Gmailを利用している際、「一つひとつの受信メールを削除しなければならず、手間がかかる」と悩んでいるケースも多いのではないでしょうか。特に日頃から数多くのメールを受信する場合、このような作業ではコア業務に注力する時間が失われてしまう可能性があります。
そこで、一括削除の方法を利用するのがおすすめです。Gmailでは、チェックボックスへのチェックやアイコンのクリックといった簡易的な操作のみで、容易に複数のメールを一括削除できます。メールの整理にかかる時間を短縮することで、業務効率化や生産性向上につながります。
本記事では、Gmailのメールを一括削除する方法や条件を指定して削除する方法を解説します。削除する際の注意点や便利なテクニックも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
【パソコン版】Gmailのメールを一括削除する方法
Gmailのメールを一括削除する際は、パソコンとスマホで方法がやや異なります。そこで、まずはパソコンにおける一括削除の方法から解説します。
メールを一括削除する手順は次の通りです。
1,パソコンからGmailにアクセスし、受信トレイを開く
2,メール一覧の上部にあるチェックボックスにチェックを入れる

3,受信トレイの1ページ目のメールがすべて選択された状態になる
4,その状態で[メインのスレッド○○件をすべて選択]をクリック

5,画面上部のゴミ箱のアイコンをクリック

Gmailでは、チェックボックスの機能を利用すると、特定のメールのみをまとめて選択できます。初期状態ではページ内のメールのみしか選択できないため、受信トレイにあるすべてのメールを削除したい場合は、[メインのスレッド○○件をすべて選択]をクリックしましょう。
そして、ゴミ箱のアイコンをクリックするだけで、手軽にメールの一括削除が可能です。アイコンをクリックしなくても、右クリックメニューの[削除]をクリックすると同様の操作となります。
【スマホ版】Gmailのメールを一括削除する方法
スマホの場合は、モバイルアプリからGmailにアクセスできます。しかし、Gmailのモバイルアプリはメールの一括削除を利用できないため、スマホのWebブラウザからGmailにアクセスする必要があります。
具体的な手順は次の通りです。
- スマホからGoogle ChromeやSafariなどのWebブラウザを開く
- Gmailを検索して管理画面にログイン・アクセスする
- Webブラウザの設定からパソコン用のWebサイトに切り替える
- 受信トレイを開き、メール一覧の上部にあるチェックボックスにチェックを入れる
- 受信トレイの1ページ目のメールがすべて選択された状態になる
- その状態で[メインのスレッド○○件をすべて選択]をクリック
- 画面上部のゴミ箱のアイコンをクリック
最初にWebブラウザ版のGmailにアクセスすると、スマホ用にレイアウトが調整された画面が表示されます。しかし、この状態ではモバイルアプリと同様、一括削除の機能を利用できません。そのため、設定からパソコンと同じレイアウトの画面に切り替える必要があります。
Androidの場合は、Webブラウザの右上にある三点リーダをタップし、[PC版サイト]の項目にチェックを入れましょう。iPhoneの場合は、Webブラウザの上部にある共有ボタンをタップします。そして、画面下部の一覧を左にスライドし、[デスクトップ用サイトを表示]をタップしましょう。
すると、パソコンと同じレイアウトの画面が現れます。後の手順はパソコンのときと同様で、受信トレイを開き、必要なメールを選択してゴミ箱アイコンをタップするだけです。
Gmailで条件を指定してメールを一括削除する方法
Gmailには演算子の機能があり、受信トレイやフォルダから特定のメールのみを絞り込めます。そのため、例えば、既読メールのみを絞り込んで一括削除することも可能です。演算子を用いたメールの一括削除方法には、次のような種類があります。
- 既読メールのみ一括削除
- 未読メールのみ一括削除
- 特定の日付以前のメールのみ一括削除
- 特定の送信先アドレスのメールのみ一括削除
- CCやBCCの宛先を絞り込んで一括削除
- 広告メールのみ一括削除
- ファイルを添付したメールのみ一括削除
- 容量の大きいメールのみ一括削除
- 特定のキーワードを含むメールのみ一括削除
それぞれの設定方法や削除方法を解説します。
既読メールのみ一括削除
既読メールのみ一括削除する場合は、「is:read」の演算子を利用します。試しに受信トレイを開き、上部の検索バーに「is:read」を入力してみましょう。

すると、受信トレイに表示されているメールが、既読メールのみとなります。後の流れは先ほど紹介した一括削除の方法と同じです。受信トレイの上部にあるチェックボックスにチェックを入れ、[この検索条件に一致するすべてのスレッドを選択]をクリックします。

