Googleフォームとは、Googleが提供するクラウド型のフォーム作成ツールです。参加フォームやアンケート、テストなど、さまざまな形式のフォームを簡易的な操作のみで作成できます。
今とはいえ、フォームを作成するには設問や質問形式、回答収集など、さまざまな設定を行う必要があるため、「Googleフォームの使い方がわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。Googleフォームを最大限に活用するには、適切なフォームの作り方を理解することが重要です。
本記事では、Googleフォームの作り方を11ステップで解説します。質の高いフォームを作るポイントや活用例も紹介しているので、Googleフォームの活用を検討している方は参考にしてください。
【9ステップ】Googleフォームの作り方
Googleフォームを作成する流れは次の通りです。
- Googleフォームにアクセス
- 新規フォームを作成
- タイトルと概要の入力
- 質問項目の編集
- レイアウトの調整
- 回答結果の収集方法を設定
- フォームの表示方法を設定
- プレビュー
- 公開
それぞれの手順に沿って具体的な作り方を解説します。
1. Googleフォームにアクセス
Googleフォームにアクセスするには、Googleの公式サイト、またはGoogle Chromeのトップページからアプリ一覧をクリックし、[フォーム]を選択します。
Googleへのログインが必要なので、Googleアカウント(Gmailアドレスとパスワード)を入力しましょう。
Googleアカウントを保有していない場合は、こちらの記事で作り方を解説しているので参考にしてください。
2. 新規フォームを作成
Googleフォームにログインするとトップページが表示されます。[空白のフォーム]をクリックして新規フォームを作成しましょう。
ただし、新規フォームでは一からレイアウトを作成する必要があります。すでにある程度のレイアウトが決まっているなら、テンプレートを利用するのも一つの方法です。その場合は[テンプレートギャラリー]をクリックします。
テンプレートギャラリーには、アンケートや注文書、ワークシートなどの雛形が用意されています。雛形を利用することで、一からフォームを作成する必要がないため、作業効率の向上が可能です。ただし、今回は新規フォームを例に作り方を解説します。
3. タイトルと概要の入力
編集画面では、まずフォームのタイトルと概要を入力します。タイトルは誰が見ても内容が一目でわかるように、概要は長文になりすぎず、フォームの内容を簡潔に入力しましょう。
タイトルと概要はどちらもテキストの装飾が可能です。該当する項目をクリックすると装飾ツールが表示されるので、太字やリスト化など、必要に応じて編集します。
4. 質問項目の編集
質問項目は初期状態で一つ用意されているほか、画面右側のプラスマーク(質問を追加)をクリックすることで項目を増やせます。
質問項目をクリックすると編集が可能です。まずは質問内容を入力しましょう。
続けて質問形式を選択します。質問形式にはラジオボタンのほか、チェックボックスやプルダウンなどの種類があります。
回答項目を必要な数だけ増やし、各項目の内容を入力します。
最後に、この項目に対して必ず回答が欲しければ、[必須]を有効にしましょう。
質問項目が複数ある場合は、同じ手順で項目を追加・編集します。
役立つ機能!項目を補足する文章の追加
質問項目に補足を入れたい場合は、「・・・」の「説明」を押すとテキストを追加できます。
例えば、「複数選択可」「記入例」「〜をはいと答えた方は答えてください」などに活用できます。
5. レイアウトの調整
必要な項目を作成した後は、全体のレイアウトを調整しましょう。画面上部にあるパレットマーク(テーマをカスタマイズ)をクリックします。
すると、画面右側に[テーマ]という設定画面が現れます。ここでは、テキストスタイルやヘッダー画像、全体の色を設定できます。
例えば、タイトルのテキストサイズを調整するなら、[ヘッダー]の数字の箇所を変更します。[質問]は質問項目のタイトル、[テキスト]はそれ以外のすべてのテキスト部分が対象です。
