Geminiを導入すると、リサーチや資料作成、翻訳、データ分析など、さまざまな業務の効率化につながるため、ビジネスシーンでの活用を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、Geminiから質の高い回答結果を得るには、ある程度詳細なプロンプトを入力する必要があります。そのため、Geminiを最大限に活用するためには、プロンプト入力のコツやポイントを理解しておくことが非常に重要です。
そこで本記事では、業務シーン別のプロンプトの例や、Geminiの回答精度を高めるための入力のコツなどを詳しく解説します。プロンプトの例文はそのままコピー&ペーストでも使用できます。営業メールの作成やプレゼン資料の作成など、さまざまな業務シーンを用意しているので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスでGeminiを使うならプロンプト設計が重要
GeminiはGoogle社が開発した生成AIモデルで、指示を与えることで情報収集や資料作成、文章の要約、データ分析、プログラミングなど、さまざまなタスクを自動で実行してくれます。その際に与えるテキスト形式の指示のことを「プロンプト」といいます。
簡易的なタスクであれば、「○○について教えて」や「○○に関する画像を生成して」といったシンプルなプロンプトでも対応が可能です。しかし、市場調査や戦略策定、コンテンツ企画といった複雑なタスクになるほど、ペルソナ(書き手の情報)やコンテキスト(背景や目的)、出力形式などの詳細な指示が求められます。
つまり、ビジネスシーンでGeminiを活用するには、適用する業務に合わせて事前に最適なプロンプトを設計しておくことが重要です。具体的で詳細なプロンプトをGeminiに与えることで、回答精度が高まり、本当に欲しい情報を出力しやすくなります。
【シーン別】Geminiのプロンプト例10選
Geminiは、プロンプト次第でさまざまなビジネスシーンでの活用が可能です。特に、次のようなケースにおけるプロンプトの例文を押さえておくと、Geminiに対してスムーズに指示を与えられるでしょう。
- 営業メールの作成
- プレゼン資料の作成
- 議事録の作成
- レポートの要約
- 戦略策定
- コンテンツ企画
- 広告のキャッチコピー作成
- 問い合わせメールに対する返信文の作成
- 文章の校正
- 画像生成
それぞれのシーンに沿ってプロンプトの例文を紹介します。
営業メールの作成
Geminiの代表的な活用例として、営業メールの作成があげられます。営業メールでは、相手が一目見て内容がわかる件名と、送信目的や背景などの詳細を記載するほか、丁寧なトーンを心がける必要があることから、プロンプトにも詳しい指示が求められます。
【プロンプトの例】
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あなたはBtoB企業の営業担当者です。以下の条件で、商談の日程調整を行うためのビジネスメールを作成してください。 宛先:株式会社〇〇 営業部 田中様 候補日程: トーン:丁寧かつ簡潔に。相手の状況を伺う一文も添える。 |

プレゼン資料の作成
Geminiはプレゼン資料の作成にも活用できます。ただし、簡易的なプロンプトでは汎用的なプレゼン資料が出力されたり、テーマや内容が曖昧だったりと、期待通りの資料が生成されないことが多いものです。
特に、数十ページにも及ぶプレゼン資料を作成する際は、構成の自然な流れや会議参加者を飽きさせない工夫が求められることから、詳細なプロンプトを入力することが重要になります。目的や対象者、プレゼンテーションの構成など、より具体的に指示を与えると良いでしょう。
【プロンプトの例】
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新製品「AIアシスタントPro」に関する社内キックオフミーティング用のプレゼンテーション資料を作成してください。 目的:プロジェクトメンバーに製品概要と開発スケジュールを共有し、士気を高める。 含めるべき主要なセクション: |

議事録の作成
会議の内容を文字起こしした後、その文章をGeminiに入力することで、議事録を自動的かつスピーディーに作成できます。議事録を作成する場合は、どのような形で出力したいのかがわかる具体的なプロンプトを提示することが大切です。会議名や開催日時のほか、具体的なフォーマットを指定するのも良いでしょう。
また、Geminiでは、会議内容のテキストを入力する以外にも、音声認識システムで会議参加者の発言内容を読み取り、その音声データをアップロードして指示を与えることも可能です。
【プロンプトの例】
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以下の会議メモ(音声認識の生テキスト)を読みやすく、簡潔な議事録の形式にまとめてください。 会議名:週次マーケティング定例 フォーマット: 【ここに会議のメモを貼り付け】 |