そして、ゴミ箱のアイコンをクリックすれば、受信トレイ内のすべての既読メールが削除されます。

未読メールのみ一括削除
未読メールのみ一括削除する場合は、「is:unread」の演算子を利用します。検索バーに「is:unread」と入力することで、現在開いているフォルダの画面に未読メールのみが表示されます。後の流れは既読メールを一括削除する方法と同様です。
特定の日付以前のメールのみ一括削除
特定の日付以前のメールのみ一括削除する場合は、「before:」の演算子を利用します。例えば、受信トレイで2025年4月1日より前のメールのみを表示する場合は、検索バーに「before:2025/04/01」と入力します。

そして、受信トレイの上部にあるチェックボックスにチェックを入れ、[この検索条件に一致するすべてのスレッドを選択]をクリックし、メールをゴミ箱に入れましょう。すると、2025年4月1日より前のメールがすべて削除されます。
また、「older_than:」の演算子を使ってメールを絞り込むのも一つの方法です。仮に「older_than:1y」と検索した場合は、1年以上前に受信したメールのみに絞り込めます。
特定の送信先アドレスのメールのみ一括削除
特定の送信先アドレスのメールのみ一括削除する場合は、「from:」の演算子を利用します。
検索バーに「from:」と入力し、その後の文字列にメールアドレスを打ち込むと、そのメールアドレスから受信したメールのみに絞り込める仕組みです。例えば、「from:abc@gmail.com」と入力した場合、「abc@gmail.com」のメールアドレスから受信したメールのみがフォルダ上に表示されます。

メールを絞り込めば、チェックボックスとゴミ箱アイコンをクリックして一括削除しましょう。
CCやBCCの宛先を絞り込んで一括削除
CCやBCCで届いたメールを、特定の宛先のみ指定して絞り込むことも可能です。
例えば、CCで「abc@gmail.com」のメールアドレスに届いたメールのみを絞り込みたい場合は、検索バーに「cc:abc@gmail.com」と入力して検索します。BCCの場合は、「bcc:abc@gmail.com」と入力しましょう。

メールを絞り込めば、チェックボックスとゴミ箱アイコンをクリックして一括削除が可能です。
ファイルを添付したメールのみ一括削除
ファイルを添付したメールのみ一括削除する場合は、「has:attachment」の演算子を利用します。検索バーに「has:attachment」と入力して検索すると、そのフォルダの画面に添付ファイルありのメールのみが表示されます。
また、「has:」の後ろの文字列を変更することも可能です。例えば、「has:spreadsheet」と入力すると本文にGoogleスプレッドシートのURLを含むメール、「has:youtube」の場合は本文にYouTubeのURLを含むメールに絞り込めます。
容量の大きいメールのみ一括削除
容量の大きいメールのみ一括削除する場合は、「larger:」の演算子を利用します。例えば、1MB以上のメールのみを絞り込むなら、検索バーに「larger:1M」と入力して検索しましょう。

「larger:」の反対に「smaller:」の演算子もあります。「smaller:」は指定したサイズ以下のメールを絞り込める演算子です。仮に2MB以下のメールのみを絞り込む場合は、検索バーに「smaller:2M」を入力します。
広告メールのみ一括削除
広告メールのみ一括削除する場合は、「category:」の演算子を利用します。検索バーに「category:promotions」と入力して検索すると、そのフォルダの画面に広告メールのみが表示されます。

「category:」の演算子は別の使い方もあります。例えば、「category:social」と入力するとSNSの通知メール、「category:primary」の場合は重要なメールに絞り込める仕組みです。
特定のキーワードを含むメールのみ一括削除
Gmailでは、特定のキーワードを含むメールのみ一括削除することも可能です。この場合は演算子を利用せず、検索バーに検索したいテキストを入力します。

検索したテキストがメールの件名や本文に含まれている場合、そのメールを優先的に表示する仕組みです。例えば、「営業資料」と検索すると、メールの件名や本文に「営業資料」と記載されているメールのみに絞り込めるため、特定のキーワードでメールを限定して容易に一括削除が可能です。
Gmailで削除したメールを受信トレイに戻す方法
Gmailで削除したメールは、条件を満たすことで復元が可能です。復元する際は注意点もあるので、そのポイントと復元方法を解説します。
削除したメールの復元方法
Gmailでメールを削除すると、そのメールは一時的にゴミ箱のなかに保存されます。削除したメールでもゴミ箱のなかに残っていれば、いつでももとの状態に戻すことが可能です。
ゴミ箱から受信トレイや特定のフォルダに戻す方法は次の通りです。
1,Gmailのメニューバーから[ゴミ箱]をクリック

