皆さんの会社ではグループウェアを使用されていますでしょうか?また、どのような製品を使用されているでしょうか?今回ご紹介するのは主要なグループウェア製品の比較です。これからグループウェアを導入したい、または現状に課題があり見直したいという方に注目していただきたい内容となっています。
グループウェアとは組織やチームにおいて円滑なコラボレーションを実現するための複数のツールを統合的に提供するものです。その機能はおもにコミュニケーションを実現する部分と情報共有を支援する部分から成り立っています。近年ではコラボレーションツールと言われることも多いでしょう。
最近は単にコミュニケーションや情報共有ができるだけではなく、高いセキュリティ要件や、働き方改革の文脈で場所やデバイスに依存しない利用形態などが求められてきています。ぜひ現代的な要件の中でのグループウェアを見直してみてください。
グループウェア製品比較
Google Workspace(旧 G Suite)
Google Workspace(旧 G Suite)は Google が提供するグループウェアです。旧称を Google Apps for Work といいます。Google Workspace(旧 G Suite)を利用するメリットは、ユーザーの使いやすさ、管理性および価格でしょう。
みなさんの中にも Gmail や Googleドライブ など、Google が提供するサービスを使用している方は多いのではないでしょうか。Google Workspace(旧 G Suite)でも同じように Gmail や Googleドライブ が提供されており、操作性は無料版のサービスと何ら変わりありません。これに、ビジネスで活用するための管理機能やセキュリティレベルが付加されているのです。
そのため導入初期から多くのユーザーにとって使いやすく、全体に素早く浸透させることができるでしょう。
もちろん、使いやすさだけではありません。Google Workspace(旧 G Suite)はグループウェアとして次のような多彩なツールを提供しています。
- ビジネスメール
- チャットメッセージ
- ファイル共有
- 音声通話
- Web会議
- ドキュメント
- スプレッドシート
- プレゼンテーション
- スケジュール
- 社内SNS
- サイト作成
- アーカイブ
- 電子情報開示
Business 以上のプランでは容量無制限で使えるのもメリットでしょう。
≪価格≫
- Basic:500円(月額/年契約の場合)
- Business:1,200円(月額)
- Enterprise:3,000円(月額)
・「参考サイト」
Office 365
Microsoftが提供するグループウェアがOffice 365です。もともと普及しているExchangeやSharePointなどのオンラインサービスを利用可能です。同製品を利用するメリットはOffice製品のライセンスが付帯するという点でしょう。Office 365では特定のプランを契約すると、ExcelやPowerPointなどのライセンスがついてくるプランもあります。ファイルの作成や編集はMicrosoft Office製品で行いたいという場合にはメリットがあるでしょう。
また、従来法人向けの市場ではシェアの高いMicrosoft製品との親和性が高いこともメリットです。インターフェースもビジネスパーソンにとって馴染みのあるものですが、一部機能では操作が難しいという面もありますので、ユーザーの視点で比較してみるとよいでしょう。
なお、よく比較される Google Workspace(旧 G Suite)との違いについてもご参照ください。
≪価格≫
- Business Essentials:540円(月額)
- Business:500円(月額)
- Business Premium:1,360円(月額)
- ProPlus:1,310円(月額)
- Enterprise E1:870円(月額)
- Enterprise E3:2,180円(月額)
- Enterprise E5:3,810円(月額)
・「参考サイト」
サイボウズ
サイボウズは国産グループウェアとしていち早く市場に参入した製品です。サイボウズのリリース当時は日本語対応や日本の商習慣にマッチしたグループウェアが存在しなかったことから、短期間で高いシェアを獲得しました。国産という安心感もあり今もなお人気の高いグループウェアです。
ただ、Web会議とOffice互換ソフトウェアを提供していないという点で、コミュニケーションの幅が狭まってしまう傾向にあります。
≪価格≫
- スタンダード:490円(月額)
- ビジネス:783円(月額)
・「参考サイト」
デスクネッツ
こちらも国産のグループウェアです。特徴はApp Suiteと呼ばれる機能によって、ノンプログラミングで業務に合わせたアプリケーションを開発できることです。グループウェアを導入しても既存の業務形態に100%マッチできるわけではなかったり、業務アプリケーション的に使用したいというニーズは出てきます。そのため、App Suiteのような機能があると要件に近いグループウェアを導入できます。
≪価格≫
- クラウド型:400円
- オンプレミス型(5~300名):3万9,800円~99万8,000円+年間サポート費用
- オンプレミス型(300名以上):41万円~1,300万円+年間サポート費用
・「参考サイト」
Notes / Domino
NotesはIBMがLotus社買収し開発提供しているグループウェアです。現在はIBM Dominoという製品名です。1990年代後半にグループウェアの普及のきっかけになったのが当時のNotesでした。日本でも大企業を中心に、カスタマイズの容易性や自由度などが評価されて導入が進みました。しかし、現在ではアーキテクチャも古くなり、現代的なニーズに対応できなくなったというのが一般的な評価でしょう。
IBM Dominoは現在でも提供されていますが、新規で導入するケースは少なくなってきているでしょう。
≪価格≫
システム構成によって変わります
・「参考サイト」
Box
もともとはクラウドストレージのイメージが強いBoxですが、他のサービスとの連携でグループウェアとしての基盤となりつつあります。たとえばCRM(顧客管理システム)およびSFA(営業支援システム)のSalesforceとの連携に強みがあります。ただ、基本的にはグループウェアの要素の中でも情報共有を軸としており、コミュニケーションに関してはほかのサービス等を組み合わせる必要があるため、ワンストップのグループウェアとして利用するのは難しいでしょう。
・「参考サイト」
≪価格≫
- Starter:550円
- Business:1,800円
- Enterprise:要問合せ
自社に最適なグループウェアの選び方は?
以上のように、グループウェアは様々な製品が提供されています。もちろんこれ以外の製品もあります。それぞれに生い立ちや軸となるサービスが異なるため、特徴も異なります。自社にとって最適な製品を選ぶためには、まず組織のコラボレーション上の課題を明確にすることが重要です。
いまのユーザーは現在利用できている環境が当たり前になっているために、ニーズを聞いても気づいていないということが多々あります。そのためには、外部の専門家の助言を活用するというのも選択肢でしょう。
単なる業務要件だけでなく、セキュリティの考え方やクラウドの活用など、グループウェアを取り巻く要件も変わってきているため、将来を見据えた選択が重要になります。
DSKはこれまで1,000社を超えるお客様への導入支援を通じ、多くのノウハウを蓄積しています。現状のお客様の課題と将来的なサービスの傾向を合わせて、製品の選定から支援いたします。まずどのような視点で製品を選べばよいのかや、製品の特長の比較など、ぜひお気軽にご相談ください。