「企画書やプレゼン資料の作成に時間がかかり、本来の業務に集中できない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。このような課題解消のため、近年では生成AI「Gemini」を業務に活用するビジネスパーソンが急増しています。しかし、いざ使ってみても、「期待通りの答えが返ってこない」「手直しに時間がかかる」と挫折してしまうケースも少なくありません。
Geminiで質の高い資料を効率良く作成するには、AIへの指示出しである「プロンプト」に工夫が必要です。本記事では、資料作成におけるプロンプトの基本構造から、用途別の具体的な入力例、プロンプト設計のポイント・注意点まで、網羅的な情報を解説します。この記事を読めば、資料作成にかかる時間を大幅に削減し、より付加価値の高い業務に集中できるようになります。
以下の記事では、資料作成以外(メールの作成やコンテンツ制作など)のプロンプト例も紹介しているので、さまざまな業務でGeminiを活用したい方はぜひ参考にしてください。
Geminiの資料作成におけるプロンプトの基本構造
Geminiで質の高い資料を作成するには、Googleが推奨する「4つの基本要素」でプロンプトを構成するのが基本です。これらの要素を網羅することで、意図に沿った精度の高い回答を得られます。
| 要素 | 概要 | プロンプト例 |
| ペルソナ(役割) | Geminiにどのような立場で回答してほしいかを指定する。 | あなたはIT企業の熟練プロジェクトマネージャーです。 |
| タスク(目的・指示) | 具体的に何をしてほしいのかを明確にする。 | 新システム導入の社内向け提案資料を作成してください。 |
| コンテキスト(背景情報) | ターゲット層や前提知識、参照データなどの背景や条件を伝える。 | 読者はITに詳しくない経営陣で、予算規模は1,000万円です。 |
| フォーマット(出力形式) | どのような形式で出力するかを指定する。 | スライド5枚の構成案として、各ページを箇条書きで出力してください。 |
このように情報を構造化して指示を出すことで、手戻りの少ない実用的な資料のベースを瞬時に生成できます。
【用途別】Geminiで資料を作成する際のプロンプトの入力例7選
Geminiを活用すれば、企画書や議事録、プレゼン資料など、さまざまな資料を効率良く作成できます。先ほど紹介した4つの基本要素を使って、用途別の具体的なプロンプト例を紹介します。
企画書・提案書の作成
一から企画書や提案書を作成する際、Geminiは構成づくりや壁打ち相手として最適です。プロンプトを入力する際は、特に「目的・ターゲット・必須項目」を明確にし、次のような形で指示を与えると良いでしょう。
【プロンプトの入力例】
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あなたは経験豊富なプロのマーケターです。新商品である20代向けエナジードリンクの企画書構成案を作成してください。以下の要素を含めてください。 1.背景と課題 【出力形式】 |

役割と出力形式を指定することで、資料の骨組みとしてそのまま使える実用的な回答を得られます。出力された構成案をもとに追加のプロンプトを与えることで、正式な企画書・提案書に仕上げることも可能です。
【プロンプトの入力例】
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(構成案のGoogleドキュメントをアップロード、またはテキストを貼り付け) この構成に沿って20代向けエナジードリンクの企画書(清書)を作成してください。 |
このように、アイデア出しの段階からGeminiを活用し、出力された構成案をベースに自社の独自情報を肉付けしていくことで、資料の作成時間を大幅に短縮できます。
プレゼン用スライドの構成案作成
GoogleスライドやPowerPointでプレゼン資料を作成する際、スライドごとのページ構成を考える作業に時間がかかる傾向にあります。そこで、Geminiを使ってスライドの目次と各ページの要点を一気に作成するのがおすすめです。
【プロンプトの入力例】
| ベテランのIT担当者となって、社内向けのプレゼン資料「生成AI活用ガイドライン」のスライド構成案を作成してください。プレゼンの対象者はITリテラシーが一般的な従業員です。 スライドの枚数:10ページ 作業内容:各ページのスライドタイトルと、そこで話すべき要点を箇条書きでまとめる |

