【2025年最新】GeminiとChatGPTの違いを徹底比較！
6つのポイントから特徴を解説

ビジネスシーンで生成AIを活用したいものの、どのサービスを選んで良いかわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。生成AIモデルには数多くの種類があるため、自社にとって最適なものを見つけるには、それぞれの特徴や強みをしっかりと理解することが重要です。

数ある生成AIモデルのなかでも、Google社が提供するGeminiと、OpenAI社が提供するChatGPTは、特に人気が高いサービスだといえます。情報収集や資料作成、データ分析など、業務に合わせて両者を使い分けたり併用したりすることで、業務効率や生産性が大幅に向上するでしょう。

本記事では、GeminiとChatGPTの違いを6つの比較ポイントに分けて解説する。2025年8月時点の最新モデルであるGemini 2.5 ProとGPT-5をもとに違いを紹介しているので、最新情報を参考にしたい方はぜひ参考にしてください。

GeminiとChatGPTのそれぞれの特徴

GeminiとChatGPTを比較するには、まずそれぞれの特徴を理解することが重要です。そこで、GeminiとChatGPTの特徴を簡潔に解説します。

Geminiの特徴

Geminiは、Google社が開発した生成AIモデルです。もともとはBardという名称で提供されていましたが、2024年2月にGeminiへと刷新され、それにあわせて性能も向上しています。

Googleの検索エンジンでGeminiを使って素早く情報を収集したり、GmailやGoogleドライブ、Googleスプレッドシートなどと組み合わせて、文章の生成や要約、データ分析などを自動的に実行したりできるのが特徴です。また、テキストだけでなく画像や音声なども扱える、マルチモーダルAIという点にも強みを持ちます。

2025年8月時点における最新モデルはGemini 2.5 Proです。

Gemini 2.5 Proは、従来のマルチモーダルAIの仕組みはそのままに、性能が大幅に向上しています。長文でもスムーズに処理できる最大100万トークン規模の性能を持ち、さらにコンテンツを出力する速度も飛躍的に向上しました。高度な推論が可能な「Deep Think」や、複数のデータソースを横断的に調査できる「Deep Research」といった機能を備えているのもポイントです。

ChatGPTの特徴

ChatGPTは、OpenAI社が提供する生成AIモデルです。公式サイトにアクセスすると入力欄が表示されており、そこにプロンプト（テキストによる指示）を入力するだけで、指定したアクションを実行してくれます。情報収集や文章の要約、プログラミングコードの生成、プレゼン資料の作成など、さまざまな作業に対応しており、活用範囲の広さに強みを持ちます。

ChatGPTは、2018年に初代モデルのGPT-1がリリースされてから、何度もモデルのアップデートが行われてきました。2025年8月時点では、より高性能となったGPT-5が最新モデルとなります。

GPT-5は過去のモデルに比べ、博士号レベルに匹敵するほどの知識レベルを有します。単に知識が豊富なだけでなく、プロンプトの内容を論理的に読み解き、より創造的なコンテンツを生成できるようになったのがポイントです。数学の難問解決を競う「AIME 2025」において、94.6％のスコアを叩き出した（※）のも、その評価を裏付けています。

GPT-5のプランは標準モデルに加え、深い推論が可能なThinkingモデルや、推論機能が拡張されたProモデルなどが用意されています。

※出典：GPT-5のご紹介｜OpenAI

GeminiとChatGPTの違いがわかる比較ポイント6選

GeminiとChatGPTを見比べたとき、次のような比較ポイントが浮かびあがります。

• サービス利用料
• 扱える情報の種類
• コンテンツ生成の精度
• 処理速度
• 外部ツールとの連携範囲
• モバイル対応

それぞれのポイントについて、両者の特徴や性能を比較しながら解説します。

サービス利用料

GeminiとChatGPTのサービス利用料は次のように設定されています。

Geminiの場合、公式サイトにアクセスすると無料版のサービスを利用できます。有料版のGeminiを利用するには、Google AIのProプランかUltraプランに契約する必要があります。また、Google Workspaceに登録すると、GmailやGoogleドライブといった各種サービスとGeminiの機能を組み合わせて活用することも可能です。

