Googleドライブは本来、ファイルを一元管理できるストレージサービスですが、さまざまな機能が搭載されている分、幅広い活用手段があります。方法次第で活用の幅が広がるため、Googleドライブを導入して間もない初心者の方は、「どのように使いこなせば良いかわからない」と悩んでしまうケースも多いでしょう。
そこで本記事では、初心者向けにGoogleドライブの活用方法を解説します。基本的な操作方法から、AIやOCRなどを使った便利なテクニックまで紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Googleドライブの仕組みと基本機能
Googleドライブとは、クラウド上でファイルの閲覧や編集、保管ができるストレージサービス(クラウドストレージ)です。文書やテキストデータ、画像、動画、音声など、さまざまなファイルを一元管理できます。
Googleドライブはクラウド上でサービスを利用できるため、ファイルサーバーやネットワークといったハードウェアを導入する必要がありません。Googleアカウントがあれば、一つのシステムに複数のユーザーがアクセスできるため、共同編集にも向いています。
【初心者向け】Googleドライブの基本的な使い方
Googleドライブの初心者向けに基本的なツールの使い方を解説します。手順は次の通りです。
- Googleドライブにアクセス
- ファイルのアップロード
- ファイル作成
- ファイルの整理
- ファイルやフォルダの共有
- ファイルやフォルダの検索
- ファイルのダウンロード
手順ごとに具体的な進め方や操作方法を解説します。
1. Googleドライブにアクセス
まずはGoogleドライブにアクセスしましょう。Googleの公式サイトを開き、画面右上のアプリ一覧から[ドライブ]を選択します。
すると、Googleアカウントのログイン画面が表示されます。Gmailアドレスとパスワードを入力してログインすると、Googleドライブの管理画面へと移行します。
Googleアカウントを保有していない場合は、新しいGmailアドレスをパスワードを作成しましょう。作成手順や作成時の注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2. ファイルのアップロード
続いて、ローカル上に保存されているファイルやフォルダをGoogleドライブにアップロードしましょう。GoogleドライブにはExcelやWord、PDF、画像といったさまざまなファイルをアップロードでき、Googleドライブ上でファイルの閲覧や検索が可能です。また、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートにも連動しており、ファイルを編集することもできます。
Googleドライブにファイルをアップロードするには、管理画面の左上にある[新規]をクリックします。
ファイルを指定する場合は[ファイルをアップロード]、フォルダを指定する場合は[フォルダをアップロード]を選択します。もとデータの保存先が表示されるので、任意のファイルやフォルダを指定しましょう。
アップロードされたファイルやフォルダは、Googleドライブのマイドライブ内に保存されています。アップロードしたからといってローカル上のもとのファイルは消えません。ファイルを閲覧・編集する際は、Googleドライブ内のファイルをダブルクリックしましょう。
3. ファイル作成
ファイルをアップロードせずに一から作成することも可能です。GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleスライドなどで編集した内容は、自動的にGoogleドライブに保存される仕組みです。
Googleドライブからファイル作成画面に移動するには、[新規]のボタンをクリックします。
GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなど、ファイルを作成したいGoogleサービスを選択しましょう。
例えば、[Googleドキュメント]をクリックした場合、Googleドキュメントの新規ページが開きます。編集ツールを用いて自由にドキュメントを編集できます。
4. ファイルの整理
Googleドライブに保存するファイルが多くなった場合は整理するのがおすすめです。定期的にファイルを整理することで、Googleドライブ内の検索性や視認性が向上します。