レポートの要約
市場調査レポートやマーケティングレポートなど、複雑かつ難解なレポートを読む際は、Geminiで要約することで、簡易的な文章で内容をまとめてくれます。内容を把握するのに時間がかかるレポートでも、Geminiを使えば短時間で作業を終えられます。
レポートを要約する際は、重要なポイントを絞り込んでもらうのがおすすめです。これにより、資料の要点のみを抽出し、効率良く情報を取得できます。また、資料を読む時間が限られている場合は、出力する文字数を指定するのも一つの方法です。
プロンプトの入力欄にレポート内のテキストを貼り付けても構いませんが、Web上に公開されている情報であれば、該当するページのURLを指定することも可能です。
【プロンプトの例】
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以下の市場調査レポートの全文を読み、重要なポイントを3点に絞って要約してください。その後、レポート全体の内容を「エグゼクティブ・サマリー」として300字程度で簡潔に説明してください。 【ここに市場調査レポートのテキストを貼り付け】 |

戦略策定
経営戦略やマーケティング戦略などを策定する際も、Geminiが大きな効果を発揮します。ただし、戦略策定の際には、目的やターゲット、該当する製品といったさまざまな情報が求められるので、プロンプトにも詳細な指示を書き込む必要があります。
また、戦略策定に際して市場調査や競合調査が必要な場合は、GeminiのDeep Research機能を活用するのも一案です。Deep Researchでは、AIがWeb上に散在する数十から数百もの情報を効率良く収集し、プロンプトに合わせて内容を整理・統合してくれるため、リサーチから戦略策定までの作業がワンストップで完結します。
【プロンプトの例】
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私たちは、中小企業向けの新しいSaaS型勤怠管理ツール「EasyTime」をリリースします。この製品の認知度向上のため、リリース後3ヶ月間のデジタルマーケティング戦略のアイデアを5つ提案してください。 製品特徴:シンプルなUI、月額500円/ユーザーからの低価格、チャットツール連携 提案形式: |

コンテンツ企画
Webサイト上のコラムやメールマガジン、SNSの投稿など、コンテンツを企画する際も、プロンプトを通じてGeminiに指示を与えられます。抽象的な指示では期待した企画やアイデアが得られない可能性があるため、できるだけ詳細なプロンプトを入力しましょう。特に、チャネルやコンテンツの種類、目的、出力形式などは、最適なアイデアを出力するために欠かせない要素だといえます。
【プロンプトの例】
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自社オウンドメディア(ターゲット:BtoB企業のマーケティング担当者)に掲載する記事の企画案を作成してください。 テーマ:リード獲得 以下の項目を含む記事構成案(アウトライン)を提案してください。 ・記事タイトル(SEOとクリック率を意識した案を3つ) |

広告のキャッチコピー作成
広告を出稿する際は、新しいキャンペーンを作成する度にキャッチコピーを考えなければならず、大きな手間や労力がかかるものです。Geminiを活用すれば、複数のアイデアを素早く一度に出力できます。そのアイデアを参考に企画立案の効率性を高められるため、マーケティング人材の不足に悩まされている企業にとって大きな助けとなります。
広告のキャッチコピーを作成する際も、具体的なプロンプトが必要です。対象となる製品の種類や特徴、訴求ポイントなど、できるだけ詳細な指示を与えましょう。
【プロンプトの例】
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あなたはWebマーケティングの担当者です。新発売する「AI自動翻訳イヤホン」の広告キャッチコピーを10案作成してください。 製品:耳につけるだけで、相手の外国語がリアルタイムで翻訳されて聞こえるイヤホン |

問い合わせメールに対する返信文の作成
Geminiを活用すれば、顧客対応の効率化にも効果を発揮します。例えば、問い合わせやクレームのメール件数が多い場合、Geminiに最適な返信文を考えてもらうことで、顧客対応にかける時間短縮や人件費の最適化といった効果が見込めるでしょう。
問い合わせメールに対する返信文を作成する際は、「丁寧な文面」という指示が必須です。顧客対応では、文面のトーンや言葉遣い次第で相手の心象が大きく変わり、最悪の場合は満足度の低下につながる恐れがあるためです。また、普段使っているクレーム対応のマニュアル資料を添付する、あるいは謝罪方法やトークの流れなどを指定すれば、より精度の高い顧客対応につながります。
【プロンプトの例】
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あなたはECサイトのカスタマーサポート担当者です。以下の顧客からの問い合わせメールに対する返信文を作成してください。相手の気分を害することのないよう、丁寧な表現を心がけてください。 【顧客からのメールの内容を記載】 【回答のポイント】 |