2,もとに戻したいメールを選択

3,その状態で画面上部のフォルダアイコンをクリック

4,メールを戻す場所を選択
ゴミ箱のなかに入っているメールは、削除してから30日が経過すると自動的に消えます(完全削除)。完全削除されたメールは、上記の手続きでも復元できないので注意が必要です。なるべくゴミ箱に入れる前に本当に削除して良いファイルかを確認したり、復元が必要なメールは速やかに手続きを行ったりすることが大切です。
Google Workspaceを使った復元方法
Google Workspaceとは、有料版のさまざまなGoogleサービスが搭載されたグループウェアです。GmailやGoogleドライブ、Google Meet、Googleカレンダーなど、社内コミュニケーションに役立つ幅広い種類のサービスを有料版にアップグレードできます。
有料版のGmailでは、30日が経過してゴミ箱のなかからメールが削除されても、その後25日間は復元ができます。Google Workspaceでのみ利用できる管理コンソール上から、次のような手順で復元が可能です。
- 管理コンソールにログイン
- メニューバーから[ディレクトリ > ユーザー]の順にクリック
- 対象ユーザーにカーソルを合わせ、[その他のオプション > データを復元]の順にクリック
- 復元するデータの対象期間と種類(Gmail)を選択
Google Workspaceには、無料版では利用できない幅広い種類のセキュリティ機能やサポートが用意されています。また、Googleドライブの容量やGoogle Meetの参加可能人数を拡張できるのも利点です。
Google Workspaceの特徴や機能に関しては、こちらの記事で解説しています。
Gmailのゴミ箱からメールを一括削除する方法
Gmailでメールを削除する際は、単にゴミ箱に移動するだけではなく、ゴミ箱からも完全削除するのがおすすめです。メールを完全削除することでストレージ容量が解放され、空き容量が多い状態でGmailを利用できます。
ここでは、ゴミ箱からメールを削除する仕組みと、その手順を解説します。
ゴミ箱からメールを削除する仕組み
ゴミ箱からメールを完全に削除する方法は次の通りです。
1,Gmailのメニューバーから[ゴミ箱]をクリック

2,[ゴミ箱を今すぐ空にする]をクリック

これでゴミ箱のなかにあるすべてのメールが完全に消えます。
また、ゴミ箱のなかのメールを個別に選択する場合は、次の手順で進めましょう。
1,削除したいメールにチェックを入れる

2,その状態で上部の[完全に削除]をクリック

一つひとつチェックするのが面倒な場合は、チェックボックスの機能をうまく活用しましょう。画面上部にあるチェックボックスの右隣の下矢印をクリックすると、[既読]や[未読]などの選択肢が現れます。

例えば、[既読]にチェックを入れると、ゴミ箱のなかの既読メールをすべて選択した状態になるため、より効率的にメールを削除できます。
Gmailで不要なメールを削除しない場合のデメリット
Gmailのメールを削除せずに放置していると、いくつかのデメリットが発生します。
最も大きな影響は、メールボックスの容量が増え続け、結果的にGmailのストレージを圧迫してしまう点です。Googleアカウントのストレージ容量は無料版で15GB、無料版で30GB~5TBとユーザーごとに設定されており、そのなかにはGmailのメールだけでなく、GoogleドライブのファイルやGoogleフォトの画像なども含まれています。そのため、Gmailでストレージを圧迫すると、その分、GoogleドライブやGoogleフォトに保存できるデータが少なくなります。
また、メールを削除しないままにしておくと、大切なメールが埋もれてしまったり、検索結果が煩雑になってしまったりして、必要な情報を見つけにくくなることもあります。受信トレイやフォルダを常にすっきり保つためにも、不要なメールは削除またはアーカイブして整理するのがおすすめです。
Gmailのメールを一括削除する際の注意点
Gmailのメールを一括削除する際は、次の点に注意が必要です。
- メールを完全削除すると内容を確認できなくなる
- バックアップを取る
- ほかのユーザーへの確認を行う
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
メールを完全削除すると内容を確認できなくなる
Gmailのゴミ箱からメールを完全削除すると、そのメールの内容は二度と確認できなくなります。後から見返す必要があるかもしれない場合は、アーカイブフォルダへ移動させておくなど、必要なときにすぐ参照できる状態にしておくのが理想です。
完全に削除する前は、あらためてそのメールの重要度を見極めたうえで対応しましょう。メールボックスの整理においては、削除だけでなくアーカイブの活用によっても対応できるケースが多いため、削除以外の選択肢についても検討することが大切です。
バックアップを取る
誤操作により、大切なメールを完全に削除してしまうケースも考えられます。こうした予期せぬ事態に備えるためにも、定期的なバックアップの実施が安心につながります。
Gmailのメールは、Googleアカウントの管理画面からバックアップの設定が可能です。次の手順に沿って設定を行いましょう。
- Googleアカウントの管理画面にアクセス
- 左側のメニューバーから[データとプライバシー]をクリック
- [データをダウンロード]の項目をクリック
- [メール]の項目にチェックを入れ、[次のステップ]をクリック
- エクスポート先やバックアップの頻度、ファイル形式などを選択
- [エクスポートを作成]をクリック
万が一、重要なメールを削除してしまっても、バックアップデータがあれば、削除前の状態にさかのぼって内容を確認することが可能です。
ほかのユーザーへの確認を行う
Gmailを複数人で管理する際には、誰かが受信フォルダ内のメールを削除すると、ほかのユーザーはそのメールを確認できなくなってしまいます。したがって、メールを削除する際は、ほかのユーザーへの確認が欠かせません。
複数人で運用する際の削除対応には、特に注意が必要です。個人の判断だけで削除を行うのが適切でないケースも多いため、事前に社内でルールを確認し、合意のもとで対応することをおすすめします。
Gmailのメールを一括削除する際の便利なテクニック
Gmailのメールを一括削除する際は、フィルタやアーカイブの機能を活用し、より手軽に作業を進められる可能性があります。それぞれの機能の仕組みや使い方を解説します。
フィルタ機能の活用
フィルタとは、任意の条件で特定のメールを絞り込む機能です。さらにフィルタには、絞り込んだメールに対して特定のアクションを自動的に実行する機能が備わっています。
そのため、フィルタをうまく活用すれば、メールを受信したタイミングで、自動的にゴミ箱に移動するといった処理が可能です。手動でメールを削除する手間を抑えられるメリットがあります。
フィルタを利用するには、まず検索バーの右側にある検索オプションをクリックします。

