2025年のGoogle AIの1年間を振り返ると、どのようなアップデートやリリースがあったのか、それを一言で表すのは難しいのではないでしょうか。実際、モデルの大型アップデートや開発プラットフォームの進化、マルチモーダルな機能強化など、幅広い分野に手を広げながらも、いずれも質の高いリリース内容だったといえます。
そこで本記事では、GeminiやGemma、画像・動画生成など、複数のトピックに分けて、2025年の1年間におけるGoogle AI関連のニュースや情報を整理して紹介します。2025年の振り返りを行い、来年どのような環境になるのか予測するのも良いでしょう。
Google AI 2025年の振り返り①Gemini関連のサービス・機能
Google AIの数あるトピックのなかでも特に注目を集めているのがGeminiで、2025年にもさまざまなアップデートや新情報がリリースされました。特に着目すべきトピックとしては、次のようなものがあげられます。
- Gemini 3へのアップグレード
- Gemini関連の機能の追加・強化
- 開発者体験の向上
- NotebookLMのモバイルアプリのリリース
- Gmailの新機能「Manage subscriptions」をリリース
それぞれの具体的な内容を紹介します。
Gemini 3へのアップグレード
Google社は2025年11月18日(米国時間)、新たな生成AIモデルとなる「Gemini 3」の正式リリースを発表しました。Geminiはモデル2.0・2.5の順にアップグレードが進められており、Gemini 3では、過去のモデルに比べて推論能力が飛躍的に向上しています。事実、主要なAIベンチマークにおいても、旧モデルや他社の生成AIモデルより高水準なスコアを記録しており、推論能力や処理速度、マルチモーダルな理解力の進化が証明されています。
また、テキストや画像などに含まれた情報を読み取る能力に加え、プロンプトのなかに含まれる本来の意図や言葉のニュアンス、文脈といった情報を正確に把握できる点も特徴です。そのため、Gemini 3は単なる性能向上だけでなく、「テキストを読むAI」から「空気を読むAI」へと大きな変貌を遂げており、AIの根本的な仕組みを変え得る存在としても注目を集めています。
Gemini関連の機能の追加・強化
Gemini 3のリリースに伴い、関連機能が追加・強化された点も特筆すべきポイントです。具体的には、次のような機能が利用可能あるいはリリース予定となっています。
- Generative UI(生成UI):
ユーザーが入力したプロンプトに沿って、テキストや画像、図解、映像などを組み合わせた独自の動的ビューを生成 - Gemini Agent:
GmailやGoogleドライブなど、さまざまなGoogleアプリを横断しながら段階的にタスクを実行できるAIエージェント機能(日本での提供は未定) - ショッピング体験:
500億点以上の商品を含んだデータベースをもとに商品リストや比較表、価格などの情報を表示(日本での提供は未定)

出典:Generative UI: A rich, custom, visual interactive user experience for any prompt|Google Research
Gemini 3の高度な推論能力やマルチモーダルな理解力によって、複数の手順を要するタスクや複雑なリクエストでも、いままでよりスムーズに処理できるようになりました。
開発者体験の向上
もともとGoogle AIは、コーディングやプログラミングといった作業にも対応していましたが、2025年は開発者体験(Developer Experience)の向上に焦点があてられ、開発業務の効率化につながる数多くのアップデートが行われました。
- Gemini CLI:
2025年6月25日(米国時間)にリリースされた、ターミナル上でGeminiを利用できるオープンソースのAIエージェントサービス - Vibe Coding:
簡易的・抽象的なプロンプトを与えるだけで、AIが目的に沿ったプログラミングコードを生成してくれるコーディング支援ツール - Google Antigravity:
専門的なAIエージェントをIDE(統合開発環境)で展開するための機能で、AIが主体となってIDEにアクセスし、主要業務を自律的に実行してくれる
なかでもGemini 3と同時に発表されたGoogle Antigravityは、AIエージェントが主体となってタスクを遂行し、人間がそれを監督・承認する「エージェントファースト」の考え方を採用していることから、今後の開発環境が一変する可能性も考えられます。