ファイルの整理方法は次の通りです。
- 複数のファイルをフォルダに格納する
- 不要なファイルを削除する
- ファイルのテーマごとにスターを付ける
ファイルをフォルダに格納する場合は、管理画面左上の[新規]から[新しいフォルダ]をクリックし、フォルダの名称を設定します。
Googleドライブ内の複数のファイルを選択し、先ほど作成したフォルダにドラッグ&ドロップで格納しましょう。フォルダの使い方はWindowsのエクスプローラー(Macの場合はFinder)とほとんど変わりません。
次に、不要なファイルを削除する方法を紹介します。削除したいファイルを選択した状態で画面上部のゴミ箱マークをクリックしましょう。これでファイルがゴミ箱に移動し、マイドライブなからファイルが削除されます。
最後にファイルにスターを付ける方法を紹介します。ファイルの右側にある三点リーダをクリックし、[整理 > スターを付ける」の順に選択します。
その後、画面左側の[スター付き]をクリックすると、スター付きのファイルが一覧で表示されます。
5. ファイルやフォルダの共有
複数のユーザーがGoogleドライブ内のファイルにアクセスする場合は、共有設定を行いましょう。
Googleアカウントでユーザーを招待できるほか、ユーザーやファイルごとに閲覧権限や編集権限を与えられます。
共有設定画面に移行するには、特定のファイルを選択した状態で、三点リーダから[共有 > 共有]の順にクリックします。
共有画面が開いた後、[ユーザー、グループ、カレンダーの予定を追加]の項目に招待したいGoogleアカウント名やGmailアドレスなどを入力しましょう。
招待する際にファイルに対する権限を設定できます。ファイルの閲覧のみ可能な「閲覧者」や、閲覧とコメント添付が可能な「閲覧者(コメント可)」、閲覧・コメント・編集が可能な「編集者」の3タイプに分かれています。最後に[送信]をクリックすれば、相手に通知が届きます。
また、共有URLを発行する方法もあります。URLを使って共有する場合は、[一般的なアクセス]の項目を[制限付き]から[リンクを知っている全員]に変更します。
あわせて隣の項目の閲覧者や編集者といった権限も設定しましょう。例えば、閲覧者に設定した場合、共有リンクを知っている全員に閲覧権限が付与される仕組みです。
共有リンクをほかのユーザーに通知するには、[リンクをコピー]をクリックし、メールやチャットで送信しましょう。
6. ファイルやフォルダの検索
Googleドライブでは、保存した複数のファイルやフォルダから任意の情報を検索できます。Googleドライブの画面上部にある検索欄にキーワードを入力すると、該当するファイルやフォルダが検索画面に表示されます。
また、キーワードを指定する以外に、さらに詳細な検索も可能です。検索欄の右側にある検索オプションのボタンをクリックすると、検索条件を指定する画面が現れます。
ファイルの種類やオーナーアカウント、保存場所、共有先など、任意の条件を設定しましょう。細かい条件を指定することで、目的のファイルやフォルダを絞り込みやすくなります。
7. ファイルのダウンロード
Googleドライブに保存されたファイルをダウンロードすると、パソコンやスマートフォンなどの端末にデータを保存できます。Googleドライブと端末に同じデータを保存しておけば、バックアップとして機能します。
ファイルをダウンロードする際は、特定のファイルを選択した状態で三点リーダをクリックし、そのなかから[ダウンロード]を選択しましょう。
保存場所を指定して[保存]をクリックすれば完了です。ローカルストレージにファイルをダウンロードした場合でも、Googleドライブ上のファイルは消えません。
【初心者向け】Googleドライブの便利な使い方
Googleドライブの機能を活用することで、次のような便利な使い方も可能です。
- ストレージ容量の確認
- オフライン編集
- 共有ドライブ
- AI-OCR
- Gemini in Googleドライブ
- モバイルアプリ
初心者の方でも簡単に利用できるので試してみてください。
ストレージ容量の確認
Googleドライブに保存できるファイルの容量は、料金プランによって上限が設定されています。そのため、定期的に使用容量や空き容量をチェックするのがおすすめです。