ChatGPTもGeminiと同様、公式サイトから無料版のサービスを利用できます。無料版でも最新モデルであるGPT-5やGPT-5 Thinkingを利用できますが、帯域幅や混雑具合によって処理速度が遅くなったり、機能に制限があったりします。有料版になると、利用可能なモデルが拡張されるほか、動画付き音声出力やデータ分析、ワークスペースでの情報共有など、機能の幅も広がります。

扱える情報の種類

Gemini 2.5 ProとGPT-5は、どちらもマルチモーダルに対応しています。つまり、テキストや画像、音声、動画、プログラミングコードなど、多様な形式のデータを取り扱えるということです。

マルチモーダルに対応していることで、旧来の生成AIよりも活用の幅が広がり、高度なデータ処理や複雑なタスクの実行を可能にします。例えば、テキストベースのプロンプトをもとに、画像や動画を生成できるのはマルチモーダルの大きな強みです。ほかにも、映像や音声データをアップロードすることで、そのなかに含まれた音声をテキストに変換することも可能です。

コンテンツ生成の精度

コンテンツ生成の精度（プロンプトに対していかに正確にコンテンツを出力できるか）は、生成AIモデルの性能に大きく影響されます。

Gemini 2.5 Proは、最大100万トークンを処理できる性能から長文処理能力が高く、膨大なページ数に及ぶ文書でも素早くスムーズに解析を行えるのが特徴です。また、新たに実装されたDeep Thinkの機能と、Googleに蓄積された膨大な検索データを組み合わせることで、複雑で難易度が高い数学的・科学的な推論にも対応できます。検索データをもとに最新のニュースや研究論文などを出力結果に反映できるため、情報が古いといったリスクにも対応しやすいのがポイントです。

一方のGPT-5は、さまざまなベンチマークを取得しており、客観的な性能の高さを立証しています。例えば、数学への理解度を測るAIME 2025では94.6％（OpenAI o3は88.9％）、実務レベルのコーディング技術を評価するSWEBenchでは74.9％（OpenAI o3は69.1％）など、いずれも高い水準を発揮しています（※）。また、FActScore and LongFactのベンチマークでは、OpenAI o3に比べ、ハルシネーション（誤情報）が約80％削減され、より正確にコンテンツを出力できるのも特徴です（※）。

※出典：GPT-5のご紹介｜OpenAI

処理速度

文章生成や要約、データ分析などの作業を素早く実行するには、生成AIモデルに高い処理速度が求められます。

Geminiの場合、Gemini 2.5 ProとGemini 2.5 Flashによって処理速度が大きく異なります。Gemini 2.5 Proは高精度かつ複雑な分析や推論にも対応できる一方、Gemini 2.5 Flashに比べて動作が重くなりがちです。特に大容量の文書やデータを読み込む場合は、高レイテンシになりやすい傾向があります。高度かつ複雑な処理が必要ない場合は、スピード感に優れたGemini 2.5 Flashや、シリーズのなかで最もレイテンシが低いGemini 2.5 Flash Liteを利用するのがおすすめです。

ChatGPTのGPT-5には、新たにリアルタイムルーター技術が組み込まれています。これにより、プロンプトの内容を瞬時に読み取って判断し、素早くコンテンツを出力できます。スピード感の高さはベンチマークでも証明されており、GPT-5は出力までの思考時間が、OpenAI o3に比べて70～80％減少しています（※）。

