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データサイエンスとは蓄積した情報の分析手法!
活用シーンやおすすめのサービスを解説

 2023.07.11  2023.07.12

業務システムやクラウドサービスの多様化、デジタルデバイスの進化などにより、昨今では企業内に膨大なデータを蓄積できるようになりました。このような環境下において、経営の意思決定や戦略策定にデータを有効活用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

データサイエンスは、組織に蓄積された膨大な量のデータを、体系的・法則的に整理する手法です。その結果、ビジネスにおける課題の特定や新たな知見の発見につながるため、より効率的な事業展開へと結びつきます。

本記事では、データサイエンスの考え方や活用シーン、分析方法を詳しく解説します。データサイエンスを実施するための手順も紹介していますので、明日からでもデータドリブンな経営活動を始めたい方は、ぜひ参考にしてください。

データサイエンスとは蓄積した情報の分析手法!活用シーンやおすすめのサービスを解説

データサイエンスとは?注目を集めている理由も解説

データサイエンスはさまざまな分野・業界で注目されています。この章では、データサイエンスの基礎知識や注目されている理由について解説します。

データサイエンスとは事業で蓄積した情報の分析手法

データサイエンスとは、大量のデータを体系的・法則的に整理し、課題解決や新たな知見の発見につなげる分析手法です。

近年は、デジタルデバイスやサードパーティー(自社とは異なる第三者が運営する媒体)を介し、見込み客や顧客に関係する実にさまざまなデータを収集できます。しかし、このようなデータは加工されておらず(=生データ)、その情報から特定の意味を見出すのは困難です。

そこで、統計学や機械学習モデルなどを用い、生データ同士に法則性や関連性を持たせる必要があります。結果として、蓄積されたデータに何らかのパターンや意味が生まれるため、ビジネスにおける課題や成功法則の特定につながります。このように、もともと意味を持たないデータを統合・分析し、価値あるものへと生まれ変わらせるのがデータサイエンスの仕組みです。

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データサイエンスが注目を集めている理由

データサイエンスの歴史は、近年になってから始まったわけではありません。コンピュータによるデータ処理技術やリレーショナルデータベース技術が開発された1960~70年代には、すでにデータサイエンスの活用が進んでいました。

しかし、企業に蓄積されたビッグデータの処理・解析技術が発達したのは、2010年代に入ってからのことです。同時にディープラーニングや機械学習など、人工知能技術の発展も相まって、近年ではデータサイエンスに大きな注目が集まるようになりました。

その後はビジネス分野以外にも、医療や農業、地方創生といった幅広い領域で、データサイエンスの利活用が進んでいます。今後も応用範囲の拡大に伴い、さらなる需要の増加が期待されています。

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データサイエンスの活用シーン4選

データサイエンスの具体的な活用シーンを理解すると、自社に導入する際のイメージを深められます。ここでは、代表的な4つの活用シーンをご紹介します。

  • 小売
  • Webサービス
  • 医療
  • 地方創生

小売

データサイエンスの利活用が進んでいる分野の一つとして、小売業が挙げられます。小売業では、実店舗やECサイトなどを通じて、実にさまざまなデータを取得できます。例えば、店舗への来店客数やECサイトの購買履歴、メールマガジンを通じたクーポンの取得率などが代表的です。このようなデータを有効に活用することで、顧客ニーズの深掘りや販売効率の向上につながります。

また、店舗やECサイトの在庫データを一元的に管理する、OMOマーケティングにもデータサイエンスの考え方を活用できます。各店舗における商品の流動性を分析することで、機会損失の抑制や品揃えの最適化へと効果を発揮するためです。

Webサービス

Webサービスも、データサイエンスと相性の良い領域です。Webサービスを活用して事業を展開している場合は、ファーストパーティーやサードパーティーを含め、数多くのデータを収集できるためです。

Webサービスから取得できるデータには、次のような種類があります。

  • Web広告:インプレッション数、クリック率、コンバージョン率など
  • Webサイト:PV、回遊率、リード獲得数、顧客への転換率など
  • ECサイト:購入率、リピート率、顧客単価など
  • SNS:エンゲージメント率(いいねやシェアの割合)、リファラル(紹介)数など
  • 動画配信サイト:視聴回数、高評価数、他媒体への遷移数など
  • メールマガジン:開封率、クリック率、クーポン取得率など

また、見込み客や顧客の年齢、性別、居住地といった属性データを取得しやすいのも、Webサービスを活用するメリットです。さまざまなWebサービスから取得した属性データや行動履歴の情報は、顧客への理解促進や施策の改善に大きな効果を発揮します。

ただし、近年はプライバシー保護の観点から、サードパーティーデータの活用に対して規制が厳格化されつつあります。そのため今後は、Webサイトやモバイルアプリなど、企業が自ら取得したファーストパーティーデータがより重要となる可能性が考えられるでしょう。