6. 回答結果の収集方法を設定
Googleフォームで回答結果をどのように収集するかを設定します。画面上部にあるタブを[設定]に合わせ、設定項目のなかから[回答]をクリックします。
[メールアドレスを収集する]については、設定を有効にすることで自動的に項目が作成され、ユーザーからメールアドレスを収集できるようになります。例えば、[回答者からの入力]を選択した場合、フォームの上部に[メールアドレス]の項目が自動生成される仕組みです。
また、確認のためにフォームの入力内容を回答者に通知する場合は[回答のコピーを回答者に送信]をオンに、フォーム入力後でも入力内容を変更できるようにするには[回答の編集を許可する]を有効にしましょう。
7. フォームの表示方法を設定
フォームの利便性を高めて回答率を向上させるためにも、フォームの表示方法を調整することが大切です。[設定]タブのなかから[表示設定]をクリックします。
[進行状況バーを表示]を有効にすると、フォーム入力時に「全体に対してどの程度入力が完了したか」「どの程度ページが進んだか」といった情報を、回答者側の画面に表示できます。あとどの程度質問に回答すれば完了するかがわかるので、質問項目が多い場合などに、回答者が疲れて途中で離脱するのを避けられます。
フォーム送信後のメッセージを変更する場合は、[確認メッセージ]の隣にある[編集]をクリックしましょう。初期状態は[回答を記録しました]というメッセージですが、自由に変更が可能です。
[すべての回答者に対して自動保存を無効にする]の有効にすると、自動保存機能が無効になり、一度画面から離れると一から回答し直す必要が出てきます。
8. プレビュー
画面右上の目のマーク(プレビュー)をクリックしてプレビュー画面に移動します。
プレビュー画面では、実際の回答画面と同じページが表示されるため、質問項目の抜けや記載ミス、設定漏れがないかを確認しましょう。
9. 公開
作成したフォームを公開する際は、画面右上の[送信]をクリックします。
するとフォームの送信画面が表示され、送信方法を設定できます。Googleフォームの送信方法は次の通りです。
- メール:
メールアドレスを指定する方法。メール内にはフォームへのアクセスURLが記載されている。そのURLをクリックすることで回答ページにアクセスできる。 - リンク:
フォーム回答ページの共有リンクをコピーできる。URLの短縮も可能。メールやチャットなどに貼り付けられるため、回答者が少人数の場合に最適。 - HTML埋め込み:
WebサイトなどにHTMLを埋め込むことで、ページ上にフォーム回答欄が表示される。
いずれか適切な方法で回答者と共有しましょう。
公開の注意事項
Google Workspace ユーザーであれば、アンケートの公開範囲を自社ドメイン内のみに設定することが可能です。万が一の際にも、この設定により外部への情報漏洩を防ぐことができます。
<設定手順>
- 設定を押す
- ログインの必須の「〜と信頼できる組織のユーザーに限定する」をON
※ フォームを作成したドメインに限る
ドメイン以外の人がフォームへ接続しようとすると以下の画面が表示されます。
Googleフォームの回答の確認方法
Googleフォームを作成した後は、回答結果の確認や集計が必要です。手順ごとに作成後の流れを解説します。
1. 回答結果の確認
回答者にGoogleフォームを送信し、すべての回答が得られたら、作成したフォームに再びアクセスします。画面上部のタブから[回答]を選択しましょう。回答ページには、誰が回答したか(メールアドレス)がわかる回答状況が表示されます。また、[質問]や[個別]のタブを切り替えることで、質問別やユーザー別の回答状況もわかります。
[要約]タブの下部には、集計情報が表示されます。
円グラフや棒グラフなどで表示されるため、視認性の高さが特徴です。このようにGoogleフォームを活用すれば、わざわざ人手を介して集計する必要がありません。
2. Googleスプレッドシートにエクスポート
Googleフォームの回答結果は、Googleスプレッドシートに連携できます。[回答]タブのなかから[スプレッドシートで表示]をクリックします。