スライドの枚数や対象者のレベルを具体的に指定することが、質の高いアウトプットを生むコツです。特に対象者の知識レベルを伝えることで、専門用語の多用を避けたわかりやすい構成が提案されます。
出力された構成案は、GeminiアプリのCanvasやNotebookLMにアップロードして清書を作成すると良いでしょう。いずれの場合でも、構成案の内容に沿って自動でGoogleスライド形式の資料が生成されます。
調査レポート・分析資料の作成
市場調査や競合分析などのレポートを作成する場合は、Geminiに情報を整理・比較させるプロンプトを活用するのが効果的です。表形式での出力を指示することで、見やすい比較資料を素早く作成できます。
【プロンプトの入力例】
| 日本のクラウド会計ソフト市場における主要3社(A社、B社、C社)の比較表を作成し、調査レポートのベースにしたいです。経験豊富なマーケターになったつもりで、各社の「主なターゲット層・価格帯・強み・弱み」を表形式で出力してください。 |

分析資料を作成する際のポイントは、表形式(テーブル)での出力を明確に指示することです。出力結果はそのままレポートの一部として活用できます。
ただし、生成AIは最新の情報や特定の数値データに関してハルシネーション(もっともらしい嘘)を起こす可能性があるため、出力された内容については必ず一次情報で裏付けを取りましょう。
会議内容の整理と議事録の作成
会議の文字起こしデータから要点をまとめた議事録を作成するのも、Geminiの得意分野です。膨大なテキストデータを読み込ませ、必要な情報を抽出するよう指示を出します。
【プロンプトの入力例】
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以下の会議の文字起こしデータをもとに議事録を作成してください。フォーマットは以下の通りです。 ・会議の目的 (ここに文字起こしデータを貼り付け) |

文字起こしデータをそのまま要約させるだけでなく、指定したフォーマットに従って出力させるのがポイントです。特に「決定事項」や「ToDo」など、ビジネス上不可欠なアクションアイテムを明示的に抽出させることで、抜け漏れを防げます。長文を処理する際は、情報が正確に反映されているか最後に必ず目視で確認しましょう。
資料作成のためのペルソナ設定
マーケティング・営業用の資料を作成する際、ターゲットとなるペルソナの解像度をあげることは非常に重要です。Geminiを使えば、簡易的な属性情報を与えるだけで詳細なペルソナ像を自動生成でき、資料の説得力が大きく向上します。
【プロンプトの入力例】
| あなたは成績優秀なプロの営業担当者です。BtoB向けの「クラウド型勤怠管理システム」を提案するためのペルソナを設定してください。ターゲットは、従業員規模100名程度のIT企業の総務人事担当者(30代後半・男性)です。この人物の抱えている課題や情報収集の手段、導入の決定要因を箇条書きで出力してください。 |

ペルソナの基本情報だけでなく、「抱えている課題」や「決定要因」など、提案資料に直結する項目を指定するのがポイントです。Geminiが生成したペルソナを企画書や提案書に組み込むことで、顧客視点に立った質の高い資料を素早く作成できます。
新規資料のデザインに関する提案
Geminiでは、テキストの構成案や資料を作成するだけでなく、視覚的なデザインの方向性も提案できます。新しい資料を作成するにあたってレイアウトや配色に迷った場合でも、Geminiに質問するだけで効果的なアドバイスやヒントを得られます。
【プロンプトの入力例】
| 新卒採用向け会社説明会のスライド資料を作成します。先進性と親しみやすさをアピールしたい場合、どのようなレイアウトや配色、フォントを採用すべきか提案してください。また、表紙や会社概要、事業内容の各ページにおける具体的なビジュアルイメージ(図解の配置など)を言葉で説明してください。 |

先進性や親しみやすさといったデザインの意図を明確にすることで、一貫性のある提案につながります。また、GeminiアプリのCanvasでは、テキストだけでなくGoogleスライドで視覚的に情報を出力できるため、具体的なイメージを膨らませたいときに便利です。
資料に用いる素材(イラストやグラフなど)作成
プレゼン資料を魅力的に見せるためには、イラストやグラフなどの視覚素材が欠かせません。Geminiの画像生成機能を使えば、資料のテイストに合ったオリジナル画像を瞬時に作成できるため、フリー素材を探す手間を省けます。また、グラフ作成用のデータやマクロコードの生成も可能です。
【プロンプトの入力例】
| DX推進をテーマにしたプレゼン資料の表紙に使う画像を生成してください。フラットデザインで青を基調とし、ビジネスパーソンが笑顔でPCを見ている様子を描いてください。アスペクト比は16:9でお願いします。 |