※出典：GPT-5のご紹介｜OpenAI

外部ツールとの連携範囲

GeminiとChatGPTは、それぞれ連携可能な外部ツールの種類が異なります。

GeminiはGoogle社製のサービスなので、同社が提供するサービスと強い互換性を持っています。社内コミュニケーション円滑化のためにGeminiを活用するのであれば、Google Workspaceを導入し、そのなかに含まれたGmailやGoogleドライブ、Googleスプレッドシートなどと連携するのがおすすめです。また、アプリケーションやAIモデルを開発する場合は、Google Cloudに搭載されたGoogle AI StudioやVertex AI、Cloud Runなどと組み合わせるのも良いでしょう。

一方のChatGPTは、Microsoft社のサービスと親和性が高いのが特徴です。Microsoft TeamsやMicrosoft 365、Azureなどのツールとスムーズに連携できます。例えば、ExcelやWordで自動的に文章を作成したり、Microsoft TeamsのWeb会議の議事録を自動生成したりと、さまざまな場面で活用が可能です。

このように、それぞれの生成AIモデルと親和性の高いツールをしっかりと把握しておきましょう。外部ツールと生成AIモデルを組み合わせることで、業務効率化や生産性向上につながります。

モバイル対応

GeminiとChatGPTは、どちらもマルチデバイスに対応しています。パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットでの利用も可能です。

もともとGeminiのモバイル対応状況は、Androidのみに専用アプリが用意されていましたが、2024年11月にios版のアプリが追加されました。ChatGPTは、2023年5月からiOS版、7月にAndroid版のアプリがリリースされています。

このような点から、外出先やテレワーク中でも生成AIの活用が可能です。ただし、モバイル版はパソコン版に比べて処理能力がやや見劣りし、大規模なデータを扱う場合は出力に時間がかかることもあります。それぞれの違いをよく理解したうえで、場面に応じて使い分けるのが良いでしょう。

GeminiとChatGPTの比較ポイントから見る両者の使い分け方

ビジネスシーンで生成AIを活用するにあたり、どのモデルを使用するのかという問題が出てきます。ここでは、いままでに解説したGeminiとChatGPTの比較ポイントをもとに、それぞれどのようなシーンで活用するのが向いているかを紹介します。

情報収集・リサーチ

情報収集やリサーチは、GeminiとChatGPTに大きな違いはなく、どちらを使ってもスピーディーかつ高精度な出力が期待できます。それぞれ最新モデルにはDeep Researchの機能が搭載されており、Web上から横断的に情報を調べて、特定のフォーマットや仕様の文章にまとめることが可能です。

ただし、従業員の学習支援や教育などに生成AIを活用する場合は、ChatGPTよりもGeminiのほうが向いているといえます。

Gemini 2.5 Proに新しく実装されたDeep Thinkは、複雑な概念を論理的に説明したり詳細に解説したりする能力に秀でています。また、生成AIモデルのなかでも最高水準である100万トークンの処理能力により、テキスト量の多いマニュアルや学術論文でも正確かつスムーズに内容を解析できます。加えて、1998年の創業から長く培われた検索データを出力データに反映できるのも強みです。

資料作成

プレゼン資料やビジネス文書などを作成する場合は、GeminiとChatGPTのどちらを使っても問題ないでしょう。GeminiはGoogleスプレッドシートやGoogleドキュメント、Googleスライド、ChatGPTはExcelやWord、PowerPointとの互換性に優れています。それらのツールのなかで生成AIを利用すると、文章の作成や見出しの考案、画像の生成・挿入といった資料作成に必要な作業をほどんど自動化できます。

ただし、GeminiとChatGPTには細かい機能の差があります。例えば、GeminiにはCanvasと呼ばれるプレゼン資料作成機能があり、直感的なビジュアルインターフェース上でドキュメントを編集するように文書の作成や修正などを行えます。ChatGPTの場合は、あらかじめAIにVBAコードを作成してもらい、それをPowerPointのVBAエディタで実行することで一連の作業を自動化できます。

このように同じ資料作成でも、それぞれ得意とする作業内容が異なります。そのため、作成する資料の種類や素材、生成手順などによって、生成AIモデルを使い分けることが重要です。