使用容量を確認する場合は、Googleドライブのトップページにアクセスし、左側のメニュー項目をチェックします。「○○GB中○○GB」を使用という形で、容量の上限と使用中の容量が表示されています。
また、[保存容量]をクリックすると、より詳細なデータを確認できます。
Googleドライブだけではなく、GmailやGoogleフォトの容量も表示されています。これは、Googleアカウントの容量がサービス全体でカウントされているためです。
例えば、Googleドライブの使用容量が5GB、Gmailが1GB、Googleフォトが2GBだとすると、Googleアカウント全体で8GBの容量を使用していることになります。無料プランの上限は15GBなので、残り7GBしか保存できない計算です。そのため、容量を管理する際は注意する必要があります。
オフライン編集
オフライン編集とは、インターネットに未接続の状態でGoogleドライブに保存されたファイルを編集する方法です。オフライン状態で編集したファイルの内容は、再びインターネットに接続すると同期されます。
オフライン編集の機能を有効にする際は、特定のファイルを選択した状態で三点リーダをクリックし、[オフラインで使用可能にする]を選択しましょう。
これでオフライン状態で同ファイルにアクセスした場合でも編集が可能になります。
共有ドライブ
共有ドライブとは、グループやチームでファイルを管理できる専用の保管スペースです。個人用のファイルのみを保管するマイドライブとは対照的な機能となります。
共有ドライブを利用するには、有料プランであるGoogle Workspaceへの登録が必要です。個人単位の容量が反映されるマイドライブと異なり、共有ドライブでは組織全体の容量が適用されます。例えば、1ユーザーあたり2TBのエディションに10名が登録していた場合、組織全体の保存容量は「2TB × 10名」で20TBとなります。
営業部門やマーケティング部門など、部門別にGoogleドライブを利用する際は、マイドライブではなく共有ドライブを利用するのがおすすめです。共有ドライブ内のファイルはチーム全体で共有でき、共同編集も容易に実行できます。また、チームメンバーが離脱した場合でもファイルが残った状態を維持できるため、メンバーの離脱とともにファイルが消失するリスクがありません。
AI-OCR
AI-OCRとは、紙や手書きの文書、画像などをテキストデータ化するOCR(光学文字認識)と、AI技術を組み合わせた機能です。OCRを使って文書や画像などを読み取ることで、文章やレイアウトの編集が可能になります。さらにAI技術によってテキストの認識精度が向上するメリットがあります。
GoogleドライブでAI-OCR機能を利用するには、まずファイルをアップロードします。PDFや画像、手書きの書類など、データ編集できないファイルをアップロードしましょう。そして、そのファイルを選択した状態で三点リーダをクリックし、[アプリで開く > Googleドキュメント]を選択します。
やや時間が経過するとテキスト化の処理が完了し、Googleドキュメントが開きます。テキスト化された文章は、文字サイズやカラーの変更、太字処理、見出し設定など、Googleドキュメントの機能を使って編集できます。
Gemini in Googleドライブ
Gemini in Googleドライブとは、Googleが提供する生成AI技術「Gemini」とGoogleドライブを組み合わせた機能です。Geminiは本来、Google ChromeのWebブラウザに搭載されており、テキストによる検索や質問、指示に合わせて適切な回答を返してくれます。
そのGeminiがGoogleドライブに組み込まれたことで、AIによるテキストの自動生成が可能になります。例えば、Googleドライブに保存されたファイルの内容を読み取り、自動的に要約してくれます。また、ファイルの内容をもとに新たな文章を生み出したり、メールを作成したりと、さまざまな活用が可能です。
モバイルアプリ
Googleドライブのモバイルアプリを導入することで、スマートフォンやタブレットからでもファイルの閲覧や編集を行えます。iOS・Androidの2パターンが用意されており、それぞれの端末にインストールできます。
- iOS:App Storeからダウンロード
- Android:Google Playからダウンロード