すると、回答結果や集計情報がGoogleスプレッドシート上に表示されます。Googleスプレッドシート内では、レイアウトの変更やグラフの調整などの編集が可能です。
また、すでにあるスプレッドシートへの連携も可能です。その場合は「・・・」の「回答の送信先を選択」から「既存のスプレッドシートを選択」を押すと反映されます。
質の高いGoogleフォームを作成するための3つのポイント
質の高いGoogleフォームを作成するためのポイントは次の通りです。
- 質問形式ごとの特徴を押さえる
- 条件分岐の質問項目を設ける
- メール通知を設定する
フォームの使い勝手が悪いとユーザーが途中で離脱する可能性があり、回答率の低下につながりかねません。以下で紹介するポイントをもとに効果的なフォームを作成しましょう。
質問形式ごとの特徴を押さえる
Googleフォームの質問形式には次の9つの種類があります。
質問形式 | 概要 | 向いているケース |
記述式 | 短文を入力できる(改行不可) | 簡易的な理由を聞きたい |
段落 | 長文を入力できる(改行可) | 詳細な理由を聞きたい |
ラジオボタン | 選択肢から一つ選ぶ | 一つの質問に対して複数回答を許可しない |
チェックボックス | 選択肢から複数選ぶ | 一つの質問に対して複数回答を許可する |
プルダウン | リストから一つ選ぶ | 選択肢をすべて表示したくない |
均等目盛 | 段階から一つ選ぶ | 1~5など段階的に評価を行う |
選択式(グリッド) | ラジオボタンを複数個設置できる | 同じ評価軸で複数の質問を設定する |
チェックボックス(グリッド) | チェックボックスを複数個設置できる | 対応可能日時などの質問を行う |
日付 | カレンダーから日付を選択できる | 特定の日付を回答する |
時刻 | 時刻を入力できる | 特定の時刻を回答する |
このように質問形式ごとに向いているケースが異なります。そのため、Googleフォームを作成する前に質問項目を洗い出し、どの形式が最適かを検討することが大切です。
条件分岐の質問項目を設ける
条件分岐とは、「前の質問で「はい」と答えた方にお聞きします」といった形で、特定の条件を満たすと分岐する質問項目です。回答内容に合わせて自動的に次の設問に移行するため、回答者がよりスムーズに進行できます。
条件分岐を設定するには、分岐させたい質問項目を選択した状態で、右側の[セクションを追加]をクリックします。
新しくセクションが追加されるので、タイトルを入力します。
追加したセクションの下に条件分岐する質問項目を設置しましょう。
続いて、追加したセクションの前の質問項目に移動し、右下の三点リーダから[回答に応じてセクョンに移動]を選択します。
項目ごとに分岐条件を設定します。
今回の場合は、「非常に満足」「やや満足」の項目のみ、「前の質問で「非常に満足」「やや満足」と答えた方にお聞きします」というセクションに進むよう設定しています。
メール通知を設定する
回答結果を受け取る度にGoogleフォームを開くのは手間がかかります。このような問題を解決するためにはメール通知設定が効果的です。
メール通知を設定するには、フォームの編集ページにアクセスし、画面上部の[回答]タブを開きます。三点リーダをクリックして[新しい回答についてのメール通知を受け取る]にチェックを入れましょう。
これで回答結果を得るたびにメールで通知が届きます。頻繁にGoogleフォームにアクセスする必要がなくなるので、業務効率化につながります。
Googleフォームの活用シーン5選
Googleフォームは、アンケートやイベント参加フォームなど、さまざまな形で活用できます。活用の幅を広げられるよう、主な活用シーンを理解することが重要です。
アンケート
アンケートはGoogleフォームの代表的な活用方法の一つです。アンケートにもさまざまな形式があり、企業では主に顧客満足度調査や従業員満足度調査、ブランド認知度調査といった形で活用されています。
Googleフォームでは自動的に回答結果を集計できるため、母集団の多いアンケートにも対応可能です。ExcelやGoogleスプレッドシートなどで集計を行うよりも、作業効率の向上が見込めます。
