、導入方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

オンプレミスとクラウドの長短を理解して最適な環境を構築しよう

オンプレミスを採用するか否かは、対照的な形態であるクラウドとの違いを理解したうえで検討することが大切です。カスタマイズ性の高いオンプレミスに対し、クラウドにはコスト削減や柔軟性といったメリットがあります。それぞれの形態を組織内で統一する必要はなく、オンプレミスとクラウドを組み合わせて両者のメリットを活かすのも一つの方法です。

オンプレミスからクラウドへの移行を検討しているなら、手軽に導入できるGoogleドライブを活用するのがおすすめです。Googleドライブでは、クラウド上でファイルを一元管理できるため、オンプレミス環境のように物理的なサーバーを用意する必要がありません。ファイルサーバーとしてGoogleドライブを活用するメリットや方法に関しては、こちらの資料で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。