NotebookLMのモバイルアプリのリリース
NotebookLMとは、ユーザー自身でデータソース(情報の収集源)を指定して、AIにリサーチや分析といった指示を与えられるツールです。
例えば、社内の資料や業務マニュアル、独自データベースなどのデータソースを指定することで、もともとの学習データやWeb上の情報を参照せずに済むため、情報の正誤性や鮮度をユーザー側でコントロールしやすくなります。指定した情報源からAIが要約や分析を行い、独自の資料やナレッジベースとしてまとめてくれるほか、ワンボタンで音声概要やスライド、マインドマップなどに情報を整理できる点も特徴です。

2025年5月には、このNotebookLMのAndroid・iOS向けモバイルアプリがリリースされました。モバイルアプリでもデータソースのアップロードやプロンプトの入力、音声概要の作成・再生といった基本的な操作が可能です。ただし、一部の機能が制限されているため、本格的に使用するならWebブラウザ版がおすすめです。
Gmailの新機能「Manage subscriptions」をリリース
2025年7月には、GmailとGeminiの機能を組み合わせた「Manage subscriptions」の機能がリリースされました。

出典:Declutter your inbox with Gmail’s newest feature|Google The Keyword
受信トレイやスター付きなどが表示されているメニューバーから、[Manage subscriptions]をクリックすると、登録済みのメールマガジンやキャンペーンメールなどが送信頻度が高い順に表示されます。配信を解除したい場合は、[Unsubscribe]をクリックするだけで自動的に手続きが完了します。購読元のWebサイトにアクセスする必要がなく、ワンストップで解除手続きを行える点がメリットです。
Google AI 2025年の振り返り②Gemma関連のサービス・機能
Google AIの大規模言語モデルはGeminiだけでなく、Gemmaと呼ばれる単一GPU向けのモデルも存在します。2025年には以下の通り、このGemmaの大きなアップデートが実施されています。
- Gemma 3のリリース
- Gemma 3 270Mのリリース
それぞれの詳細について解説します。
Gemma 3のリリース
Google社は2025年3月に、Gemma 2をGemma 3へとアップグレードしました。GemmaはGeminiに比べて軽量な大規模言語モデルで、単一のGPUまたはTPUでテキスト生成やチャットボットといった特定のタスクを実行できます。KaggleやHugging Faceといったプラットフォームを通じて、オープンソースとして公開されている点が特徴です。
新たにリリースされたGemma 3は、単一GPU・TPUで実行できる大規模言語モデルとして世界トップクラスのモデルだとされています。パラメータ数は10億~270億までの4種類に分かれており、要件に応じて選び分けて柔軟にAIアプリケーションを開発できます。
Gemma 3 270Mのリリース
Gemma 3 270Mは、2025年8月にリリースされた、Gemma 3をより小型化した大規模言語モデルです。パラメータ数が2億7,000万に縮小されているものの、高い性能が備わっています。
2億7,000万のうちデータ処理を担うTransformerブロックが約40%を占め、残りは25万6,000ものトークン数に及ぶ巨大な語彙を収録した埋め込みパラメータとなっています。このような点から、希少な語彙を扱ったり、特定分野に特化させたりと柔軟な対応が可能です。また、従来のGemma 3よりも小型サイズなので、バッテリー消費量を抑えられるメリットもあります。
Google AI 2025年の振り返り③Google検索
Google検索の分野では、2024年8月(米国は5月)のAI Overviewsのリリース以降、2025年に入って久しぶりに以下のような大きなニュースが発表されました。
- AIモードの日本語での提供開始
- Gemini 3を搭載したGoogle検索の進化
それぞれ詳細な内容を解説します。
AIモードの日本語での提供開始
AIモードとは、Google検索に搭載されているAI検索機能です。従来の検索エンジンがキーワードに沿った複数のWebページを表示するのとは違い、質問の内容をAIが汲み取り、Webから情報を収集して端的な回答を生成してくれます。このAIモードが、2025年9月から日本語で利用できるようになりました。