プログラミング

GeminiでもAIにコーディングの指示を与えることは可能ですが、より高精度に作業を実行するなら、ChatGPTの最新モデルであるGPT-5を利用するのがおすすめです。GPT-5は、複雑なプログラミングコードでもスムーズに解釈でき、コーディングのプロンプトに対して正確な回答が可能です。

その証拠にGPT-5は、実務レベルのコーディング技術を評価するSWEBenchにおいて、旧モデルのOpenAI o3を5％以上も上回る74.9％を、同じくAider-Polyglotでは88％のスコアを記録しています。PythonやJavaScriptなどの主要言語において高い正答率を誇り、複雑なコードレビューやバグ修正にもスムーズに対応できるのが特徴です。

アプリケーション開発

アプリケーション開発ではプログラミングの知識が求められるため、コーディングの精度が高いChatGPTに軍配があがりそうですが、データの収集や管理、分析、モデル開発など、一気通貫な開発プロセスを構築する際にはGeminiのほうが向いています。その理由は、GeminiがGoogle Cloudとの親和性に優れているためです。

Google Cloudとは、データベースシステムやDWH（データウェアハウス）、BIツール、クラウドコンピューティングなど、さまざまなクラウドサービスが統合されたプラットフォームです。アプリケーション開発に必要なインフラや環境をワンストップで整備できるメリットがあります。

Google Cloudには、「Gemini for Google Cloud」の形でGeminiの機能が標準搭載されています。この機能を活用すると、プログラミングコードの生成やデータベースセンターの安全性の分析、適切なクラウド防御対策の提案など、さまざまな恩恵を受けられます。また、BIツールのLookerと連携し、レポート作成を自動化するなど、Google Cloud内のサービスと組み合わせて活用することも可能です。

業務に合わせて両方を併用するのも一つ

ビジネスシーンで生成AIを活用する際は、GeminiとChatGPTのいずれか一つに絞り込むのも良いですが、業務に合わせて両方を併用するのも一案です。GeminiもChatGPTも、最新モデルはいずれも性能が高く、文章生成や要約、コーディング、データ分析など、基本的なタスクであれば対応が困難ということはありません。ただし、それぞれ得意分野に若干の違いがあるため、業務ごとに使い分けたほうが、より効率良く業務を進められる可能性があります。

SEOコンサルティングサービスを提供する株式会社ecloreの調査によると、Geminiのみを利用しているユーザーとChatGPTのみを利用しているユーザーはともに全体の3割程度で、半数以上の人が複数の生成AIモデルを併用していると回答しています（※）。両者を併用するためには、それぞれの特徴や強みをしっかりと把握することが重要です。

※出典：ChatGPT vs Gemini！それぞれのユーザーに聞いた「選んだ理由」や「改善点」｜アドクロ

GeminiとChatGPTの違いを理解して最適な生成AIモデルを活用しよう

GeminiとChatGPTはどちらも生成AIのジャンルに属しますが、それぞれ細かい違いが存在します。できることは情報収集やリサーチ、資料作成、コーディング、データ分析などがメインで、活用範囲には大きな差はありません。

しかし、GeminiはGoogle検索やGoogle Cloudと連携でき、情報収集やアプリケーション開発に強い、ChatGPTはベンチマークの評価からコーディングが得意など、それぞれ強みが異なります。そのため、生成AIを利用する業務内容に合わせて両者の特徴を活かせるよう、GeminiとChatGPTを適材適所で併用するのも良いでしょう。

電算システムでは、環境構築やコンサルティングなど、Googleサービスの導入支援サービスを提供しています。Google WorkspaceとGeminiの機能を組み合わせた「Google Workspace with Gemini」の導入支援サービスを提供しているので、Geminiを使って社内コミュニケーションを円滑にしたい場合は、ぜひ当社までお問い合わせください。Geminiの活用方法や体系的な知識を学べるハンズオントレーニングなどが利用可能です。

Google Workspace with Geminiの特徴や機能、最新情報などに関しては、以下の資料で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。