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 【事例あり】オンプレミスからクラウドへ移行する際の
メリット・デメリットについて解説

 2023.06.26  2023.06.27

オンプレミスからクラウドへの移行に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
特に近年では、リモートワークの増加によってクラウドの需要が高まっており、システム設計がオンプレミスに偏っている企業や組織はその選択肢を見直す必要があるかもしれません。
そこで本記事では、オンプレミスとクラウドの違いやメリット・デメリット、そして移行の方法について解説します。クラウド移行には多くのメリットがあり、柔軟性やコスト削減といった面で大きな効果が期待できます。オンプレミスからクラウドへの移行を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 【事例あり】オンプレミスからクラウドへ移行する際のメリット・デメリットについて解説

オンプレミスとクラウドの概要と違い

オンプレミスとクラウドは、ITシステムを構築する上で重要な選択肢となっています。
企業が自社に最適なITインフラを選択するためには、オンプレミスとクラウドのそれぞれの特徴を理解し、比較検討する必要があります。
本章ではオンプレミスとクラウドそれぞれの概要と違いを解説します。

オンプレミスとはITインフラを自社で運用する方式

オンプレミスは、企業が自社で必要なハードウェア・ソフトウェアを購入して、自社のサーバーやデータセンターにインストールし、管理・運用する方式のことを指します。
オンプレミスは、企業が自社で全てのシステムを管理・運用するため、セキュリティやデータの保管などに関して一定の自由度があり、カスタマイズ性や柔軟性が高いことが特徴です。
また、ハードウェアやソフトウェアを自社で保有するため、機密性が高いデータを取り扱う企業にとっては、オンプレミスでデータ管理を求められるケースもあります。

クラウドとはネットワーク経由で事業者がサービスを提供する方式

クラウドは、オンプレミスとは異なり、データやアプリケーションを自社内で保有するのではなく、ネットワークを介してインターネット上にあるサーバーにアクセスし、データの保存や処理を行います。
クラウドを用いることで、ハードウェアやソフトウェアの購入、保守・管理に関する費用・工数が低減され、導入や運用が容易になるという特徴があります。
さらに、クラウドは、地理的な制約を受けずにシステムを利用することができるため、近年普及しているリモートワークに対応するという観点でも注目を集めています。

オンプレミスとクラウドの違い

オンプレミスとクラウドは以下の観点で異なります。

比較項目 オンプレミス クラウド
特徴 自社管理 サービス事業者管理
メンテナンス 自社で行う サービス事業者が行う
セキュリティ 自社で対策 サービス事業者が対策
導入ハードル(費用・工数) 高い 低い
ランニングコスト 低い 高い
システム構築のリードタイム 長い 短い
カスタマイズ性 高い 低い

オンプレミスでは、ハードウェアやソフトウェアの購入・導入、保守・管理、セキュリティ対策など、全ての責任を企業が負います。一方、クラウドは、ITインフラの運用・保守をサービス事業者が行い、企業は必要に応じてサービスを利用する形態となります。
また、オンプレミスと比較してクラウドは導入時に費用・システム構築面で負担を軽減できる一方、カスタマイズの幅が制限される点には注意が必要です。

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クラウド移行の4つのメリット

クラウドには多くのメリットが存在します。現在、オンプレミスでシステムを運用している企業でもクラウドに移行することで様々なメリットを享受することができます。本章ではクラウド移行で生じる代表的なメリットを解説します。

導入・運用コストが抑えられる

クラウドへの移行により、オンプレミスのように専用のサーバーやストレージ、ネットワーク機器の設置や保守を行う必要がなくなります。
また、必要なリソースを必要なときに必要な量だけ追加・削減することができるため、運用コストを大幅に削減することができます。
さらに、サービス事業者側でシステムのアップデートやセキュリティの更新を行っている場合もあるため、その分の作業コストも不要になります。

システムの老朽化を防げる

オンプレミスにおいては、ハードウェア、アプリケーションなどを自社で保有し、運用・保守を行っています。しかし、これらのハードウェアやソフトウェアは保有してから一定期間が経過すると、機能が低下する、セキュリティの脆弱性が生じるなどのリスクがあるため、定期的にアップグレードやメンテナンスを行う必要があります。
一方、クラウドに移行することで、自社でハードウェアやソフトウェアを保有する必要がなくなり、クラウドサービス事業者が最新のハードウェアやソフトウェアを提供してくれるため、システムを常に最新の状態で運用することが可能になり、自社でのアップグレードやメンテナンスの手間も省けます。

