今や多くの企業でクラウド型グループウェアサービスが採用されており、社内コミュニケーションの活性化や業務効率の向上、セキュリティ強化など、さまざまな効果が期待されています。
その中でも導入事例が多いサービスの1つが、GWS(Google Workspace)です。GWSでは、GoogleドキュメントやGmailをはじめとするGoogle提供の各種サービスをパッケージとして利用できます。また、容量や料金体型の異なる複数のプランが用意されており、企業規模や利用目的に応じて柔軟に導入できる点も魅力です。
本記事では、GWSの基本的な概要から料金プラン、利用できる主要サービスまで幅広く解説します。自社でグループウェアの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
GWS(Google Work Space)とはGoogle社が提供するビジネス用クラウドグループウェア
GWS(Google Workspace)は、Googleが提供するビジネス向けのクラウド型グループウェアです。GmailやGoogleドキュメントなど、Google提供の多様なツールがパッケージ化されており、あらゆるビジネスシーンで活用できます。
クラウドサービスのため、時間や場所を問わず同じ環境で業務を進められ、テレワークや働き方改革など現在の多様な働き方にも適したグループウェアです。プランに応じて生成AI「Gemini」を利用でき、メール作成サポートや文書要約など、日常業務の効率化に役立てられます。
参照元:Google Workspace
GWSは無料版と有料版でどう違う?
無料版として利用されることの多いGoogleドライブと、法人向けサービスであるGWS(Google Workspace)では、機能や管理面に幾つかの違いがあります。ここでは、GoogleドライブとGWSの違いについて、主なポイントを4つ解説します。
容量
無料版として利用されることの多いGoogleドライブでは、1アカウントあたり15GBのストレージ容量が提供されます。一方、法人向けサービスであるGWSでは、プランに応じて30GB〜5TB以上の大容量ストレージを利用できます。
また、Googleドライブは基本的に個人単位でストレージ容量が管理されますが、GWSでは組織全体でストレージを柔軟に割り当てられる点が特徴です。メンバーごとに利用容量の差がある場合でも、無駄なく運用できます。
メールアドレス
Googleドライブの無料版では独自ドメインのメールアドレスは利用できず、「@gmai.com」のメールアドレスが使用されます。一方、GWSでは独自ドメインの設定が可能なので、会社名を含むメールアドレスの使用が可能です。
独自ドメインのメールアドレスを利用することで、取引先からの信頼性向上や企業ブランディング強化にもつながります。
管理体制
GWSでは、管理者向けの管理コンソールを利用することで、ユーザー管理やセキュリティ設定を一元的に行えます。2段階認証の設定やアクセス制御、不正アクセスの検知など、企業利用を想定した強固なセキュリティ機能が備わっている点が特徴です。
そのため、医療機関や法律事務所など、コンプライアンスや情報セキュリティが重視される業界においても、GWSは活用されやすいサービスです。
Googleサービスで使える機能の範囲
GWSでは、無料版と比べて各Googleサービスで利用できる機能の範囲が広い傾向にあります。特に、AI機能やオンライン会議、業務効率化に関わる機能において違いがみられます。
以下は、無料版と有料版で利用できる機能に違いがある代表的な例です。
▼無料版と有料版で利用できる機能の違い
| サービス | 無料版 | 有料版 |
| Gemini | 利用可能 | 利用可能(最先端モデルのGemini Advancedも利用可能) |
| Google Meet | 利用可能 | 利用可能(録画や文字起こしも利用可能) |
| 予約スケジュール機能 | 利用不可 | 利用可能 |
GWSの料金プランは4種類
GWSの料金プランは、企業規模や利用目的に応じて4種類用意されています。以下では、各プランの料金や主な特徴を表形式でまとめています。なお、エンタープライズプランを除くプランについては、14日間の無料トライアルの利用が可能です。
▼GWSの4プラン
| プラン | 料金 | ストレージプール/人 | 利用可能機能 | |||
| 月契約/人・円 | 年契約/人・円 | |||||
| 〜3ヶ月 | 〜4ヶ月 | 〜3ヶ月 | 〜4ヶ月 | |||
