メールサーバー・ファイルサーバーのクラウド化やグループウェアの統一を目的に、Google Workspace の導入を検討している方も多いのではないでしょうか。Google Workspaceには、GmailやGoogleドライブ、Google Meetなどのアプリが搭載されており、一つのプラットフォームで社内コミュニケーションが完結します。
Google Workspace を導入する際は、事前にしっかりとケーススタディを実施しましょう。他社のさまざまな事例を参考にすることで、課題の解決方法や具体的な活用方法が見えてきます。そこで本記事では、Google Workspace の導入事例やケーススタディからわかる活用方法を解説します。グループウェアの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Google Workspace の導入事例9選
Google Workspace のケーススタディを行うことで、具体的なツールの活用方法や課題の解決策が見えてきます。ここでは業種や規模が異なる9社を取り上げ、それぞれ Google Workspace の導入事例を紹介します。
ハナマルキ株式会社
ハナマルキ株式会社は、無添加みそや液体塩こうじ、インスタント味噌汁などを製造・販売する食品メーカーです。同社は2018年に創業100年を迎え、さらなる100年を見据えてさまざまな改革に臨んでいます。その一環として、メールシステムの老朽化やファイル容量の増大、紙文化による業務効率の低下といった課題を解消するために導入したのが Google Workspace です。
Google Workspace の導入にあたり、全国の営業所や支店、工場から専門人材を招き推進委員会を立ち上げています。総勢21名が参加して議論を重ねることで、現状の課題や要望を正しく理解したうえで Google Workspace の運用方針を固めることに成功しました。
導入後、特に業務効率化につながったのはGoogleスプレッドシートで、メールでの連絡や別のファイルへのマージといった作業が簡略化されたことで、業務効率の向上やミスの減少につながっています。また、クラウド上であらゆるデータを共有できるようになったことで、フリーアドレス制をはじめ働き方改革の推進にも効果を発揮しています。
株式会社アクティオホールディングス
株式会社アクティオホールディングスは、建設機械のレンタルや製造・販売などを手がける企業です。近年では、東日本大震災をはじめとする災害復興支援や、新型コロナウイルスの感染防止を目的とする仮設陰圧ハウスのレンタルなど、社会貢献につながる事業も展開しています。
このように公共性の高いさまざまな事業を展開する同社だからこそ、顧客への迅速な対応や事業継続性の確保を可能にするため、コミュニケーション基盤の構築が課題となります。この課題の解消のために導入したのが、グループウェア製品の一つである Google Workspace です。
GmailやGoogleドライブ、Googleチャットなどの各種アプリを最大限に活用することで、より円滑な社内コミュニケーションが実現しています。また、コロナ禍で社内コミュニケーションのあり方が大きく変わったタイミングでも、Google MeetやGoogleカレンダーなどを駆使してスムーズなオンライン転換を促進できた点もポイントです。
近年では、Google Workspace を単なる業務効率化ツールではなく、グループ全体の事業拡大や業績向上につながるツールとして活用する方針を打ち出しています。そのために、ITグループ主導で新機能に関する情報発信や管理者サポート、ユーザー研修をはじめとする啓蒙活動などを積極的に展開しています。
日本基礎技術株式会社
日本基礎技術株式会社は、地質調査や岩盤グラウチング技術といった開発現場の基礎工事を担う建設会社です。同社ではこれまで、現場担当者が必要に応じて個別にシステムやアプリケーションを導入しており、それぞれのツールが乱立していました。この状態ではIT部門担当者のメンテナンス負担が大きくなるほか、データの分散による属人化やコミュニケーションロスなどの問題も浮き彫りになっていました。
そこで、業務システムの見直しとDXによる働き方改革の推進を目的に、全社で Google Workspace を導入します。スマートフォンやタブレットに対応している Google Workspace だからこそ、作業現場からでもGmailやGoogleチャットなどを使ったスムーズなコミュニケーションが可能です。また、必要なデータはGoogleドライブに集約されているため、情報共有の促進や円滑化にもつながっています。
株式会社ラストワンマイル
株式会社ラストワンマイルは、新生活における電気やガスの契約手続き代行サービスや、不動産会社向けの更新サポートなどを提供する企業です。同社では、部門ごとに別々のグループウェアやコミュニケーションツールを利用しており、コストの複雑化や運用管理の煩雑化といった課題を抱えていました。そこで、複数のグループウェアを統合するため、Google Workspace の一本化を決意します。
ツールの統合により工数が大幅に削減され、入退社時や組織編成時のアカウント・権限見直しにかかる時間が10分の1程度に抑えることに成功しました。また、異なる端末からでもGoogleアカウントのみでログインできるため、リモート接続用の専用端末やアプリケーションが不要になった点も大きな成果だといえるでしょう。
