Googleドライブを導入して間もない方は、どのようにツールを使いこなせば良いか悩んでいることも多いのではないでしょうか。Googleドライブには、ファイルの管理や編集といった基本的な機能以外にもさまざまな便利な機能があるため、使い方や応用方法を理解することが活用範囲の幅を広げます。
本記事では、Googleドライブの基本的な使い方や便利なテクニックを解説します。Googleドライブをビジネスシーンで最大限に活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
Googleドライブとはクラウド上でファイル管理ができるストレージサービス
Googleドライブとは、Googleが提供するクラウド型のストレージサービス(クラウドストレージ)です。自社でファイルサーバーを用意する必要がなく、Webブラウザ上のサービスにログインするだけでファイルの保管や検索ができます。
インターネットに接続されている状態であれば、データが常に同期されているため、複数人が同時にファイルを閲覧したり共同編集を行ったりと、個人だけでなくチームでの利用も可能です。無料版のGoogleドライブは、保存できるファイルの容量が1ユーザーあたり15GBに制限されていますが、有料プランに契約することで30GB~5TBまで拡張できます。
Googleドライブの基本的な使い方がわかる7つのステップ
Googleドライブの基本的な使い方について、次の7つの手順に分けて解説します。
- Googleアカウントにログイン・Googleドライブにアクセスする
- 既存のファイルをアップロードする
- 一からファイルを作成する
- 蓄積されたファイルを整理する
- チーム内でファイルやフォルダを共有する
- ファイルやフォルダを検索する
- ファイルのダウンロードやバックアップを行う
手順ごとの進め方やポイントを押さえましょう。
1. Googleアカウントにログイン・Googleドライブにアクセスする
Googleドライブにアクセスするには、Googleの公式サイトにアクセスし、アプリ一覧から[ドライブ]を選択します。
Googleアカウントのログイン画面が表示されるので、Gmailアドレスとパスワードを入力します。
Googleアカウントにログイン後、Googleドライブの管理画面にアクセスできます。なお、Googleアカウントの作成方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2. 既存のファイルをアップロードする
Googleドライブでは、ファイルサーバーなどに保存された既存ファイルをアップロードできます。アップロードしたファイルはGoogleドライブ上で閲覧・編集が可能です。文書ファイルはもちろん、画像や動画、音声、プレゼン資料など、さまざまなファイル形式に対応しています。
Googleドライブにファイルをアップロードする際は、まず管理画面の左上にある[新規]をクリックします。表示された項目から、[ファイルをアップロード]または[フォルダをアップロード]を選択します。ローカルストレージが表示されるので、目的のファイルやフォルダを指定しましょう。
アップロードされたファイルやフォルダは、Googleドライブのマイドライブ内に保存されています。ファイルをダブルクリックすることで閲覧や編集が可能です。
3. 一からファイルを作成する
Googleドライブでは、ファイルを一から作成することも可能です。GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleスライドなど、ワンクリックで各種Googleサービスの編集画面にアクセスできます。
一からファイルを作成するには、まず[新規]のボタンをクリックします。
GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなど、ファイルを作成したいGoogleサービスを選択しましょう。
例えば、[Googleドキュメント]をクリックすると、Googleドキュメントが起動し、新規編集画面が表示されます。
編集完了後の内容は自動的に保存されます。保存されたファイルはGoogleドライブのマイドライブ内に格納され、いつでも閲覧や再編集が可能です。
4. 蓄積されたファイルを整理する
Googleドライブを使用していると、多くのファイルが蓄積され、検索性や視認性が悪化する恐れがあります。そのため、定期的にファイルを整理するのがおすすめです。ファイルの整理方法としては、次のような手段があげられます。
- 複数のファイルをフォルダに格納する
- 不要なファイルを削除する
- ファイルのテーマごとにスターを付ける
フォルダを使ってファイルを整理するには、管理画面左上の[新規]から[新しいフォルダ]をクリックします。同時にフォルダの名称を設定しましょう。
マイドライブにアクセスし、複数のファイルを選択したうえで作成したフォルダにドラッグ&ドロップすれば完了です。
不要なファイルを削除する場合は、ファイルを選択した状態で画面上部のゴミ箱マークをクリックします。
ファイルにスターを付けるには、ファイルの右側にある三点リーダをクリックし、[整理 > スターを付ける」の順に選択します。
その後、画面左側の[スター付き]をクリックすると、スター付きのファイルが一覧で表示されます。
Googleドライブ内を整理することで、素早く目的のファイルにアクセスできます。上記の方法を使って、定期的にファイルを整理しましょう。
5. チーム内でファイルやフォルダを共有する
Googleドライブに保存されたファイルは、ほかのユーザーとの共有が可能です。Googleアカウントでユーザーを招待できるほか、ユーザーやファイルごとに閲覧権限や編集権限を与えられます。
設定する際は、共有したいファイルを選択した状態で、三点リーダから[共有 > 共有]の順にクリックします。