Webブラウザ版のGoogleドライブとモバイルアプリは、同一アカウントでデータが同期されます。そのため、社内でファイルを保存し、外出先でモバイルアプリからそのファイルにアクセスすることも可能です。出張やテレワークなど、社外で仕事をする機会が多い場合に役立ちます。
Googleドライブで初心者が陥りがちな問題と解決法
Googleドライブでは、初心者が陥りがちないくつかの問題点があります。それぞれの解決策を理解したうえで、ストレスなくGoogleドライブを利用しましょう。
誤ってファイルを削除してしまう
Googleドライブでは、簡単な操作のみでファイルを削除できるため、誤操作が起きる可能性があります。もし誤ってファイルを削除してしまった場合は、ゴミ箱のなかを確認しましょう。
ゴミ箱にファイルが残っていれば、三点リーダから[復元]をクリックすると復元できます。復元したファイルは、削除する前のもとの場所に戻ります。ただし、ゴミ箱内のファイルは、ゴミ箱に入ってから30日経過すると自動的に削除される仕組みです。完全に削除されたファイルは復元するのが困難なので、定期的にゴミ箱を確認しましょう。
ストレージ容量が足りなくなった
Googleドライブに数多くのファイルを保存すると、ストレージ容量が不足するケースも珍しくありません。容量不足に陥ると、ファイルのアップロードや新規作成ができなくなるので注意が必要です。
空き容量を確保するには、不要なファイルを削除しましょう。ファイルを削除するとゴミ箱に移動しますが、[完全に削除]をクリックすることでGoogleドライブから当該ファイルが消え、容量が解放されます。また、アクセスする機会が少ないファイルを圧縮するのも一案です。
頻繁に容量不足に陥る場合は、ストレージ容量を拡張する方法を検討しましょう。無料版のGoogleドライブは1ユーザーあたりのストレージ容量が15GBですが、有料版のGoogle Workspaceに登録すると30GB~5TBへの拡張が可能です。
共有ファイルを閲覧・編集できない
ファイルの共有設定を行ったものの、ファイルを閲覧・編集できない場合があります。このような問題が起きるのは、共有設定の方法が間違っている可能性があります。例えば、[リンクを知っている全員]に変更すべき箇所が[制限付き]の状態になっているようなケースです。
共有ファイルにアクセスできない場合は、ファイルのオーナーに確認しましょう。アクセス不可のファイルを開くと、[アクセス権が必要です]という画面が表示されます。
この[メッセージ]の欄に、アクセス権限を付与してほしい旨を記載し、[アクセス権限をリクエスト]をクリックすると、ファイルのオーナーにメッセージが届きます。そして、オーナーが正しい共有設定を行えばファイルにアクセスできます。
ファイルが印刷できない
Googleドライブのファイルを印刷する場合、うまく機能しないことがあります。この場合は、プリンターやWebブラウザに何らかの問題が発生している可能性が考えられます。
対処法としては、まずプリンターのソフトウェアを確認しましょう。最新のソフトウェアが更新されていない状態では、Googleドライブの印刷データをうまく反映できない場合があります。また、利用しているWebブラウザも最新の状態を保つことが重要です。Googleドライブは常にアップデートされているため、それに合わせてプリンターやWebブラウザも最新状態に更新する必要があります。
使い方や操作方法を押さえてGoogleドライブを有効活用しよう
Googleドライブの基本的な操作方法や応用的なテクニックを押さえることで、初心者の方でもツールを使いこなすことができます。その結果、単なるファイル管理ツールではなく、AIやOCR、モバイルアプリといった技術を使った高度な活用にもつながるでしょう。今回紹介した内容を参考に、Googleドライブの活用の幅を広げましょう。
電算システムでは、環境構築やコンサルティングなど、Googleサービスの導入支援サービスを提供しています。Googleドライブはもちろん、Google Workspaceのサポートにも対応しています。専門領域に精通した数多くのエンジニアが在籍しているので、スピーディかつ質の高いサポートを行えるのが強みです。「Googleサービスを活用したいが具体的なイメージが湧かない」といったお悩みを抱える方は、ぜひ電算システムへと気軽にお問い合わせください。
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