文章の校正
Geminiは校正者としても機能します。校正が必要な文章を指定することで、AIが短時間で誤字脱字や文法的な誤りを指定してくれます。ビジネス文書やメール、Webページなど、さまざまな文章の校正に対応しているのがポイントです。
文章を校正する際は、表記ミスや表現の揺れなど、どのような箇所を修正したいかを具体的に指示しましょう。また、誤りがある箇所は訂正するのか、それともそのままにして指摘だけするのかなど、校正の方法を指示することも大切です。
【プロンプトの例】
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以下のビジネスメールの文章を校正してください。誤字脱字、文法的な誤り、「てにをは」の不自然な箇所を修正し、より丁寧で自然な日本語の文章にしてください。修正箇所は明示してください。 【元の文章】 |

画像生成
Geminiでは、テキストだけでなく、画像や動画、音声といったコンテンツも生成できます。簡易的なプロンプトでは要望に沿ったコンテンツが出力されない可能性もあるため、テーマやイメージ、スタイルなどを含めた具体的な指示が必要です。
【プロンプトの例】
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プレゼンテーション資料のスライドに使用するアイキャッチ画像を生成してください。 テーマ:グローバルビジネスと多様性 |

【Google推奨】Geminiのプロンプト入力で意識したい4つの要素
Geminiに入力するプロンプトには、最適な回答を得やすくするためのパターンが存在します。1回ごとに文面を考えるのは手間がかかるため、効果的なパターンを理解して事前にテンプレートを作成しておくのがおすすめです。
Geminiを提供するGoogle社は、プロンプト入力時に次の4つの要素を組み込むことを推奨しています。
- ペルソナ:どのような立場で作業を行ってほしいか
- タスク:どのような作業を行ってほしいか
- コンテキスト:どのような目的や背景で指示を行うのか
- フォーマット:どのような形式で出力してほしいか
上記4つの要素を組み込むと、次のようなプロンプトになります。
| 4つの要素 | プロンプトの例 |
| ペルソナ | あなたはSEOに詳しいプロのWebディレクターです。 |
| タスク | 自社オウンドメディア(ターゲット:BtoB企業のマーケティング担当者)に掲載する記事の企画案を作成してください。 |
| コンテキスト | SEOでの上位表示と、自社セミナーへの誘導が主な目的です。「リード獲得 方法」「BtoB マーケティング 事例」の検索キーワードを想定しています。 |
| フォーマット |
以下の項目を含む記事構成案(アウトライン)を提案。
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このプロンプトはあくまで参考なので、適用する業務に合わせて細かく文面を調整しましょう。
Geminiの回答精度を高めるプロンプトの書き方のコツ
Geminiは、プロンプトの書き方一つで回答精度に大きな差が出ます。そのため、先にあげた4つの要素だけでなく、回答精度を高めるプロンプトの書き方のコツを理解することも重要です。そのコツを3つのポイントに分けて解説します。
簡潔でわかりやすい表現を心がける
Geminiを利用する際は基本的に、簡潔なプロンプトよりも詳細なプロンプトを提示するほうが、回答精度が高まる傾向にあります。しかし、だからといって、意図が不明瞭な文章をダラダラと書き連ねれば良いというわけではありません。
プロンプトを入力する際は、Geminiが内容を即座に理解できるよう、簡潔でわかりやすい表現や文章を心がけるのが基本です。先にあげたペルソナやタスクといった4つの要素を用い、それぞれ簡潔かつ明瞭な指示文を構築しましょう。
また、専門用語や口語、社内でしか使用されていない俗語も、できる限りプロンプトに含めないことをおすすめします。誰が見てもわかりやすい平易な言葉で入力することで、プロンプトの意図をGeminiが汲み取りやすくなり、回答精度の向上につながります。
対話を通じて繰り返し指示を行う
Geminiの回答は、必ずしも一度で希望通りの結果が得られるとは限りません。そのため、繰り返しGeminiと対話し、追加の指示を与えながら回答結果をブラッシュアップすることが重要です。
追加の指示を与える際に役立つのが、「Canvas」と呼ばれる機能です。