セキュリティ強化につながることがある

オンプレミスでは、システムのセキュリティに対して自社で対策を講じる必要がありますが、クラウドに移行し、サービス提供事業者がセキュリティ対策を講じることでセキュリティの強化につながることがあります。
オンプレミスでは、セキュリティ対策に必要な技術や専門知識を持ったスタッフを自社で雇うことが必要であり、コストや時間を要するため、常に最新のセキュリティ対策を実装することが多くの会社において困難です。
一方、クラウドサービス提供事業者は、多くの場合、高度なセキュリティ専門家を抱えており、最新の脅威に対する対策やセキュリティ対策の最善手法を実装しているため、自社で専門家を雇う必要がなく、セキュリティ強化に繋がるメリットがあります。

場所を選ばずにアクセス可能になる

オンプレミスでは、社内のLAN内からのみアクセスが可能なシステムや、VPNを利用しなければ外部からアクセスできないシステムなど、遠隔地からのアクセスが制限されるケースがあります。
しかし、クラウドに移行することで、インターネット接続さえあれば場所を選ばずにアクセスすることが可能になります。
これにより、海外拠点とのビデオ会議や、社員が家やカフェからリモートワークが出来るようになるなど、遠隔地にいる社員やパートナーはメリットを享受できます。
特にリモートワーク制度は社員にとっても魅力的な制度であり、クラウドに移行することでリモートワークの体制が充実することは採用観点でもメリットがあります。

クラウド移行の4つのデメリット

クラウド移行は多くのメリットが存在する一方で、デメリットも存在します。
デメリットをクラウド移行前に事前把握しておくことは非常に重要です。
本章ではクラウド移行による代表的なデメリットを紹介します。

既存システムと連携できない可能性がある

オンプレミスからクラウドに移行する際、既存システムとの連携に問題が発生することがあります。これは、クラウドサービスがオンプレミスのシステムと異なる技術基盤やプラットフォームを使用していることに起因するもので、既存のシステムがクラウドサービスに対応していない場合、データの取り込みや処理が困難になります。
特に、オンプレミスシステムが古くなっている場合、クラウドサービスとの接続に必要なAPIが提供されていなかったり、APIが古くなっていることがあるため、クラウド移行を検討する際には、既存システムとの連携について慎重に検討することが重要です。

セキュリティがサービス提供事業者に依存する

次に、クラウドサービスのセキュリティは、サービス提供事業者に依存することになるため、サービス提供事業者が十分なセキュリティ対策を行わない場合には、セキュリティ上の問題が生じる可能性があります。

一方で先述の通り、クラウドサービスプロバイダーは、セキュリティリスクを減らすために、大規模なセキュリティ専門チームを抱えており、常に最新の脅威に対応するための対策を講じているため、利用者がクラウドサービスを利用することで、セキュリティリスクを抑えることができる場合もあります。そのため、自社のセキュリティ要件に見合ったクラウドサービスを選定することが非常に重要です。

カスタマイズが難しい

オンプレミスからクラウドに移行する場合、システムを自由にカスタマイズすることが難しくなります。クラウドサービスは、一般的に標準化されたサービスで提供されるため、特定の要件に合わせたカスタマイズはオンプレミスと比較して制限されます。
そのため、既存のシステムとの親和性や、カスタマイズ性を重視する場合には、クラウドサービスを利用する前に、提供される機能や設定を詳しく調べ、自社の要件に合わせてカスタマイズ可能かどうかを事前に確認することが重要です。

サービス自体が終了する可能性がある

最後に、クラウドサービス事業者が提供しているサービスを終了する可能性があることは、クラウド移行に伴う大きなデメリットの一つです。
クラウドサービス事業者は、倒産するケース以外にも提供するサービスのラインナップを変更することがあります。このような場合、提供中のサービスが廃止されることがあり、その結果、企業やユーザーが使用しているシステムが使えなくなり、システムを再構築するコストがかかります。

このようなデメリットを考慮した上で、クラウド移行を検討する場合には、事業者の信頼性を確認することが非常に重要なポイントです。
さらに、複数のクラウドサービス提供者を利用することで、サービス提供者に依存しないようなシステム構築を目指すことも必要です。

Google Workspace 事例
Google Workspace

オンプレミスからクラウドへの移行手順【4ステップ】

オンプレミスからクラウドに移行する際には4つのステップがあります。
本章では移行の際の4ステップに関して、それぞれ詳しく解説します。

移行プロジェクトの計画策定

まず、移行プロジェクトの計画を策定します。このステップでは、移行目的やスケジュール、予算、リスク、担当者、進捗確認の方法などを決定します。
特に移行目的はプロジェクトを実行する上で非常に重要で、最終的なゴールの認識をプロジェクトメンバー内で共有しておくことで認識にずれがない状態でプロジェクトを進行できます。その他の項目に関しても事前に明確に定義することで、移行プロセス全体のスムーズな進行が可能となります。