画像を生成する際は、「テイスト・色合い・具体的な構図」を指定することで、ミスマッチが起こりにくくなります。また、GeminiアプリにはNano Bananaが実装されているため、画像出力後に「この箇所を○○のように修正して」といった指示で、誰でも簡単に編集を行えます。
Geminiで高品質な資料を作成するためのプロンプト設計のポイント
Geminiを使った資料作成では、プロンプトの設計次第で出力結果に大きな違いが現れます。ここでは、Geminiの潜在能力を最大限に引き出し、期待以上の成果物を得るための具体的なプロンプト作成のポイントを解説します。
指示に具体性を持たせる
AIは文章の行間を読むのが不得意なので、プロンプトにおける指示は徹底的に具体性を持たせることが求められます。曖昧な指示では期待通りの結果を得られないことも多いため、数値や対象者、キーワード、分量などを明確にして具体性を持たせることが重要です。
| 不完全なプロンプト | 良い感じの企画書を作って。 |
| 良いプロンプト | ターゲット層は20代女性、メインメッセージは「時短と美容の両立」、予算は500万円以内という条件で、A4用紙1枚におさまるコスメ新商品の販促企画書を作成してください。 |
形容詞や副詞といった個人の主観に依存する表現(「少し・かなり・わかりやすく」など)は避け、可能な限り客観的な事実や定量的なデータに置き換えるよう意識しましょう。具体的な指示を与えるほど、Geminiは、ユーザーの意図とのズレが少ない、精緻で質の高い資料を生成してくれます。
資料を見る人の知識レベルに合わせる
Geminiで資料を作成する際は、その資料を見るターゲット層の知識レベルに合わせてプロンプトを設計することも重要です。専門家向けの資料と初心者向けの資料では、使われるべき専門用語の量や情報の粒度がまったく異なります。
| 平易な言葉で丁寧な解説が求められる場合 | 対象読者はIT業界未経験の新入社員です。専門用語はなるべく用いず、図解を交えながら中学生でも理解できるように説明してください。 |
| 高度で専門的な内容が求められる場合 | 対象読者は、長年システム開発に従事するシニアエンジニアです。基礎的な技術解説は省き、最新アーキテクチャの比較とパフォーマンスの優位性に焦点をあてて論理的に記述してください。 |
読み手の前提知識を正確にAIへ伝えることで、相手にとって本当に価値のある実用的な資料が完成します。
一度で終わらせず「対話」を通じて出力をブラッシュアップする
Geminiで最高の資料を作成するための秘訣は、一度のプロンプトで完璧な結果を求めないことです。最初の出力結果をベースとして、AIとの対話を通じて内容を洗練させていく反復的なアプローチが品質向上の鍵を握ります。
例えば、生成された文章に対して、「この項目の具体例をもう2つ追加して」「ここは表現が硬すぎるのでもう少し柔らかくして」「反対意見に対する反論のセクションを追記して」といった追加の修正指示を与えます。Geminiは文脈を記憶しながら会話を継続できるため、壁打ち相手として議論を深めるような使い方が可能です。この継続的なフィードバックのプロセスを経ることで、人間のアイデアとAIの処理能力が融合した、高品質で独自の価値を持つ資料が完成します。
Geminiの資料作成でプロンプトを入力する際の3つの注意点
プロンプトに工夫を凝らすことで高品質な資料を効率良く作成できるGeminiですが、利用する際には次のようなポイントに注意する必要があります。
- ファクトチェックが欠かせない
- 機密情報を入力しない
- 権利侵害に発展する恐れがある
それぞれの注意点について詳しく解説します。
ファクトチェックが欠かせない
業務でAIを利用するうえで決して忘れてはならないのが、ファクトチェック(事実確認)です。Geminiをはじめとする生成AIは、もっともらしい嘘をつくハルシネーションを起こすリスクがあります。特に、過去の統計データや企業の業績、法律・制度の解説、特定の人物に関する情報など、事実にもとづいた正確な情報が求められる内容については、AIの出力結果を鵜呑みにせず、必ず公式な情報源や一次情報から裏付けを取りましょう。