| Starter プラン |
665 | 950 | 560 | 800 | 30GB | GmailやGoogle Meetなどを利用可能 |
| Standard プラン |
1,330 | 1,900 | 1,120 | 1,600 | 2TB |
|
| Plus プラン |
2,100 | 3,000 | 1,750 | 2,500 | 5TB |
|
| エンタープライズ プラン |
要問合せ |
|
||||
※料金は税抜
参照元:柔軟な価格プラン オプションの比較 | Google Workspace
GWSでできること
GWSを用いることで、企業が抱えるさまざまな課題の解決につながります。ここでは、GWSで実現できることを5つ紹介します。
社内コミュニケーションの活性化
GWSを利用すれば、インターネット環境があれば時間や場所を問わず、リアルタイムでのコミュニケーションが可能です。チャットやカレンダー、WEB会議などのアプリ同士をシームレスに連携させることで情報共有がスムーズになり、迅速で活発なコミュニケーションを実現できます。結果として、社内の連携が強化され、業務の円滑化につながります。
共同作業の促進
GWSでは、複数のメンバーが同じドキュメントを同時に編集できます。例えば、打ち合わせの場でWEB会議を立ち上げ、画面を共有しながらリアルタイムで資料を編集することも可能です。これにより、やり取りの手間が減り、業務効率化や作業品質の向上が図れます。
情報収集・発信の促進
GWSを使えば、アンケートフォームでの意見収集やサイトを通じた情報発信などが可能です。クラウド上に保存されたデータは検索性が高く、必要な情報へ素早くアクセスできるため、情報が見つからず業務が遅れるリスクを軽減できます。また、音声認識や画像認識などのAI機能を活用することで、検索や情報整理、情報発信の効率化にもつながります。
テレワークの促進
GWSに含まれている各ツールは、すべてクラウド上で利用できます。そのため、オフィス内に限らず、自宅や外出先からでもデータにアクセスでき、柔軟な働き方を実現できます。テレワークやハイブリッドワークの推進にも適した環境を構築できる点が特徴です。
セキュリティの強化
GWSには、無料版のGoogleドライブでは利用できない、企業利用を想定したセキュリティ機能が豊富に用意されています。これらの機能の活用により、情報漏洩リスクの低減やセキュリティの強化が可能です。
▼GWSで利用できる主なセキュリティ機能(一例)
- パスワード要件のカスタマイズ
- 迷惑メールのフィルタ機能
- 広告の無効化
- アラート機能
- 2段階認証プロセス
また、GWSには管理者のみアクセス可能な管理コンソールが存在しており、ユーザーや権限の一元管理が可能です。管理体制を明確にし、社内全体のアクセス制御を行うことで、より安全なIT環境を整えられます。
GWSで使える代表的なアプリ18選
GWSではGoogleが提供するさまざまなアプリを活用できます。ここでは、その中でも特に利用頻度の高い代表的なアプリを18個紹介します。
Gmail
Gmailは、優れた検索機能を有するビジネス向けメールアプリです。フィルタやアラートなどの機能により、メールの整理や対応にかかる負担を大幅に削減できます。また、GoogleカレンダーやGoogle Meet、Google Chatなど他のGWSアプリとの連携性も高く、メールから直接スケジュール確認や会議参加が可能です。
Googleカレンダー
Googleカレンダーは、個人や組織でのスケジュール管理ができるカレンダーサービスです。PCだけでなくスマートフォン、タブレットなどのデバイスからも利用できます。リマインダー設定に加え、Google Meetとの連携で、予定作成と同時にWeb会議のセッティングやメンバー招待も可能です。
Google Meet
Google Meetは、複数のユーザー同士でビデオ通話ができるWeb会議ツールです。遠隔地のメンバーとの会議や面談、オンラインセミナーなどに利用できます。チャットや画面共有、録画、字幕表示など、ビジネス利用を想定した機能も充実しています。
Google Chat
Google Chatは、ダイレクトメッセージからグループ会話まで対応可能なチャットツールです。手軽にテキストコミュニケーションができ、Googleドライブのファイル共有やメンバー同士のタスク管理も行えます。また、Google Meetやカレンダーと連携し、会議設定や情報検索をチャット上で完結できます。
Gemini