共有画面が開くので、[ユーザー、グループ、カレンダーの予定を追加]の項目に招待したいGoogleアカウント名やGmailアドレスなどを入力しましょう。
招待する際にファイルに対する権限を設定できます。閲覧者はファイルの閲覧のみ、閲覧者(コメント可)はファイルの閲覧とコメント添付、編集者は閲覧・コメント添付・編集が可能です。権限設定後、[送信]をクリックするとファイルを共有できます。
また、専用のURLを発行して共有することも可能です。その場合は、[一般的なアクセス]の項目を[制限付き]から[リンクを知っている全員]に変更します。
あわせて隣の項目の閲覧者や編集者といった権限も設定しましょう。例えば、閲覧者に設定した場合、共有リンクを知っている全員に閲覧権限が付与される仕組みです。
共有リンクをほかのユーザーに通知するには、[リンクをコピー]をクリックし、メールやチャットで送信しましょう。
6. ファイルやフォルダを検索する
特定のファイルやフォルダを検索するには、Googleドライブの画面上部にある検索欄にキーワードを入力します。仮に「3月5日の会議資料」というタイトルのファイルを検索したいなら、「3月5日」や「会議資料」といったキーワードで検索することで目的のファイルがヒットします。
Googleドライブでは、さらに詳細な検索が可能です。検索欄の右側にある検索オプションのボタンをクリックすると、詳細な検索画面が表示されます。
この画面では、ファイルの種別や管理者の名前、保管場所、更新日などの条件を指定してファイルを検索できます。キーワードで検索した際に類似ファイルが多くヒットする場合は、より詳細な条件を指定して検索すると良いでしょう。
7. ファイルのダウンロードやバックアップを行う
Googleドライブに保存されたファイルをダウンロードすると、ローカルストレージにデータを移行できます。ダウンロードしたファイルはそのままGoogleドライブ内に残るため、ローカルストレージとGoogleドライブに同様のファイルを保管してバックアップを取る際に有効です。
ファイルをダウンロードするには、特定のファイルを選択した状態で三点リーダをクリックし、そのなかから[ダウンロード]を選択します。
保存するローカルストレージが開くので、任意の場所を指定すれば完了です。なお、Googleドライブのファイルのダウンロード方法や問題発生時の対処法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
モバイル版Googleドライブの使い方
GoogleドライブはWebブラウザ版のほかにもモバイル版が用意されています。モバイル版を利用すると、スマートフォンやタブレットでGoogleドライブにアクセスできます。モバイル版の使い方について詳しく解説します。
モバイルアプリをインストールする方法
Googleドライブのモバイル版を利用するには、モバイルアプリをインストールする必要があります。iOSとAndroidそれぞれのモバイルアプリが用意されています。
- iOS:App Storeからダウンロード
- Android:Google Playからダウンロード
ダウンロードが完了すれば端末にモバイルアプリをインストールします。利用する際にGoogleアカウントが必要なので、Gmailアドレスとパスワードを使ってログインしましょう。
ファイルをアップロードする方法
モバイルアプリでファイルをアップロードする手順は次の通りです。
- Googleドライブのトップページで[+]のアイコンをタップ
- [アップロード]を選択
- ローカルストレージからアップロードするファイルを選択
アップロードの方法はWebブラウザ版の手順と変わりません。文書データや画像、動画、音声など、モバイルアプリでもさまざまな形式のファイルをアップロードできます。
また、モバイルアプリのデータはWebブラウザ版と同期されています。そのため、モバイルアプリでアップロードしたファイルは、Webブラウザ版からでも閲覧や編集が可能です。
ファイルを共有する方法
モバイルアプリでファイルを共有する手順は次の通りです。
- 共有したいファイルをタップして選択
- 三点リーダをタップして、そのなかから[共有]を選択
- 共有設定画面が開くので、Googleアカウントの追加や権限設定を行う
共有設定画面の使い方はWebブラウザ版と同様です。共有したいユーザーのGoogleアカウントを追加して個別に権限を設定できます。また、共有リンクを発行してファイルの権限を設定することも可能です。
Googleドライブをより便利に活用するテクニック5選
基本的な操作方法を理解した後は、Googleドライブのより便利な活用方法を押さえましょう。Googleドライブでは次のようなテクニックが使えます。
- データの使用容量を確認する
- オフラインでファイルを編集する
- 組織やグループでまとめてファイルを管理する
- PDFや画像をテキストデータに変換する
- Geminiの仕組みをGoogleドライブに採り入れる
それぞれ手順や活用方法を解説します。
データの使用容量を確認する
Googleドライブの使用容量は、管理画面のトップページに表示されています。
また、[保存容量]をクリックすると、より詳細なデータを確認できます。
保存容量はGoogleドライブのみではなく、GmailやGoogleフォトも含めたGoogleアカウント全体でカウントされる仕組みです。Googleドライブの保存容量を確認すると、Googleドライブ・Gmail・Googleフォトそれぞれの使用容量を把握できます。
また、ファイルごとの使用容量が表示されるのもポイントです。使用容量ごとに昇順・降順でファイルを並び替えられるため、容量の大きいファイルを削除する際に役立ちます。
オフラインでファイルを編集する
Googleドライブに保存したファイルはオフライン状態でも編集できます。オフライン編集を行いたいファイルを選択した状態で三点リーダをクリックし、[オフラインで使用可能にする]を選択します。