自然文でも正確に解釈できるため、キーワードを分割する必要がなく、「○○の使い方を初心者でもわかるように説明して」といった質問を行えます。また、テキスト入力以外にも、画像のアップロードやカメラ入力、音声入力での質問も可能です。
AIと対話を繰り返して回答結果をブラッシュアップできる点も特徴です。AIへの質問や回答、そのやり取りは履歴として保存され、その内容を学習してユーザーの関心や嗜好を理解するため、質疑応答を繰り返すほど精度も高まります。
Gemini 3を搭載したGoogle検索の進化
AIモードやAI Overviewsをはじめ、Google検索には最新モデルであるGemini 3が搭載されています。マルチモーダルな理解力に優れるGemini 3だからこそ、質問に対して単なるテキストのみを出力するのではなく、画像やグリッド、表など、視覚的要素を組み合わせ、ユーザーにとって最も役立つ回答の構成を考えられます。
例えば、複数の住宅ローンサービスを検討している場合、回答結果に利息計算ツールを提示したり、サービス同士の違いがわかる比較表を掲載したりといった工夫が可能です。これによりユーザーの検索体験が向上し、求めている情報をよりスピーディーに収集・整理できるようになります。
Google AI 2025年の振り返り④画像・動画生成
2025年は、テキスト生成だけでなく画像・動画生成の分野においても、以下のような注目すべきトピックが次々と発表されました。
- Imagen 4へのアップグレード
- Nano Banana Proのリリース
- Veo 3.1へのアップグレード
- Flowのリリース
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
Imagen 4へのアップグレード
Imagenとは、Google社が開発した画像生成AIモデルです。2025年5月にImagen 3からImagen 4へとアップグレードされました。

出典:想像力を広げる最新のメディア生成モデルとツール|Google Japan Blog
Imagen 4では、肌の細やかな質感や動物の毛並み、水滴、生地の複雑な模様など、細部のディティールまで鮮明に表現できます。テキストやタイポグラフィも正確に表示できるほか、最大2Kの解像度にも対応しているため、ポスターや漫画、SNS用のクリエイティブなど、さまざまな画像生成に活用が可能です。
Nano Banana Proのリリース
Nano Bananaとは、Google社が提供する画像生成や画像編集に特化した生成AIモデルです。Nano Bananaでは、被写体の一貫性を保持したまま、プロンプトの内容に沿って既存の画像を修正・変更できます。このような点から、人物の髪型や服装のみを変更する、あるいは被写体の特徴を変えずに背景を除去したり構図を変えたりと、さまざまな画像編集が可能です。

出典:Announcing Nano Banana Pro for every builder and business|Google Cloud
旧モデルのNano Bananaは「Gemini 2.5 Flash Image」と呼ばれており、2025年11月21日(米国時間)に、上位版のNano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)にアップグレードされました。上位版にはGemini 3の高度な推論能力が備わっており、光源から見た適切な影の位置や、建物の構造からわかる自然な柱の配置など、正しい物理法則を理解したうえで最適な構図の画像を出力できます。
Veo 3.1へのアップグレード
Google AIでは、動画を生成する際にVeoと呼ばれるモデルを採用しています。そのVeoは、2025年10月15日(米国時間)に最新バージョンの3.1にアップグレードされました。
動画生成AIの分野は、まだ発展途上の段階で、数秒~数十秒単位の短尺にしか対応できない製品が多いなか、Veo 3.1では1分以上の動画生成が可能な点が大きなポイントです。また、長尺動画として出力しても映像の一貫性や解像度が崩れることなく、統一感ある高解像度な動画を生成できる特徴もあります。
Flowのリリース
動画・映像制作の分野では、VeoだけでなくFlowのリリースも見逃せません。Flowは、実験的な動画・映像制作ツールであるVideoFXの後継モデルで、2025年5月に正式リリースされました。GeminiやImagen、Veoの仕組みが統合されており、自然言語のプロンプトのみで高品質な動画コンテンツを生み出せるほか、動画・映像制作プロセスを一つのプラットフォームで一元管理できる点が特徴です。