移行対象の選定・準備

次に、移行対象となるシステム・アプリケーション、データ、サーバーなどを選定し移行に必要な準備を行います。移行前には、移行に必要な追加設定や変更点を特定するために、システムなどの現状分析を行う必要があります。
またクラウドサービスとの互換性を確認し、システム面ばかりではなく移行対象に必要なライセンスや契約の確認も行うことで、移行後にライセンスが使用できないなどのトラブルを回避できます。

テスト環境での検証

移行対象がクラウドに移行できることを確認するために、テスト環境での検証が必要です。テスト環境での検証では、実際の移行前に移行手順の動作確認や問題の特定、解決策の検討、運用・保守の検討が行われます。
このステップで不具合が発見された場合は、本番環境に移行する前に修正を行い、検証が万全な状態で本番環境移行に臨む必要があります。

本番環境への移行・検証

テスト環境での検証が完了したら、本番環境への移行・検証が行われます。このステップでは、本番環境に移行する前にバックアップを取得し、移行対象のデータやシステムを本番環境に移行します。
移行後に必要な設定や検証を実施し、移行後の本番環境の運用・保守に移行することができます。
テスト環境で様々な検証を行っていたとしても、本番環境に移行した際に不具合が見つかることがありますので、最終検証も欠かさず行うことをおすすめします。

オンプレミスからクラウドへの移行事例2選

オンプレミスからクラウドに移行する企業は多くあり、本章では実際に移行を実践している企業様の事例をご紹介します。
オンプレミスに関連する課題感は共通しているものも多いため、自社で導入する際の参考にしていただければ幸いです。

エイベックス株式会社

エイベックス株式会社様ではオンプレミスのメールサーバに各個人がOutlookやThunderbirdなどのメールクライアントソフトを使っており、メールサーバの運用工数が課題でした。
この運用工数軽減のため、クラウド方式のGoogleWorkspaceを導入しましたが、これらのメールクライアントソフトとGmailは操作性が大きく異なるため、当初社員からの抵抗もありました。
そのため、GoogleWorkspaceの機能を一度に解放するのではなく、Googleドライブ、Googleカレンダーの機能を順次解放していき、それに伴い、年齢、社歴、役職者など属性別に分けて研修を随時開催して、社内啓蒙を進めました。
このGoogleWorkspaceの導入により、運用管理の工数は、従来と比較して約10分の1以下まで低減させることに成功しました。

参照元|株式会社電算システム 「10年前から Google へ。エイベックスがスムーズにテレワークへ移行できた理由」

株式会社アルペン

株式会社アルペン様では動画や写真を取り扱うことが多くなった関係でオンプレミス型メールサーバーの容量不足が大きな課題となり、ハード機器による補強を行う際にクラウド型サービスへの移行を検討しました。他社導入実績が多い Google Workspace と旧Office365の2つのソフトに絞って導入検討を進め、2つのソフトの機能比較を実施した結果、データ容量が無制限の Google Workspace を選択しました。
先行で本社の数部署に試験導入し、その後、本社全部署・店舗の順に展開するなど段階的な普及を図りました。
GoogleWorkspaceの導入により、最大の課題だったメール容量の制限から開放され、メールサーバーの保守管理やセキュリティー対策も不要になりました。機能面ではチャットの活用により、コミュニケーションスタイルが一変する結果になりました。

参照元|株式会社電算システム 「オンプレミスからクラウド環境への移行でサーバー管理から開放され、業務が大幅に削減。導入後のサポートも評価」

オンプレミスとクラウドを適切に選択する必要がある

オンプレミスとクラウドはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらが適切かを判断するためには、自社のニーズやビジネス状況を考慮する必要があります。例えば、セキュリティが極めて重要な業界や企業では、オンプレミスが適している場合があります。一方、急速に変化する市場に対応する必要があるスタートアップ企業などの場合には、クラウドが有効な解決策となる場合があります。

さらに、オンプレミスとクラウドを組み合わせることで、それぞれのメリットを最大限に活用するという選択肢もあるため、達成したい目標から逆算してシステム設計を考えることが重要です。

クラウド移行を考えている方は以下資料にてクラウド移行の際のメリットと注意点をまとめています。まだクラウド移行が決定しておらず、漠然とオンプレミスのままでよいか悩んでいる方にもおすすめの資料となっておりますので、ぜひご確認ください。

オンプレミスサーバーからクラウド移行のメリットと注意点

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