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株式会社アルペン
株式会社アルペンは、多様なスポーツ用品やアウトドア用品を扱う大手小売チェーンです。同社では、グループウェアへの接続がイントラネットのみに制限されていたり、メールサーバーの容量が常に不足していたりと、さまざまな課題を抱えていました。このようなオンプレミスのサーバー管理から解放されるため、導入を決定したのがクラウドサービスの Google Workspace です。
Google Workspace の導入を決定してから3ヶ月で利用をスタートし、段階的に本社全部署へと展開しました。10年間ほど利用している生体認証システムとの互換性が課題ではあったものの、CloudGateUNOによる既存の生体認証との連携を電算システムから提案されたことで、スムーズに導入手続きを進められたといいます。
Google Workspace を導入したことで、最大の課題だったメール容量の制限から開放され、メールサーバーの保守管理やセキュリティ対策も不要になりました。また、さまざまな資料をクラウド上に集約したことで、印刷コストを40%削減することにも成功しています。
エイベックス株式会社
エイベックス株式会社は、多数の人気アーティストを輩出してきた音楽制作プロダクションです。最近では、音楽以外にもアニメや映像、デジタルプラットフォームなど、多角的な事業展開を行っています。
同社は、Microsoft OutlookやThunderbirdを中心にオンプレミス環境でメール運用を行っていましたが、運用工数や負荷の増大を解消するため、クラウド型の Google Workspace に移行しました。その後、GmailからGoogleドライブやGoogleカレンダーなどへと徐々に活用範囲を広げ、現在では総合的なコミュニケーションツールとして活用が進んでいます。
その結果、運用管理の工数を従来比で10分の1以下に低減させることに成功しました。また、日常的に Google Workspace のアプリを活用するようになった結果、新型コロナウイルスでテレワークへの移行を余儀なくされた際に、混乱なくスムーズにコミュニケーションツールを活用できたことも大きなポイントです。
株式会社BTM
株式会社BTMは、ITエンジニアリングサービスやDXソリューションサービスを提供する企業です。同社は複数のグループウェアを運用しており、それにより業務効率の低下やメールサーバー・ファイルサーバーの肥大化といった課題に悩まれていました。そこで、グループウェアの機能を統合するため、Google Workspace を導入します。
Google Workspace の導入によって特に大きな成果があがったのは、申請・承認手続きの分野です。導入前はPDFファイルへの入力や電子署名、メール・チャットでの連絡といった煩雑なプロセスを経由していた手続きが、Googleドライブにファイルを集約するだけで済むようになりました。ワークフローが整備された結果、書類をやり取りする工数が半分に減少しています。
北海道網走市役所
北海道網走市は水産業や農業が盛んな地域で、能取岬やオホーツク海の流氷、博物館網走監獄など、観光スポットとしても人気を集めています。網走市役所では、旧来の有線ネットワーク環境が柔軟な働き方を阻害したり、属人的なスケジュール管理によって日程調整に手間や時間がかかったりする課題を抱えていました。そこで、2025年2月の新庁舎への移転を転機として、時代に即したよりスマートな働き方を実現するため、Google Workspace の全庁への導入を決意しました。
導入後はGoogleサイトを活用し、全職員向けの研修用ポータルサイトを構築しています。ポータルサイトでは、基礎編・中級編といった習熟度別の講座や初期設定マニュアルなどを確認できるため、従業員のセルフ学習が可能になり、Google Workspace の定着にもつながっています。
また、内線電話や会議をGoogleチャットやGoogle Meetで代替し、会議中もGoogleカレンダーで資料を共有するなど、さまざまなペーパーレス化の施策を展開している点もポイントです。その結果、印刷や編纂の時間が減り、紙の使用量も約3割削減することに成功しました。
京都府舞鶴市役所
京都府舞鶴市は日本海に面した自然あふれる港町で、舞鶴湾や五老岳公園、赤れんがパークなど、観光地としても人気を集めています。舞鶴市役所では、急速に普及が進むデジタル社会に対応するため、事務環境や働き方の見直し、情報セキュリティやBCPへの対策などを実施する必要がありました。このような課題解消のために導入したのが Google Workspace とChromebookです。
舞鶴市役所では、2024年9月末に950台のChromebookを導入し、翌2月から全職員に配布を開始しました。また、Google Workspace のライセンスも1,100ユーザー分契約し、業務での活用を進めています。将来的には「日本一働きやすい市役所」を実現できるよう、両ツールを徹底活用してさまざまな働き方改革を推進しようとしています。
導入事例から読み解く Google Workspace の活用方法
ここまでに紹介した導入事例を参考にすると、Google Workspace には次のような活用方法があることがわかります。
- 社内コミュニケーションや情報共有の活性化
- 社外関係者との円滑なコラボレーション