GeminiはGWS上で利用できるマルチモーダルな生成AIサービスです。対話形式で指示を出すことで、文章の作成や校正、要約などが可能です。Google ドキュメントやスプレッドシートなどでは、サイドパネルからGeminiを呼び出して利用できます。
Googleドキュメント
Googleドキュメントは、クラウド上で利用できる文書作成ツールです。文書の作成・編集をオンラインで行えるほか、複数人でのリアルタイム共同編集にも対応しています。
共同編集時にはリアルタイムで編集内容が同期され、コメントを添付すれば他メンバーとコミュニケーションを取れます。また、作成したファイルはGoogleドライブに保存されるため、ファイル管理の効率化や情報共有の円滑化にも効果的です。
Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは、Excelに近い感覚で利用できるクラウド型表計算ソフトです。表・グラフ作成や関数計算などの基本機能に加え、ファイル共有や共同編集がしやすく、リモートワーク環境でも活躍されます。
Googleスライド
Googleスライドは、オンライン上でプレゼン資料を作成・編集できるツールです。スライドショー形式の資料の編集や共有、PowerPointへの変換、PDFへの書き出しなどの作業がオンライン上で完結できます。
ソフトウェアのインストールは不要で、複数のユーザーを招待して共同編集が可能です。また、社内だけでなく外出先や自宅など、時間や場所を問わずにプレゼン資料を作成できるため、テレワークを採用している企業にもおすすめです。
Googleフォーム
Googleフォームはアンケートやお問い合わせフォームを簡単に作成できるツールです。回答内容はリアルタイムで集計され、Googleスプレッドシートへ自動出力できます。そのため、調査結果をすぐに分析に活用できる点も特徴です。
Google Keep
Google Keepはメモの作成・共有ができるアプリです。オフライン利用や音声入力にも対応し、出先でも素早く情報を記録できます。
音声で記録した内容は自動的に文字変換されるので、テキスト起こしの手間も不要です。また、Chromeブラウザから直接入力できる拡張機能やリマインダー機能なども用意されており、幅広いシーンで活用できます。
Googleサイト
Googleサイトは、HTML、CSS、Javascriptなどの専門的知識がなくても、簡単にWEBサイトを作成できるツールです。テンプレートからデザインを選ぶだけでサイトをカスタマイズできるため、直感的にWebサイトを構築できます。
自社ポータルサイトや部署内の情報管理サイトなど、さまざまなイントラネット構築に便利なツールです。また、共有権限を設定すれば複数ユーザーで共同編集でき、チームで協力しながら効率的にサイトを作成できます。
Google Drive
Google Driveは、ファイルの保管・アクセス・共有を1つの安全な場所で行えるクラウドストレージサービスです。スマートフォン、タブレット、パソコンなど、あらゆるデバイスからアクセス・編集でき、共同作業をスムーズに進められます。
また、Googleの高精度な検索技術でドライブ上の情報を検索でき、必要なコンテンツにすばやくアクセス可能です。これにより、必要な情報を探す手間を大幅に削減できます。
Cloud Search
Cloud Searchは、AIによってGWS全体を横断検索できるツールです。GmailやGoogleカレンダーなどに含まれるデータをまとめて検索でき、業務に関する情報へすぐにアクセスできます。キーワードを入力するだけで目的のファイルや情報にたどり着けるため、社内の情報検索にかかる時間を大幅に短縮できます。
AppSheet
AppSheetは、プログラミングの知識がなくても、Googleスプレッドシートなどのデータをもとにアプリケーションを作成できるノーコードプラットフォームです。豊富なテンプレートと直感的な操作性により、アプリ開発のハードルを下げ、業務改善を強力に支援します。
Vault
Valutは、GWS内のデータを安全に保管・アーカイブできる機能です。重要な情報を保持し、必要に応じて閲覧・検索可能な状態を保ってくれます。例えば法務部門では、従業員管理に必要なデータの保全や、従業員の離職時のデータ損失防止などにも活用されています。
Google Group for Business
Google Group for Businessは、複数人でのコミュニケーションや情報共有を効率化するサービスです。例えば、メーリングリストを活用して複数人へ一斉にメール送信できるほか、掲示板形式で情報のやり取りを記録することも可能です。