すると、フィルタの条件設定画面が現れるので、目的に沿って設定を行いましょう。

例えば、「abc@gmail.com」のメールアドレスから受信したメールのみ絞り込む場合は、[From]の項目に「abc@gmail.com」と入力します。そして、画面下部の[検索]をクリックしましょう。
続いて、[メールが検索条件と完全一致する場合]と記載された画面が現れます。ここでは、フィルタ条件に該当したメールに対して、どのように自動処理を行うかを決定します。そのため、今回は[削除する]にチェックを入れ、[フィルタを作成]をクリックしましょう。

これでフィルタの設定は完了です。上記の設定では、次回から「abc@gmail.com」のメールアドレスからメールを受信すると、自動的にそのメールがゴミ箱に移動するようになります。条件次第でさまざまな設定が可能なので、試してみてください。
アーカイブ機能の活用
受信トレイから特定のメールを削除したいものの、ゴミ箱に移動するほどでもないといったケースでは、アーカイブ機能が役立ちます。アーカイブ機能を使えば、対象のメールを専用フォルダに保管しておくことができるため、受信トレイをすっきり整理したいときに便利です。
アーカイブを行うには、受信したメールを選択した状態で、画面右側に表示される[アーカイブ]アイコンをクリックしてください。すると、そのメールがアーカイブフォルダに移動します。

アーカイブされたメールを確認するには、まずメニューバーから[すべてのメール]をクリックします。この時点で、受信トレイや迷惑メールなど、すべてのフォルダに含まれるメールが一覧で表示されます。続いて、アーカイブされたメールだけを抽出するために、検索バーに「-in:spam -in:trash -is:sent -in:drafts -in:inbox」と入力します。

これでアーカイブフォルダに保存されたメールのみが画面上に表示されます。
Gmailのメールを一括削除して検索性や利便性を高めよう
Gmailに保存されたメールは定期的に整理することをおすすめします。不要なメールを削除して受信トレイやフォルダを綺麗な状態にすることで、必要な情報を探しやすくなり、検索性が向上します。また、ゴミ箱からメールを完全削除すると、ストレージの空き容量が増えるのも利点です。
ただし、手動でメールを削除する場合、受信するメールの数によっては大きな手間が発生します。そのため、フィルタやアーカイブなどの機能を活用し、効率的にメールを整理できる環境を整えるのがおすすめです。
電算システムでは、環境構築やコンサルティングなど、Googleサービスの導入支援サービスを提供しています。GmailやGoogleドライブといった個別のサービスはもちろん、Google Workspaceのサポートにも対応しています。専門領域に精通した数多くのエンジニアが在籍しているので、スピーディかつ質の高いサポートを行えるのが強みです。「Googleサービスを活用したいが具体的なイメージが湧かない」といったお悩みを抱える方は、ぜひ電算システムへと気軽にお問い合わせください。
- カテゴリ:
- Google Workspace
- キーワード:
- gメール 一括削除