医療

個別化医療への関心が高まる昨今では、医療分野においてもデータサイエンスの利活用が進んでいます。個別化医療とは、患者一人ひとりの生体分子情報を解析し、個々の治療効果や副作用を予測したうえで適切な治療を施す方法です。個別化医療の実現には、データサイエンスの考え方やビッグデータの解析技術が欠かせません。

ビッグデータ解析技術が発展した現代では、個々人の生体分子情報を的確に予測することも決して不可能なことではありません。医療機関などに集積した大規模なデータを有効活用することで、患者一人ひとりに合わせた精密な医療の実現が近づいています。

地方創生

課題の要因を特定する際に役立つデータサイエンスは、全国各地の自治体からも注目を集めています。各地域における人口流出の原因や来訪者の動向などを分析することで、地方創生に効果を発揮するためです。

例えば、各自治体の公式サイトでは、人口動態や財務、福祉などの情報がまとめられた、住民基本台帳を公開しているケースも珍しくありません。管轄地域のみでなく、地方移住の成果が現れている地域や、インバウンドによる収益が大きい地域の傾向をつかむには、住民基本台帳のようなデータが役立ちます。また、空き家の実態を可視化し、行政サービスのコスト削減を実現している自治体も存在します。

データサイエンスの4つのプロセス

データサイエンスを実行に移すには、以下4つのプロセスを経由します。

  1. データ収集・格納
  2. データ加工
  3. データ統合
  4. データ分析

蓄積されたデータが意味を持つよう人工的に加工する場合は、その目的や意図だけでなく、どのような方法で手を加えるかによって、最終的なデータの意味合いに変化が生まれます。自社にとって適正な意味を持つデータになるよう、適切な手順を理解することが大切です。

1. データ収集・格納

必要なデータの種別を特定し、集積したデータを格納場所へ保管します。ここで取り扱うのは、まだ未加工の状態である生データです。ファーストパーティーやサードパーティーなど、あらゆる媒体から必要なデータを抽出し、データベースに情報を集約するのが一般的です。

例えば、見込み客から受け取った名刺に記載されている情報は、まったく加工が施されていない生データにあたります。このような生データは、システムに手入力で登録する、あるいはCSVファイルなどを経由してデータベースに取り込む必要があります。

データの収集方法には、見込み客や顧客とのコミュニケーション履歴を参照するほか、解析ツールに集約された情報を活用できます。また、二次利用が可能なオープンデータやアンケート調査といった方法も効果的です。

2. データ加工

収集したデータには、重複や欠損、外れ値といった不正確な情報が含まれているケースがあり、そのまま分析に使用すると誤った結果が現れてしまいます。そのため、データの形式に整合性を持たせる前処理や、不正確なデータを特定・修正するためのクレンジングなどの加工が必要です。

前処理にはさらに、データ変換やスケーリングなどの加工方法があります。例えば、「男性=0、女性=1」など、機械が正確に情報を読み取れるようにデータを変換する手法が一般的です。

このような作業には、専門的な知識や技術が必要です。しかし最近では、データの抽出や加工、統合などを簡易的な操作のみで実行できるETLと呼ばれるツールも登場し、技術的なハードルが下がりつつあります。

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3. データ統合

さまざまなデータを特定のデータベースに集約し、必要に応じて前処理やクレンジングなどを行っても、まだ分析には至りません。一般的な企業では、仕様や要件の異なる幅広いシステムを活用しており、データがばらばらの状態で保管されているためです。別々のシステムに蓄積されたデータが孤立した状態を「サイロ化」といいます。

サイロ化した状態では、個別に存在するデータ同士を組み合わせられず、効果的な分析にはつながりません。そのため、分析を行うためにはシステム連携によるデータ統合が必要です。

例えば、営業活動の効率化のため、SFA(営業支援システム)を利用しているとします。SFAには、営業案件情報やリストデータなどを保管できますが、これだけでは見込み客のニーズ特定や適切なアクションプラン策定には不十分です。そこで、より詳細な顧客情報が保管されている基幹システムや、顧客情報から問い合わせ履歴まで一元管理できるCRM(顧客管理システム)などと連携し、分析に必要なデータ同士を紐づける必要があります。

複数のシステムからなるデータを統合するには、Web APIなどを活用し、スクラッチ開発で独自のプログラムを構築する方法があります。また、ノーコードでシステム連携のフローを構築できる、EAIやiPaaSといったツールを活用するのも方法の一つです。

4. データ分析

集積したデータをビジネス戦略の決定に役立てるには、データ分析が必要不可欠です。例えば、顧客の課題やニーズ、購買行動などを分析すれば、商品・サービスの需要予測に役立つほか、顧客ロイヤルティ向上のための施策立案時に優れたアイデアが生まれる可能性があります。