これでインターネットにつないでいない状態でも編集が可能になりました。
ただし、オフライン状態では編集した内容が同期されません。再びオンライン状態になった際にデータが同期される仕組みです。
組織やグループでまとめてファイルを管理する
Googleドライブに保存したファイルはマイドライブに蓄積されます。一方、グループやチーム単位で特定のファイルを共有する場合は、共有ドライブを利用するのがおすすめです。個人ではなく組織全体の保存容量が適用されるため、より幅広い種類のファイルを共有するのに向いています。
共有ドライブに保存したファイルの権限は、管理者の設定が反映されます。また、共有中のユーザーが組織から離脱しても、共有ドライブ内にファイルが残るため、「重要メンバーの退職によってファイルが使えない」といったことも起こりません。
ただし、共有ドライブを利用するには、有料プランへの契約が必要です。Googleドライブの保存容量を増やしたり、大規模な組織で活用したりと、無料プランで限界を感じ始めた際に導入することをおすすめします。
PDFや画像をテキストデータに変換する
GoogleドライブのOCR機能を利用することで、本来は編集が困難なPDFや画像をテキストデータに変換できます。テキスト化によってGoogleドキュメントでの編集が可能です。
OCR機能を利用するには、PDFや画像をGoogleドライブにアップロードします。そして、そのファイルを選択した状態で三点リーダをクリックし、[アプリで開く > Googleドキュメント]を選択しましょう。
テキスト化には少し時間がかかります。処理が完了すると、Googleドキュメントが開き、PDFや画像内の情報がテキスト化された状態で表示されます。後はGoogleドキュメントの基本的な操作に則り、テキストを太字にしたり色を変えたりと自由に編集が可能です。
GoogleのOCRにはAI技術が活用されています。AIがテキストの情報を自動的に解析できるため、一般的なOCRサービスに比べて認識率が向上します。
Geminiの仕組みをGoogleドライブに採り入れる
GoogleドライブはGeminiの技術を採り入れることが可能です。Geminiとは、Google Chromeに標準搭載されている生成AI技術で、テキストによる質問や指示に対してAIが適切な回答を返してくれます。
Googleドライブで利用できる機能は「Gemini in Googleドライブ」と呼ばれています。Googleドライブの管理画面にログイン後、右上にある[Geminiに相談]のアイコンをクリックすると起動します。
Gemini in Googleドライブを利用すると、次のようなことが可能になります。
- ドキュメントファイルの内容を要約する
- 複数のファイルから必要な情報を集約する
- 質問形式によって特定のファイルを検索する
- ファイルの内容をまとめたうえで新しい資料やメールの下書きを作成する
利用するには有料プランへの契約が必要です。
Googleドライブの使い方に関するよくある疑問
Googleドライブを利用するうえで、よくある疑問をまとめています。以下の内容を参考にGoogleドライブに関する理解を深めましょう。
無料アカウントの容量は?
Googleドライブの無料アカウントは、1ユーザーあたり15GBの容量に制限されています。保存容量を超えると、Googleドライブにファイルをアップロードできません。また、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどで新規ファイルを作成できなくなる点にも注意が必要です。
上記の容量にはGoogleドライブ以外に、GmailのメールやGoogleフォトの画像も適用されます。例えば、Googleドライブの使用容量が10GB、Gmailが4GB、Googleフォトが3GBだとすると、計17GBとなり無料アカウントの容量上限を超えることになります。
容量不足を解消するには?
Googleドライブの容量不足の問題を解消するには、定期的に不要なファイルを削除するのがおすすめです。Googleドライブだけでなく、Gmailの不要なメールやGoogleフォトの不要な画像を削除するのも良いでしょう。削除したファイルやメールはゴミ箱に移動し、ゴミ箱から完全に削除することで容量が解放されます。
また、有料プランであるGoogle Workspaceに登録し、容量を拡張するのも一つの方法です。最安値プランのBusiness Starterでも1ユーザーあたり30GB、上位プランのBusiness Plusになると5TBの容量へと拡張できます。
有料プランでは組織全体で容量がプールされる仕組みです。プールされる組織全体の容量は、「1ユーザーあたりの契約容量 × 契約ユーザー数」で算出されます。
削除したファイルは復元できる?
削除したファイルがゴミ箱に残っている場合は復元が可能です。Googleドライブのゴミ箱にアクセスし、ファイルを選択した状態で三点リーダから[復元]をクリックすると、もとの場所にファイルが戻ります。
Google Workspaceに登録している場合は、管理者側でファイルを復元することも可能です。ゴミ箱から完全にファイルを削除した状態でも、完全削除したタイミングから25日以内であれば復元できます。
Googleドライブの使い方や応用方法を理解しよう
Googleドライブは、操作方法や便利なテクニックを知っているか否かで活用範囲が大きく変わります。最大限に活用すればファイルの管理や編集だけでなく、オフライン編集やOCR、Geminiなどの機能を使って、さまざまな場面でGoogleドライブを使いこなせます。今回紹介した使い方や応用方法を参考に、Googleドライブの最適解を見つけてみてください。
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