- スマートワークの促進
- セキュリティや内部統制の強化
このような手段は、「 Google Workspace でどのような課題を解決するのか」「どのような目的で導入するのか」といった点を決める際の重要な要素となります。それぞれの具体的な活用例を紹介します。
社内コミュニケーションや情報共有の活性化
Google Workspace には、GmailやGoogleドライブ、Google Meet、Googleドキュメントなど、社内コミュニケーションや情報共有を活性化させるさまざまなアプリが含まれています。
例えば、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Googleスライドでは、複数人での共同編集やコメント共有が可能で、編集内容を共有ドライブに保存すれば部門・チーム単位で共有できます。その共通資料を見ながらGoogle Meetで時間・場所を問わずに会議を行ったり、Googleチャットで進捗状況を報告し合ったりと、複数のアプリを組み合わせてさまざまな活用が可能です。
社内コミュニケーションのあらゆる手続きが一つのプラットフォームで完結するため、ビジネスチャットツールやWeb会議システムなど、別々のツールを導入する必要がありません。社内コミュニケーションや情報共有を活性化させることで、組織全体の効率性や生産性が向上し、よりスムーズに業務を遂行できるようになります。
社外関係者との円滑なコラボレーション
Google Workspace では、社内だけでなく社外関係者とも円滑なコミュニケーションを行えます。
例えば、Google Meetでは、Googleアカウントなしで会議に参加できるため、取引先の担当者や顧客が Google Workspace を導入していない場合でもスムーズな情報交換が可能です。また、GoogleドライブやGoogleチャットを利用する際、外部とのファイル共有や組織外からのアクセスについて簡単にオン・オフを切り替えられます。
このように Google Workspace は、社内外で利用することを前提にした設計となっています。社外関係者も交えてドキュメントの共同編集や資料共有、Web会議・チャットでの議論などを行うことでコラボレーションの促進につながります。
スマートワークの促進
テレワークやフレックスタイム制、ワーケーションなど、柔軟な働き方が可能になる点も、Google Workspaceを導入するメリットの一つです。
Google Workspace は、Googleアカウントとインターネット環境さえあれば、時間や場所を問わず誰でも各種アプリにアクセスできます。また、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットのマルチデバイスに対応している点も特徴です。基本的にパソコンで操作できる機能はモバイルでも利用でき、MDM対策もあるためセキュリティ対策をしたデバイスを利用できます。在宅で仕事を行う場合でも、普段とは異なる端末で作業を進める場合でも、問題なく普段通りに業務を遂行できます。
Google Workspace の導入によってスマートワークが促進されることで、生産性が向上するだけでなく、働きやすい環境が整うことにより離職率の低下や優秀な人材の確保といったメリットも生まれるでしょう。
セキュリティや内部統制の強化
Googleの各種アプリを単独で利用するより、Google Workspace として複合的に活用するほうが、セキュリティや内部統制の面でも大きなメリットを生み出します。Google Workspace には、組織向けの豊富なセキュリティ機能や、内部統制に役立つ管理コンソールが搭載されているためです。
セキュリティ機能としては、2段階認証やデータの暗号化といった基本的な機能のほか、1種類の認証方法のみで複数サービスにログインできる「セキュアLDAP」や、機密ファイル・メールを自動検知して送信や共有をブロックできる「DLP」などが用意されています。また、一元的なアカウント管理やアクセス制御が可能な管理コンソールを活用すれば、なりすましや不正アクセスにも対応可能です。
このように豊富な機能によって幅広いセキュリティリスクや脅威を防げる点は、Google Workspace の大きなメリットだといえるでしょう。
Google Workspace の導入方法
Google Workspace を導入する手順は次の通りです。
- Google Workspace の公式サイトにアクセスして[トライアルを開始]をクリック
- 会社名や従業員数などの基本情報を登録
- 独自ドメインの契約、または既存ドメインの設定
- 支払方法の選択(請求書払い)
このように簡単な手続きだけで利用開始できるのは、Google Workspace ならではの特徴です。
なお、Googleから直接購入もできますが、認定パートナー(代理店)経由で購入するのも一つの方法です。電算システムの場合、アップデート障害情報配信や24時間365日対応サポート、ユーザー限定勉強会など、さまざまな特典が受けられます。また、クレジットカード決済だけでなく、日本円での請求書払いに対応している点も強みです。
Google Workspace の導入に関するよくある疑問
Google Workspace の導入時には、料金プランやサポートなど、さまざまな疑問が生じます。ここでは、よくある疑問をFAQ形式で紹介します。
導入に必要なものはありますか?
