<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=445779107733115&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">

BCP対策とは?重要性・目的・策定方法を分かりやすく解説

 2023.08.08  2023.08.15

東日本大震災や新型コロナウイルスの流行など様々な緊急事態を経て、日本ではBCP対策の重要性が日に日に意識されるようになってきました。
災害や緊急事態に備え、事業の停止を最小限に抑えるためには、適切なBCP対策が不可欠です。
しかし、いまだに日本ではリモート勤務が出来ないなど、十分なBCPが策定されていない企業が多くあります。

本記事では、さまざまな業種や規模の企業が直面したリスクや課題に対し、どのような対策を講じたのかを具体的な事例を交えて紹介します。

業種別・災害別にBCP対策事例をまとめておりますので、ご自身に適した事例を参考にしていただけると幸いです。

【事例あり】BCPの適切な対策を業種・災害別に紹介

企業におけるBCP対策の実施割合

東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、日本においても近年、BCP対策が注目されています。
令和4年版防災白書によると、令和3年度時点におけるBCP策定企業の割合は大企業で70.8%、中小企業で40.2%にのぼるとされています。
BCP策定を予定している企業も含めると令和3年度時点で、大企業で96.1%、中小企業で80.1%の企業がBCP対策に関して何らかの打ち手を検討していることが分かります。
BCP対策の策定がなされていないと有事の際に、想定外の被害が生じる恐れがあり、最悪の場合には倒産に追い込まれるケースもあります。
自然による災害やIT関連の災害などが頻発する今日において、BCP対策の策定は多くの企業にとって急務といえるでしょう。

参照元 | 内閣府 「令和4年版 防災白書|大企業と中堅企業のBCP策定状況」

失敗しないGoogleWorkspace導入活用〜支援サービスを紹介〜
社内に乱立しているクラウドサービスを見直しませんか?

代表的な3つの災害・障害別のBCP対策例

BCP対策は想定されうる災害ごとに策定する必要があります。
本章では代表的な3つの災害を取り上げ、それぞれに対する具体的なBCP対策例を解説します。

自然災害

自然災害に対するBCP対策としてはまず、洪水や地震などの自然災害に備えて、物理的な対策を行う必要があります。建物の強度を高める、避難場所の整備、災害時に備えた備蓄品の準備、避難訓練の実施などが対策として挙げられます。
次に、自然災害によって発生する停電や通信障害などに備えることも必要です。例えば、UPS(無停電電源装置)の導入や、バックアップ回線を確保することで、業務継続に必要な電力や通信環境を保持することができます。
さらに、災害時に業務を継続できるよう、情報システムに関する対策が必要です。例えば、サーバーの冗長化や、バックアップデータの保存、データの分散保存などが挙げられます。また、業務に必要な情報を紙媒体でも備蓄することで、災害時にも業務を継続することができます。
また、LINEやSlackなどのコミュニケーションツールを活用することで災害時にも情報共有をスムーズに行える体制を構築しておくことがおすすめです。

人為的災害

人為的災害の代表的なものとして、サイバー攻撃などのIT関連の災害、テロ行為、社内関係者による不祥事などが挙げられます。それぞれに対する対策を以下で解説します。
まず、サイバー攻撃などのIT関連の災害に対しては、ファイアウォールやセキュリティソフトの導入やアップデートを定期的に行うことが重要です。また、不正アクセスの検知やログの保存などを行うことで、被害を最小限に抑えられます。さらに、定期的なセキュリティ教育や、パスワード管理の徹底なども重要な対策です。
次に、テロ行為に対しては、事前に緊急時の対応計画を策定し、緊急連絡先や避難場所を明確化することが必要です。また、不審物の発見や異常行動の報告についても、社員への周知徹底が求められます。
さらに、社内不祥事に対しては、社員の教育や、社内の監視体制の強化が必要です。リスクを最小限に抑えるために、機密情報の取り扱いについてのルールを策定し、社員への定期的な教育の場を設けることで適切な情報伝達を行えます。