Canvasでは、Geminiの回答が専用のGUI上に表示され、クリックやドラッグ&ドロップといったマウス操作のみで追加の指示を与える箇所を指定できます。その際、「この箇所を○○のように変更して」といった簡易的なプロンプトだけで指示できるため、よりスムーズにGeminiとの対話が可能です。
また、Canvas内の回答は、Webページやインフォグラフィック、解説用音声ファイルなどの形式として出力できます。そのため、組織内での情報共有やクリエイティブ業務への引き継ぎにも発展可能です。
具体的な例をあげる
具体的なプロンプトを入力しても希望通りの回答結果が得られないときは、わかりやすい例を提示するのも一つの方法です。
例えば、議事録を作成する際、普段から使用している議事録のテンプレートファイルをアップロードし、「このファイルと同じ構成で議事録を作成して」と指示を与えることで、「思っていた構成と違う」といったトラブルを避けられます。また、画像を生成する際も、あらかじめ参考となる画像ファイルをアップロードすることで、よりイメージに近い出力結果を得やすくなるでしょう。
このように、工夫次第でGeminiの回答精度を高められます。
Geminiのプロンプトを入力する際の注意点
Geminiでプロンプトを入力する際は、次のような点に注意が必要です。
- 機密情報を入力しない
- 一度に複数のタスクを依頼しない
- 出力結果を過信しない
それぞれの注意点について詳しく解説します。
機密情報を入力しない
Geminiをはじめ生成AIサービスに入力したプロンプトの内容は、AIモデルの学習(機械学習やディープラーニングなど)に利用されるリスクがあります。第三者の目にその情報が触れてしまう危険性も考えられるため、特に機密情報の扱いには十分に注意しなければなりません。
顧客や従業員の個人情報、製品の開発データ、取引先から提出された機密資料などは、なるべくプロンプトに入力しない、あるいはアップロードしないことをおすすめします。どうしても機密情報を入力しなければならない場合は、Google OneやGoogle Workspaceなどの有料サービスに登録のうえ、Geminiを利用すると良いでしょう。
一度に複数のタスクを依頼しない
Geminiに対して一度に複数のタスクを依頼すると、AIがどの作業を処理すべきか判断できず、中途半端な回答結果になる可能性があります。
例えば、「Webから必要な情報を集めた後、目的に沿った分析を行い、その内容を指定した構成通りの文面にまとめる」といったプロンプトには、複数のタスクが詰め込まれています。そのため、「まずはWebから必要な情報を収集して」といった初回の指示を与え、その後に「内容を分析して」といった追加の指示を与えるなど、対話を通じて一つずつタスクを依頼するのがおすすめです。
これにより、Geminiが一つひとつのタスクに集中できるようになり、結果として回答精度の向上にもつながります。
出力結果を過信しない
Geminiをはじめとする生成AIサービスでは、事実と異なる情報をもっともらしく出力する、「ハルシネーション」と呼ばれる現象が起こることもあります。そのため、Geminiの回答結果を過度に信用するのは危険です。
情報が出力された後は、事実関係に間違いがないか、誤字・脱字や不自然な表現がないかといった点を必ず人間の目でチェックしましょう。特に、内容を精査する前に、Geminiの回答をそのまま一次情報として扱うのはおすすめしません。
プロンプトのテンプレートを作って効率良くGeminiを活用しよう
Geminiの回答精度は、プロンプトの内容に大きく左右されます。簡易的なプロンプトであれば回答結果も抽象的かつ曖昧に、詳細なプロンプトなら具体的かつ希望通りの回答に仕上がりやすくなります。
そのため、今回紹介したプロンプト入力のパターンや精度を高めるコツなどを参考に、自社にとって最適な指示文を構築することが重要です。Geminiを活用する業務に合わせて、事前に適切なテンプレートを構築することで、より効率良く指示を与えられるようになるでしょう。
また、ビジネスシーンでGeminiを活用する際は、Google Workspaceを導入するのも効果的です。これにより、Gemini 2.5 ProやDeep Researchなどの高度な機能を利用できるほか、GmailやGoogleドライブ、Googleドキュメントといった各種サービスとも組み合わせられます。
電算システムでは、Google Workspaceだけでなく、Google Workspace with Geminiの導入支援サービスを提供しています。Geminiの活用方法や体系的な知識を学べるハンズオントレーニングやワークショップ、カスタマイズトレーニングを提供しており、Google Workspace with Geminiのスムーズな定着を支援します。Google Workspace with Geminiの特徴や機能、最新情報などに関しては、以下の資料で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
- カテゴリ:
- Google Workspace
- キーワード:
- Gemini プロンプト