プロンプト内で「出典や根拠となるリンクを明記してください」と指示することも有効ですが、AIが提示した出典リンク自体が存在しない架空のURLであるケースも考えられます。そのため、最終的な責任は人間が持つという意識が不可欠です。生成された内容はあくまで草案として扱い、自分自身の目で内容を精査してはじめて、ビジネスの場で通用する信頼できる資料に仕上がります。
機密情報を入力しない
Geminiを業務で利用する際に注意すべきもう一つのポイントが、セキュリティとプライバシーの観点です。顧客の個人情報や未発表の製品データ、財務情報など、プロンプトへの機密情報の入力は避けましょう。特に無償版では、入力されたデータがAIモデルの学習に利用される可能性があるため、意図しない情報漏えいにつながるリスクを孕んでいます。
資料作成のために具体的な数字や固有名詞を処理させたい場合は、あらかじめそれらをダミーデータや仮称に置き換えるマスキング処理を行うことが必須です。社内のAI利用ガイドラインを遵守し、安全な範囲で活用しましょう。
権利侵害に発展する恐れがある
Geminiが生成したテキストや画像などを利用する際は、著作権をはじめとする権利侵害のリスクに十分配慮する必要があります。
AIは学習データとして膨大なWeb上の情報を読み込んでいるため、生成された内容が既存の著作物と意図せず酷似してしまうケースがあります。特に、キャッチコピーや事業アイデアなどをそのまま自社の商用資料に転用する場合は要注意です。他者の権利を侵害しないよう、出力結果が既存のコンテンツと類似していないか、検索エンジンや類似性チェックツールなどで確認することをおすすめします。
また、現在の日本の法律では、AIが自律的に生成したコンテンツそのものには原則として著作権が発生しません。生成物をそのままコピー&ペーストして利用するのではなく、人間の手で修正や独自のアイデアを加え、自社のオリジナル資料としての価値を持たせることが重要です。
Geminiを最大限に活用するなら有償版へのアップグレードを
資料作成においてGeminiは強力なアシスタントとなりますが、真価を最大限に引き出すなら有償版へのアップグレードがおすすめです。無償版でも文章作成や推敲は可能ですが、プロンプトの入力回数や機能の利用回数の上限が低めに設定されています。
有償版では最新の高性能モデルを利用でき、一度に処理できる情報量が飛躍的に増加します。これにより、数十ページに及ぶPDFや長時間の会議録音データを丸ごと読み込ませ、全体の文脈を正確に踏まえた精度の高い資料を瞬時に作成できます。
さらに、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、GoogleスライドといったGoogle Workspaceアプリと直接連携できる点も魅力です。使い慣れたツール上でシームレスにAIを活用できるため、作業効率が飛躍的に向上します。
日々の資料作成の時間を大幅に削減し、より価値のある業務に集中するための投資として、有償版の活用は非常に効果的な選択となるでしょう。
資料作成のプロンプトを最適化してGeminiの出力精度を向上させよう
Geminiから期待通りのアウトプットを引き出すには、「ペルソナ・タスク・コンテキスト・フォーマット」の4要素を意識したプロンプト設計が不可欠です。本記事で紹介した用途別プロンプト例をベースに、自身の業務に合わせて具体的な条件を追加し、AIとの対話を通じて資料をブラッシュアップしていきましょう。
ただし、出力結果のファクトチェックや機密情報の取り扱い、権利侵害のリスクには十分な配慮が求められます。生成された内容はあくまで草案として活用し、最終的には人間の目で精査することが大切です。
資料作成だけでなく、企画立案やデータ分析、プログラミングなど多様な業務でGeminiを活用する際は、以下の資料も役立ちます。Geminiのさまざまな活用シーンごとにプロンプト事例(入力パターンや出力例)を紹介しているので、Geminiの能力を最大限に活かし、より思い通りの回答を得られるようになります。社内向けの資料としても活用できるので、生成AIの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
- カテゴリ:
- Google Workspace
- キーワード:
- Gemini 資料作成 プロンプト