感染症災害

感染症災害に対するBCP対策は、社会的なリスク管理の一環としてますます重要性が高まっています。
感染症が蔓延する場合、オフィスでの密集した人間関係が感染拡大のリスクを高めることがあります。そのため、まずはリモートワークや在宅勤務制度の導入が検討されます。BCP対策において、オフィス外での業務継続性を確保するために、オンラインツールやテレワーク環境の整備が必要です。
次に、感染症の発生によって、社員が感染したり、濃厚接触者となる可能性があるため、人員の分散配置が重要となります。例えば、業務を複数のオフィスに分散する、社員の勤務時間を段階的に変更するなどが対策として考えられます。
さらに、感染症の発生を防止するために、社員の衛生管理を徹底することが重要です。具体的には、手洗いの徹底、マスク着用、定期的な換気などが挙げられます。

業種別BCP対策事例5選

本章では業種別にBCP対策をご紹介します。
業種が異なれば策定すべきBCPは大きく異なります。
ぜひご自身の業種の代表的なBCP対策を把握して、自社で策定する際の参考にしていただければと思います。

製造業

製造業におけるBCP対策で特徴的なものは「生産拠点の分散化」と「サプライチェーンの管理・変更」です。前者に関して、生産拠点を分散し、地理的なリスク分散を図る必要があります。例えば、異なる地域や国に複数の工場を持つことで、地震や洪水などの自然災害によるリスクを分散させられます。後者に関して、サプライチェーンの管理を強化し、原材料や部品の供給リスクに備えることも重要です。例えば、複数のサプライヤーと取引することで、サプライヤーの倒産や災害によるリスクを軽減させられます。

建設業

まず、建設業においては何より安全確保が最重要です。現場では事前に災害リスクを考慮した安全計画を策定し、従業員に対して災害時の避難方法や安全対策について教育・訓練を行う必要があります。また、建設業にはリモートワークに対応できない部分もあるため、BCP対策として建設現場の代替地の確保も必要です。現場以外にも、資材や機材の保管場所や事務所などのバックアップ拠点を確保することで、災害時の被害を最小限に抑えることができます。
さらに、建設プロジェクトは、複数の企業や業者が協力して行われることが多いため、契約書にBCPに関する条項を盛り込んでおくことが重要です。具体的には、災害時の責任分担や損害賠償などを明確にすることで、災害による損失を最小限に抑えることができます。

金融・保険業

金融機関や保険会社は、多数の顧客の資産や保険契約を管理しており、顧客の信頼性と安全性が求められるため、BCP対策の策定が非常に重要です。
まず、金融・保険業においては、システムダウンによるATM引き出しの停止など主幹業務が停止することは致命的です。そのため、複数のデータセンターを用意するなど、冗長化されたシステム構成を取り入れています。
また、テレワーク環境の整備を行い、従業員のリモートワークを促進することで、サービス提供の継続を図る企業も多く存在します。

医療・福祉業

医療・福祉業においては、災害発生時に患者や利用者の命を守ることが重要であり、BCP対策の必要性が増しています。
医療・福祉業におけるBCP対策で特徴的なものとして、「患者・利用者の安全確保」や「情報システムの保護」などが挙げられます。
前者に関して、災害発生時には、患者や利用者が安全に避難できるよう、避難経路の確保や訓練の実施が必要です。また、薬や医療機器の備蓄や、医療スタッフの派遣先の確保なども重要です。
後者に関して、医療・福祉業においては、情報システムが重要な役割を担っています。そのため、災害に備えて、情報システムのバックアップやデータの保護などの対策が必要です。また、災害発生時には情報システムが正常に機能するよう、災害時の業務継続計画(BCP)の策定や訓練が求められます。

卸売・小売業

卸売・小売業のBCP対策において、在庫管理は非常に重要であり、商品の入荷・出荷の管理に加え、倉庫の適切な保管場所や機器、システムの運用により、万一の被害を最小限に抑えられるようにする必要があります。
また、有事の際の販売チャネル多様化も小売業では売上確保に重大な意味を持ちます。店舗販売だけでなく、オンラインストアの開設や電話での注文受付、自動販売機の設置など、販売チャネルを多様化することで、被害発生時でも顧客に商品を提供できるようにします。さらに、卸売業者や他の小売業者との協力関係を事前に構築しておくことで、在庫・販売ルートの共有や、災害時の支援などが可能になります。