有料版では、無料版より高度なセキュリティ機能と管理機能を利用できます。サポート体制が充実している点も特徴です。
管理コンソール
管理コンソールは、組織のGWSを一元管理するための機能です。2段階認証、端末管理、リモートロックなどの設定をまとめて実行できます。これにより、常に組織内のデータを安全に保つことができます。
Googleエンドポイント管理
Google エンドポイント管理は、あらゆるデバイスのデータを保護するセキュリティツールです。PC、スマートフォン、ダブレットなどのエンドポイント全体の安全性を強化できます。
例えば、スマートフォンの紛失や盗難が発生した場合でも、画面ロックやパスワード設定、データ消去が可能です。また、特定のセッションへのアクセスブロックにも対応しており、情報漏洩リスクを低減できます。
GWSの活用事例
最後に、GWSを実際に導入した企業の事例として、弊社が導入・運用をサポートした2社の取り組みを紹介します。自社でGWSの導入を検討している企業にとって、課題解決のヒントになるでしょう。
他にも、電算システムでは多数の導入事例を掲載していますので、あわせてご覧ください。
ハナマルキ株式会社
ハナマルキ株式会社は、味噌を中心とした食品の製造・販売を手がける食品会社です。2018年の創業100周年を期に、次の100年を見据えたさまざまな改革に取り組んできました。特にICT環境の整備に以下のような課題を抱えていました。
- メールシステムの老朽化
- ファイル容量の増加
- ノートパソコンのセキュリティリスク
- 紙中心の業務習慣
これらの課題を解決すべく、同社は2019年8月よりGoogle Workspace Enterpriseを導入しました。また、同サービスの定着を図るため、社内推進委員会の設置、クラウドワークフローの導入、さらには研修・教育も実施しました。
導入後は、あらゆる社内データをクラウド上で共有できるようになり、フリーアドレス化の推進による従業員の意識が変化や、スケジュール調整・議事録共有の効率化など、業務プロセスが大きく改善されました。
さらに、2020年の新型コロナウイルス流行時には、すでにGWS環境が整っていたことで、リモートワークへの移行を円滑に進められた点も大きな効果です。
株式会社アルペン
株式会社アルペンは、スポーツ・アウトドア用品の販売を主軸に、フィットネスクラブやゴルフ場、スキー場の運営、プライベートブランドの開発・製造などを行っている企業です。従来はオンプレミスサーバーを利用していましたが、以下のような課題を抱えていました。
- メールサーバーの容量不足
- グループウェアへの接続制限
- 店舗従業員への個別連絡が困難
これらの課題を解決すべく、柔軟に容量を拡張できるクラウドサーバーとしてGWSを導入しました。導入時には既存の生体認証ログインとの連携が課題となりましたが、弊社との協議のうえ、CloudGate UNOの導入で解決できました。
GWS導入後の主な効果は以下の通りです。
- メールサーバーの容量不足が解消され、運用負荷が軽減
- チャット活用によるコミュニケーションの活性化
- アンケートフォームによる従業員の意見収集の効率化
- データ保管・管理の促進によるコスト削減
このように、情報共有・コミュニケーション・データ管理の全てにおいて改善が見られ、GWSが業務基盤として大きく寄与しています。
GWSでGoogle社提供の各種アプリケーションをまとめてビジネス利用
GWS(Google Workspace)は、Googleが提供するビジネス向けクラウドグループウェアです。時間や場所を問わず同じクラウド上で業務を進められるため、柔軟な働き方に適した基盤を構築できます。Starter、Standard、Plus、Enterpriseの4プランが用意されており、GmailやGoogleカレンダーなど主要なGoogleサービスを幅広く利用できます。
職場コミュニケーションの活性化や情報収集の促進など多様な業務課題に対応できる点も特徴です。事例でも紹介したとおり、GWSは多くの企業で導入され、業務効率化や働き方改革に貢献しています。
電算システムでは、GWSの導入から運用までトータルでサポートしています。GWSについてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
- カテゴリ:
- Google Workspace
- キーワード:
- gws