例えば、Asset Management機能を活用すれば、制作時のプロンプトや画像素材などをプロジェクト単位でまとめて管理できます。そのほか、作成済みのチャンネルやクリップを複数人で共有できる「Flow TV」や、既存動画の視覚的整合性を維持しつつ編集や拡張が可能な「Scenebuilder」といった機能も搭載されています。
Google AI 2025年の振り返り⑤料金プラン
Google AIのさまざまな進化により、有料サービスの料金プランにも変化が生まれています。2025年の料金プランに関するニュースとしては、次の2点があげられます。
- Google WorkspaceにAI機能が標準搭載
- Google OneにGoogle AI Ultraのエディションが追加
それぞれ具体的な変更点や詳細を解説します。
Google WorkspaceにAI機能が標準搭載
いままでのGoogle Workspaceは、GeminiをはじめとするAI機能を利用するために別途アドオンを購入しなければならず、追加費用が必要でした。しかし、2025年1月よりそのアドオンが廃止され、すべてのエディションにAI機能が標準搭載されるようになりました。
例えば、最安値のBusiness Starterでも、Gemini in GmailやGemini in Google Vids、Geminiサイドパネルといった基本的なAI機能を利用できます。Business Standard以上にアップグレードすると、Gemini in GoogleドキュメントやGemini in Googleスライドといった機能や、Deep Thinkモードの使用回数上限などが拡張される仕組みです。
具体的な料金に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
Google OneにGoogle AI Ultraのエディションが追加
2025年5月には、年次開発者向け会議であるGoogle I/O 2025において、Google Oneの新たなエディション「Google AI Ultra」がリリースされました。Google AI Ultraは、Google AIに関する数ある料金プランのなかでも最上位に位置しており、ほぼすべてのAI機能を最も使用制限が抑えられた状態で使用できます。
Google Oneは、組織向けのGoogle Workspaceとは対照的に個人向けのサービスです。AI関連では、以下のように2種類のエディションが用意されているため、小規模な組織でGeminiやNotebookLMなどの機能を検証する際に役立ちます。
- Google AI Pro:月額2,900円
- Google AI Ultra:月額36,400円
Google AI Proは初月のみ無料、Google AI Ultraは最初の3ヶ月間のみ月額18,000円と、それぞれディスカウントが適用されます。
Google AI 2025年の振り返り:総括
2025年の1年間におけるGoogle AIのニュースや情報に関して、ここまでに紹介した内容をまとめると次のようになります。
- Geminiの大型アップデートによってGoogle AIの全般的な性能向上につながった
- ImagenやVeoといったマルチモーダル関連のアップデートも目立った
- 検索ユーザーや開発者など幅広いターゲットに裾野が広がりつつある
- Google AIが標準機能として各種アプリに組み込まれ価格の適正化・透明化に寄与
Geminiや画像・動画生成AIモデルの基盤が整うことで、今後はより細分化された幅広いアプリケーションが次々とリリースされるかもしれません。そうなれば、仕事や生活のインフラとしてGoogle AIが欠かせない存在になることも考えられるでしょう。まだGoogle AIを活用していない方は、この機会にGeminiやNano Banana Proなど、取り組みやすいところから導入してみてはいかがでしょうか。
電算システムでは、Google Workspaceだけでなく、Google Workspace with Geminiの導入支援サービスを提供しています。Geminiの活用方法や体系的な知識を学べるハンズオントレーニングやワークショップ、カスタマイズトレーニングを提供しており、Google Workspace with Geminiのスムーズな定着を支援します。Google Workspace with Geminiの特徴や機能、最新情報などに関しては、以下の資料で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
- カテゴリ:
- Google Workspace
- キーワード:
- Google AI 振り返り