Google Workspace 事例
Google Workspace

企業別BCP対策事例3選

本章では実際に企業が行っているBCPの具体例を紹介します。
実際の企業策定事例を理解し、BCP策定の流れなどを把握いただければ幸いです。

ハナマルキ株式会社

ハナマルキ株式会社ではICTが進化していく中で既存システムが現代にマッチしていないと感じていました。具体的にはシステム老朽化やファイル容量の不足、そして依然として紙文化が残るなど仕事を進めるうえで不便な環境に同社は置かれていました。そこで、環境刷新のため、取締役を含めた選抜チームを組成し、GoogleWorkspaceの導入を推進しました。
反発をなるべく減らすために、社員への研修は時間をかけて、非常に丁寧に実施をしていたそうです。導入後はスプレッドシートをはじめとして、GoogleWorkspaceが業務の効率化に大きく寄与しています。この導入により、コロナ禍の緊急事態宣言中は、営業職・事務職とほとんどがリモートワークを行うなど、事業の継続に大きな影響を与えています。

参照元|株式会社電算システム 「100年企業が挑む、次の100年を見据えたICT戦略とは?
Google Workspace Enterprise がもたらした、新しい働き方と意識改革」

コープデリ生活協同組合連合会(旧:コープネット事業連合)

コープデリ生活協同組合連合会では、2011年に発生した東日本大震災の際、電話が繋がらず会員生協間の連絡が思うように取れないという経験がありました。そこで震災後、同社ではBCP対策の一環としてテレビ会議システムの検討を進めたもののコスト面の課題で導入が進まないという状況に陥っていました。そんな中、Chromebox for meetingsがコスト面で他と比較にならないほど優れていたことで、導入が決定されています。
今では社内会議での使用に留まらず、社外との会議にもChromebox for meetingsを用いており、取引先との業務を円滑に進めるために必要不可欠なシステムとなっているそうです。

参照元|株式会社電算システム | 「比較にならないコスト差!取引先と Chromebox for meetings™ でシステム開発を効率化」

東京海上日動火災保険株式会社

東京海上日動火災保険株式会社では、地震、台風等の災害が発生し、自らが被災した場合においても、事故の報告を受け付け、契約者に保険金を支払う社会的な役割を果たすため、事業継続計画を策定しています。同社では事業継続計画を実行するための具体的なマニュアルを作成し、普段から訓練を行っています。特に、東京に立地する同社の本店が被災した場合は、関西地区にバックアップ本部を立ち上げ、大型の台風が接近する場合には予め調査員を現地に送る準備を行うなど、様々なケースを想定したBCP対策が策定されています。
また、自社でのBCP策定に留まらず、取組の概要を公表して、BCPを策定しようとする多くの企業・組織に対して、BCPの具体的なイメージを広く知らせる役割も同社は果たしており、事業継続推進機構の BCAO アワードで表彰されるまでになっています。

参照元:内閣官房ホームページ | 「本店被災の際には「関西バックアップ本部」を立ち上げ:損害保険会社の事業継続計画」

業種ごとに適切なBCP対策を策定する必要がある

BCP対策といっても、自然災害や人為的災害、感染症災害に備えたものなど様々なものがあり、どの災害に備えるかによってBCP対策の具体的な打ち手は変わります。
また、自社がどの業種に属するのかも重要な観点であり、業種により優先すべきメインの業務が異なる点にも注意が必要です。BCP対策を検討する際に、本記事でご紹介した内容を参考にしていただければ幸いです。

BCP対策の一環として、オンプレミスからクラウドへの移行を考えている方は以下資料にてクラウド以降の際のメリットと注意点をまとめています。まだクラウド移行が決定しておらず、漠然とオンプレミスのままでよいか悩んでいる方にもおすすめの資料となっておりますので、ぜひご確認ください。

オンプレミスサーバーからクラウド移行のメリットと注意点

RELATED POST関連記事


RECENT POST「Google Workspace」の最新記事


Google Workspace

企業にとってBCP対策が必要な4つの理由|メリットや気をつけるべきポイント5選を紹介

Google Workspace

BCP対策とは?重要性・目的・策定方法を分かりやすく解説

Google Workspace

情報漏えいの原因と対策方法のまとめ

Google Workspace

DBMSとは効率的にデータ管理を行うソフトウェア!主な5つの機能や活用するメリットを解説

【事例あり】BCPの適切な対策を業種・災害別に紹介