Google Workspace はクラウドサービスなので、サーバーやネットワーク機器などのハードウェアが不要で、インターネット環境とWebブラウザさえあれば利用を開始できます。そのほか、導入前にアカウント名や独自ドメイン・メールアドレスを考えておくと良いでしょう。
どのような料金プランを選択できますか?
Google Workspace には次のような料金プランが用意されています。
- Business Starter:月額800円/ユーザー
- Business Standard:月額1,600円/ユーザー
- Business Plus:月額2,500円/ユーザー
- Enterprise:要問い合わせ
より上位のエディションになると、ストレージ容量(最大5TB)やGoogle Meetの参加可能人数(最大1,000人)が拡張されます。また、GmailのS/MIME暗号化やGoogleドライブのAI分類機能、コンテキストアウェアアクセスなど、使用できる機能も増えていく仕組みです。
月額利用料以外の追加料金は発生しますか?
オプションを購入した場合や、認定パートナーの導入・運用支援サービスを利用する際に追加料金が発生します。オプションには、生成AI機能を最大限に活用できる「Google AI Ultra for Business」や、Google Chrome・ChromeOSの企業向け機能が用意された「Chrome Enterprise」などの種類があります。
外部のシステムやアプリケーションからデータを移行できますか?
Google Workspace は、Microsoft 365やBox、Thunderbirdなど、さまざまな外部システム・アプリケーションに対応しています。専用のデータ移行サービスやGoogle Workspace Migrateを利用する(サードパーティ製の移行ツールも利用可能)ことで、メールや連絡先、カレンダー、フォルダといった既存のデータをスムーズに移行できます。
導入前のトライアルは用意されていますか?
Google Workspace では、14日間の無料トライアルを利用可能です。期間中は全機能を試用できるため、導入前の機能性や操作性の検証に役立ちます。トライアルの終了後は自動で有料版に切り替えられ、継続してサービスを利用できます。
導入中後のサポートを受けられますか?
Google Workspace では、電算システム経由で購入すると無料の問い合わせ対応をはじめとする24時間365日のサポートを受けられます。購入者限定のユーザー会やユーザーコミュニティへの参加もできます。
導入フェーズから伴走して徹底的なサポートを受けたい場合は、Google認定パートナーである電算システム経由で Google Workspace を導入するのがおすすめです。ヒアリングシートによる課題の抽出やハンズオントレーニング、利用状況のレポーティングなど基本的な導入支援に加え、ファイルサーバー移行やGoogleAppsScriptの教育、Gemini についてのユーザー・管理者トレーニングにも対応しています。
さまざまな導入事例を知って Google Workspace 運用の最適解を見つけよう
Google Workspace は、業種や規模を問わず導入が可能で、メーカーや小売、建築、ITなど、さまざまな業界で活用されています。なかには大幅な業務効率化やコスト削減など、Google Workspace の導入によって大きな成果をあげている企業も存在します。導入前の課題や導入方法、費用対効果など、他社の具体的な事例を押さえることで、この先自社でどのように Google Workspace を運用すべきか、具体的なイメージをつかみやすくなるでしょう。
電算システムは、ほかの認定パートナーにない丁寧な支援と細やかなサポートにより、お客様と深い信頼関係を築いてきました。今回紹介したさまざまな事例は、電算システム経由で Google Workspace を契約したお客様のユースケースがもとになっており、深い信頼関係があるからこそ実現できました。
電算システムでは、Google Workspace の導入支援だけでなく、開発支援やデータ移行支援など、さまざまなサービスを提供しています。このように徹底したサポートを受けながらスムーズにツールを導入したい場合は、ぜひ電算システムにご相談ください。
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