イベント参加フォーム
Googleフォームは、イベントやセミナーの参加者を募るフォームとしても活用が可能です。ラジオボタンやチェックボックスといった一般的な質問形式のほか、日付や時刻にも対応しているため、参加日時を聞くことが多いイベント参加フォームに向いています。
イベントに参加するユーザーは、自社の商品やサービスに多少の関心を示しているケースが多いものです。つまり、イベント参加フォームで回答者の氏名や住所、メールアドレスなどの情報を取得すると、見込み客として中長期的な関係構築を望めます。情報の取得をきっかけに、テレアポやメールマガジン、DMなどの施策を展開するのも一つの方法です。
社内会議の出欠確認
社内会議などの出欠確認として利用できるのも、Googleフォームの特徴です。Googleフォームはメールや共有URLを使ってフォームを送信できるため、口頭や書面での案内が不要になり、効率良く出欠を確認できます。特に会議への参加者が多い場合に最適です。
出欠確認としてGoogleフォームを活用する場合は、参加の可否に加え、氏名や部門名を必須項目にすることを忘れないようにしましょう。
求人応募フォーム
Googleフォームを求人応募フォームとして活用するのも一案です。求人応募フォームはエントリーシートの代わりにもなり得ます。回答時に画像や動画、音声などのファイルをアップロードできるため、応募者の詳細な情報を得られます。
ファイルの最大数とサイズ(1MB、10MB、100MB、1GB、10GBまで)を選択できます。Googleフォームで集めたファイルについては、自動的に作成される<フォームの名称>(File responses)というフォルダの中に格納されます。社内の資料提出を管理する場合に特に活用できます。
ただし、Googleフォームは求人サイトなどで利用できるエントリーシートに比べて、レイアウトや質問項目がやや簡素です。複雑な質問項目を設定したい場合は、ホームページなどツールでフォームを作成することをおすすめします。
役立つ機能!フォーム回答後のメッセージ
回答後に「お礼」や「抽選結果の通知」などを送りたい場合は、設定内の「確認メッセージ」で設定することが可能です。
理解度チェックテスト
Googleフォームはテスト形式にも対応しています。[設定]タブから[テストにする]を有効にすると、テスト形式のフォームへと自動的に切り替わります。
通常のフォームと同様、自由に質問項目を設置できるほか、点数の割り当てやフィードバックの自動取得などの機能が追わる仕組みです。
ビジネスシーンでの活用例としては、研修後の理解度チェックテストがあげられます。そのほか、ホームページ内のコンテンツとして、簡単なクイズを設けるのも良いでしょう。
役立つ機能!質問の順番を変更する
質問の順番をバラバラに表示させたい場合に、「質問の順番をシャッフルする」設定をONにすると、表示される順番がランダムになるため、同じ問題が繰り返し表示されないように見せることが可能です。この機能は、特に学習やテストの際に、ユーザーにとって新鮮な感覚を維持し、暗記ではなく本当の理解を促進するのに役立ちます。
Googleフォームの作り方を理解して活用の幅を広げよう
Googleフォームは、アンケートやイベント参加フォーム、社内会議の出欠確認など、さまざまな活用方法がある分、場面に応じた適切な作り方を理解することが重要です。Googleフォームに対する理解度を深めることで、幅広い形式のフォームを作成でき、活用の幅が広がります。
電算システムでは、環境構築やコンサルティングなど、Googleサービスの導入支援サービスを提供しています。Googleフォームはもちろん、Google Workspaceのサポートにも対応しています。専門領域に精通した数多くのエンジニアが在籍しているので、スピーディかつ質の高いサポートを行えるのが強みです。「Googleサービスを活用したいが具体的なイメージが湧かない」といったお悩みを抱える方は、ぜひ電算システムへと気軽にお問い合わせください。
- カテゴリ:
- Google Workspace