データ分析を行う際は、分析機能に特化した専用のツールを活用するのが効果的です。なかでもBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールは、幅広い外部システムと連携し、データを集約できます。また、分析結果をダッシュボード上で一元管理できるため、組織内での情報共有にも効果を発揮します。

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Google Cloud 事例
Google Cloud

データサイエンスの4つの分析手法

データサイエンスの分析手法には4つの種類があります。それぞれの特徴を押さえることで、目的に応じて適切な手段を選択し、よりスムーズな課題特定や仮説立案につながります。

記述的分析

記述的分析とは、過去から現在までのデータをもとに、現状を把握するための分析手法です。売上高や購入率、コンバージョン数といった基本的なデータを、グラフやチャートで可視化します。事前に設定した目標と実績との差を比較し、異常を検知するために用いられます。

診断的分析

診断的分析とは、記述的分析によって異常を検知した際に、その発生原因を究明するための分析手法です。発生原因を見つけるためには、データの取得範囲を狭めて情報の詳細度を高めるドリルダウンや、複数の指標同士の相関性から要因を突き止める方法などを活用します。

診断的分析は記述的分析と組み合わせて、組織の課題を特定するのに効果的です。そこから課題解決につながる仮説を立て、具体的なアクションプランを構築すれば、現状で明らかになっているボトルネックの解消につながります。

予測的分析

記述的分析や診断的分析と同様、予測的分析も過去から現在までのデータを参考にします。しかし、予測的分析では、データの傾向やパターンをもとに予測モデルを構築し、将来的な需要や購買行動をシミュレーションする点で異なります。記述的・診断的分析のように、過去のデータから読み取れる事実を解釈するのではなく、今後特定の事象が起こり得る確率を導くのが特徴です。

予測的分析は、顧客の行動パターンに応じたマーケティング戦略の立案や、店舗ごとの在庫数の最適化などに効果を発揮します。また、目標達成の成功確率を導き出せるため、リスク管理にも応用できるでしょう。

処方的分析

処方的分析とは、予測的分析で明らかとなったゴールに到達するため、現在どのように行動すべきかを明確にする分析手法です。予測分析で将来的な目標を立て、具体的なアクションプランを処方的分析で決定するといったように、両者は組み合わせて活用されます。特に、管理者の立場でチームメンバーに適切な指示を出す必要がある場合は、処方的分析が効果的です。

データサイエンスを始めるなら「Google Cloud」がおすすめ

データサイエンスを導入し、よりスムーズなビジネス戦略の決定に役立てるなら、Google関連の幅広いツールが使える「Google Cloud」がおすすめです。

Google Cloud(GCP)とは?DX化の要になるクラウドサービス導入でできることやメリットを解説

Google Cloudには、データサイエンスに関する次のようなツールが搭載されており、データ収集や加工、分析などの業務効率化に寄与します。

  • DWH(BigQueryやCloud Storage):
    大容量のデータベースに膨大なデータを格納できるツール。Google CloudのDWHは、処理速度の速さに強みがあり、取り扱うデータ容量が大きい場合でも安心できる。
  • ETL(DataFusionやDataflow):
    システム間同士のデータ統合に加え、データのフォーマット変換や加工などの機能が搭載されているツール
  • BI(Looker Studio):
    さまざまなデータをダッシュボードやレポートにリアルタイムで反映できるツール。仕様の異なる幅広い外部システムからデータを集約し、一元的にデータ分析を行える。

なかでも、DWHに分類される「BigQuery(ビッグクエリ)」は、ビッグデータの蓄積から分析までワンストップでの処理を実現できます。データ容量や数量に応じてデータベースをチューニング(性能を最大限引き出すための最適化作業)する必要がなく、高速処理を行えるのが特徴です。

Google BigQueryは何がすごいのか?

Google Cloudを活用したデータサイエンスについて、基礎から学びたい方は、以下の資料をダウンロードしてみてください。

【初めてのデータ分析〜DSKマーケティングチームと一緒に学ぼう〜】

データサイエンスでデータドリブン経営を始めよう

データサイエンスとは、事業で蓄積した膨大な量のデータを分析する手法です。データサイエンスをビジネスの課題解決や経営の意思決定に活用することで、企業業績に好影響をもたらします。本記事でご紹介した内容を参考に、さっそくデータサイエンスの考え方を導入してみてはいかがでしょうか。

もし、データサイエンスの導入にあたって必要なツールを探している場合は、Google Cloudがおすすめです。Google Cloudには、DWHやETLといったデータサイエンスに役立つツールが搭載されており、データの収集・加工・分析業務の最適化につながります。

以下の資料では、Google Cloudを活用したデータ分析の基礎知識や事前準備の方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。また、電算システムでは、Google Cloud導入支援サービスをご用意しておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

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